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2022年04月01日06:42

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電動ファン付き空冷ジャケット

大変な時代である。グローバル化が進み、いつどんな出来事が自分の生活に直接の影響を及ぼすか、一昔前には想像もできなかったような要因が、自分の日常への関係を引き起こすようになった。グローバル化に対しては多様な見解が存在すると思う。視点が多様であることは重要である。ただ、グローバル化はイデオロギーではない。絶対善でも絶対悪でもない。それが良いことなのかどうかは一概に言えず、恩恵もあるとしても弊害もあろう。はっきりしていることは、グローバル化は存在しているということと、止めることは誰にもできないということだ。

世界的にエネルギー資源が不足しようとしている。厳密に言えば、不足とはいっても締め出した領域があるということなのだが。天然ガスは在庫が低いまま次の冬に突入する見込みであり短期的には厳しい局面になると指摘する識者もある。再生可能エネルギーの供給割合を短期間に拡大するようなことは、技術的には現実性が乏しい。となれば、愚直に基本に立ち返れば、節電が推奨されるということである。次の冬どころか、来る夏への対応は喫緊の課題である。
その昔、半袖の背広を政府が普及させようとしたことがあった。しかし背広はある程度体型(シルエット)を矯正するように機能する服である。半袖ではシルエットが台無しである。背広の機能の本質を蹂躙していたのである。定着するわけがない。
その点、最近のクールビズというヘンな命名のドレスコードは、まだしも合理的であった。上着もネクタイもやめましょうということなら、少なくとも機能的観点からいえば、合理的ではないか。
ただしこれにも限界はある。ある程度以上に脱げない限界があるのだから当然である。また、ただ節減するだけでは経済も停滞しかねない。節電の呼びかけは社会の傾向に対する働きかけではあっても生産と需要の抑圧に直結するのは避けたい。

東日本の有力な電力会社では、従来から自社の社員に屋外作業用として配布していた電動ファン付き空冷ジャケットを、節電に協力する事業者や個人に格安で頒布することを決めたそうだ。発電コストの高騰と節電呼びかけによる料金収入の減少を幾らかでも補填するのが目的と聞く。
ただし従来の空冷ジャケットだと、じっとしていれば涼しいが歩いたり走ったりすればやや暑くなる。元々が屋外作業用に考えられたものなのだから、これは改善が必要であった。そこで、靴底に圧電素子を備えた靴とセットで使用するようにし、歩いたり走ったりしたときの靴底の圧力変化から発電できるようにしたそうだ。圧電素子で発生した電荷は靴の甲部分に仕込まれたシート状リチウムイオン二次電池に蓄電され、ジャケットの空冷ファンの稼働状況に応じて自動制御で給電される仕組み。これなら早足で歩いたり走ったりするほど潤沢に発電されて、空冷ファンを存分に回せる。
でも座って仕事をする人からは不満の声が聞こえるかもしれない。座っていても冷房を弱めた部屋に大勢の社員がすし詰めのように座って仕事をするときには、結構暑いからである。高層オフィスビルの窓は嵌め殺しであるから、これは深刻である。頒布元の電力会社によれば、そのような場合は仕事をしながら貧乏揺すりをすると良いそうである。貧乏揺すりで踵が床に当たる度に発電され、適度に空冷ファンの回転数を上げられる由。

この圧電靴付き空冷ジャケットは、日米欧中国他十一ヶ国に国際特許申請中。頒布価格は一着5280円だが、一度に二百組以上納入の場合には一着3510円まで下げられるそうだ。
納入は来たる06/15から順次開始される。既に04/01から所定のホームページ上で予約受付が始まっている。効率的に発電するための推奨の貧乏揺すりも、『クールエレキビズ体操』と名付けられて動画が公開されている。
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