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2022年03月28日19:57

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タスマニア島無差別銃乱射事件始末記

今日は新宿シネマカリテで「ニトラム NITRAM」を観てきました。

監督:ジャスティン・カーゼル

配役(役名):ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(マーティン/ニトラム)、ジュディ・デイビス(マーティンの母)、アンソニー・ラバリア(マーティンの父)、エシー・デイビス(ヘレン)、ショーン・キーナン(ジェイミー)他。

1996年月28日にオーストラリア・タスマニア島の観光地ポート・アーサー史跡で起こった無差別銃乱射事件の犯人マーティン・ブライアントを主人公に描いた作品です。

幼少期から周囲に馴染めず、花火をしては近所から苦情を受けていたマーティンは同級生からはファーストネームを逆さ読みしてニトラムとからかわれていました。
27歳の青年になっても彼の花火で遊ぶ習慣は続いていて、心療内科医の治療も受けていました。

マーティンは海岸で若い女性に声をかけますが、その女性はサーフィンをしていたジェイミーに横取りされてしまいます。
マーティンはサーフボードを欲しがり母にねだりますが、買ってもらえなかった為に芝刈りの訪問営業を始めます。

教師をしている元同級生の学校の前で例によって花火を始めたマーティンを事ぢも太刀は面白半分に見ていましたが、元同級生の教師はマーティンに苦情を言って子供たちを連れ帰ります。
そこへマーティンの父が車で通りかかり、マーティンを乗せて海辺にある売り家に連れて行き、ここで民宿を開きマーティンにも仕事を手伝うように言います。

マーティンは訪問営業で大きな邸を訪ね、ヘレンという年上の女性に芝刈りをさせてもらう事になります。
しかし、芝刈り機が故障し、ヘレンから犬たちの散歩を請け負います。
ヘレンの邸に招き入れられたマーティンはヘレンにピアノを教わり、買い物に付き合う事になります。
ヘレンは車屋にマーティンを連れて行き、ベンツを試乗しますが、マーティンが助手席からハンドルを切る悪ふざけをした為販売員の怒りを買います(マーティは免許を持っていなくて交通ルールもマナーも知りません)。
そんなトラブルがありながらもマーティンとヘレンの距離は縮まり、ヘレンはマーティンにボルボをプレゼントします。

マーティンは両親にヘレンの家に住むと言い出し、家を出てヘレンの邸に押しかけますがヘレンはマーティンを受け入れます。
マーティンは両親にヘレンを紹介しますが、かなり年上である事に母は心配します。

父親が欲していた海辺の家が先客に買われてしまい、父親は大きなショックを受けます。

マーティンは父親が買ってくれたエアライフルをヘレン邸の庭で撃って遊んでいて、ヘレンはそれを咎めます。
マーティンは本物のライフルが欲しいとヘレンにねだりますが、ヘレンは銃が嫌いで拒否します。
マーティンは今度はヘレンに米国LA行きをねだり、ヘレンはこれは同意して車で空港に向かいますが、マーティンが助手席からハンドルを切る悪戯をし、車は横転しヘレンは死亡、マーティンは重傷を負います。

傷の癒えたマーティンは酒場へ行くとバーテンは海岸で会ったサーファーのジェイミーでした。
元同級生の客からはニトラムの渾名を呼ばれて、ジェイミーもニトラムの渾名を口にし、マーティンは嫌悪感を抱きます。

マーティンは主のいなくなったヘレンの邸に住みつき、ヘレンの遺産50万ドルも手にしていました(ヘレンは女優と歌手で成功し富を築いていました)。
そして父が欲していた海辺の家に大金を持って押しかけ、家を売るよう家主に迫りますが家主夫婦は断ります。
父親は体調が悪く、自殺を図り水死体で見つかります。
マーティンは教会に葬儀に相応しくない服装で現れ母鬼に追い返されます。

マーティンは銃砲店に行き、半自動小銃とショットと癌に拳銃を買います。
マーティンは海岸に行きジェイミーに拳銃をプレゼントしようとしますが、ジェイミーは気味悪がってその場から立ち去ります。
TVでスコットランドで起こった銃乱射事件のニュースが流れると、マーティンは新たにまた半自動小銃を購入します。

マーティンはヘレンの飼い犬たちを解き放つと海辺の家に押しかけ銃を発砲します。
そして観光客でにぎわうポート・アーサー史跡に行き、レストハウスでジュースとスイーツを腹に入れると35人死亡、23人負傷の無差別大量殺人事件を起こします。
マーティンには終身刑35回の判決がくだり、事件後オーストラリア政府は銃規制を行い、大量の銃を買い取って廃棄しますが、法の網の目をくぐっての銃売買はなおも続くのでした。

海外の銃乱射事件のニュースは米国での事件が多いですが、オーストラリアでもこんな凄惨な事件があったとは知りませんでした。
銃乱射の場面は映さず、家の外からの映像とレストハウスでの乱射の場面は登場しませんが、想像するだけでもおぞましいです。
本作では犯人の幼少期から触れ、青年期になってからは暴力的ではなかったものの親もどうしたらよいものか暮らしていた様子が描かれています。
父親は民宿を一緒に運営する事で息子の自立を考えていたものの物件が売れてしまい、絶望していたところを息子が思わぬところから大金を得て事件に発展してゆくという顛末でした。
全ては主人公の生来の精神疾患と気質に起因するところが大きく、罰したところで主人公は堪えないのだろうなぁと思うと虚しさしかないと感じる話でした。

公式サイトURL
http://www.cetera.co.jp/nitram
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