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2022年04月22日09:43

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3月の読書日記

 寒暖の差が激しく、アレルギーの皮膚炎で「かいかい」なので睡眠不足の日々。なんかね、あっというまに桜からサツキの季節になったよ。母の一周忌やら家の売却やらで、休みが忙殺されているが、天気がよいとなにやら楽しくなるめでたい性格である。

で図書館で借りた本から
◯月と日の后月と日の后(PHP研究所)冲方 丁著:わずか十二歳で入内した藤原道長の娘・彰子は一条天皇を迎える最初の夜、一条天皇の初めての男児誕生の報を聞くげっそり男児を産んだのは藤原定子。夫である一条天皇は、優しく彰子に接するが、彼が真に愛した女性・定子の存在は、つねに彰子に付きまとう。父・道長によって華やかに整えられた宮中で心を閉ざし、孤独を深める彰子であったが、一人の幼子によって、彼女の世界は大きく変わった。定子の崩御により遺された子、敦康。また、扱い難い紫式部の心を開かせ大きな戦力として使うことで「国母 」としての道を歩む。清少納言に描写される明るく才気煥発な定子に比べ影の薄い彰子だが、じつは強靱な精神の持ち主だったのね。この人に清少納言では駄目だったろうし、定子に紫式部では上手くいかなかっただろうし、うまく出来てるもんだ。
◯藤森照信×山口 晃 探検! 東京国立博物館(淡交社) 藤森 照信著,山口 晃著:この御二方の「日本建築集中講義」が大変面白かったので、こちらも借りてみた。お茶室での特別体験のところがうらやましい。確かに茶室の中では座る位置によって空間の感じが子なるだろう。特別に中に入らせてもらった人だけがわかる至福の体験。博物館の建物に焦点があっているので、展示物の説明などはされないが結構たのしめるもんだ。
◯火の闇 飴売り三左事件帖 (徳間文庫)北 重人著:権力争いから武士を捨てて飴売りになった三左。妻はかわいがっていた後輩の重いものという複雑な設定。この謎は解明されないままに著者が亡くなってしまった。静謐な文体で描かれる時代小説。次を待っていたら訃報に接したのが残念。
◯銀閣の人(KADOKAWA)門井 慶喜: 「日本の美」の源流をたどればそこに彼がいる。応仁の乱のさなか彼が構想した東山殿(銀閣)は、当代一流の才能を結集した一大文化プロジェクトだった。今日本の伝統と言われているもののっ多くは室町時代、特に義政の時代に作られたという。美の目利きであって、政治的無能人。ただ、このかたの文体か語り口のいずれかが微妙に私とは合わない事がある。これは合わないほうのやつ。
◯勿忘草の咲く町で 安曇野診療記 (角川文庫)夏川 草介著:月岡美琴は、松本市郊外にある梓川病院に勤めて3年目の看護師。風変わりな研修医・桂勝太郎と共に、膵癌を患い、妻子を遺して亡くなった長坂さんを看取り、誤嚥性肺炎で入院中だが「生大根の子糠漬けなら食べられる」という88歳の新村さんのために沢庵を切る(。といった物語。最先端の医療を行う大都会の大病院では無い地域の医療について考えさせられる。高齢化に伴ない、最後の看取りを如何にするかは、現代の医療の抱える大きな問題であると思う。チョコレートの匂いのするダリア、欲しいような気がするハート←研修医の家業はお花屋さんで、彼は花に詳しい。
購入した本。忙しくて読んでないのもあり、読んだ物の一部
●古代中国の24時間-秦漢時代の衣食住から性愛まで (中公新書)柿沼 陽平著:写真に示すような帯の土偶?の写真がかわいくて購入。中国の秦漢時代と言う今から二千年前の人々は毎日朝から晩まで、どんな日常生活を送っていたのだろう? 中国史家が史料を読み込み、考古学も参照しながら、服装、食事から宴会、セックス、子育ての様子までその実像を丸裸にする。と謳われている。身分による差は結構大きく、農民は忙しそうだが走る人役人は暇そうな感じだ。前半では一人の人間を対象として記述されているが、後半の章分けはつながりがなく、前半のほうが面白い。
●きたきた捕物帖(PHP文芸文庫)宮部みゆき:十六歳の北一は、亡くなった岡っ引き・千吉親分の本業だった文庫売りで生計を立てている。ちょっと気弱で、岡っ引きとしてはまだ見習いの北一が、相棒となる喜多次と出逢い、親分のおかみさんなど、周りの人に助けられながら、事件や不思議なできごとを解き明かしていく物語。宮部さんの語り口は上手いなあと思う。するすると読めてしまう。物語は始まったばかり。謎の男の子喜多次も主役以上に気になる。
●悪の包囲ラストライン 5(文春文庫)堂場瞬一著:警視庁サイバー犯罪対策課の福沢が殺害された。岩倉の事件に関する異様な記憶力に目を付け、研究材料にしようと執拗に誘いをかけてきていた男だ。過去の因縁に加えて、事件の直前に衆人環視の中で小競り合いまで演じていたため、岩倉は容疑者扱いされ捜査本部からも外れざるを得なくなる。この人の本も、ああまたかと思いつつも退屈しないで読むことができる。今回はちょっと中ぶらりんな結末になっているような気がする。
●119(文春文庫)長岡弘樹著:ほんとに短い話なのに起承転結というか、組み立てがしっかりしているのに驚く。短い中で伏線を張り、話をひっくり返して見せる技は凄い。119と言う題名のごとく救急や火災の現場で働く人達のお話


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