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2022年03月26日22:18

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【天文】重星8連発

★こんばんは。ここしばらく仕事でプレッシャーのかかる案件が続いたのでだいぶ日記をサボっていた男、かま猫です。

★そんなわけでしばらく前になりますが、3月10日に撮った天体写真。この晩は月が大きくとりあえず撮るものもなかったので、たまには二重星でも撮ってみるか、と天文台の60cm望遠鏡にCMOSカメラを付けてみました。まずはピントをしっかり出すために一番明るいおおいぬ座のシリウスに向けて撮影。ピントを追い込んでいくと……あれ?
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あ!「シリウスB」が写っとる(写真の↓)! 以前にも話しましたが、これはシリウスの周りを回る白色矮星で、なかなか見られない星として有名。見たことがあると言ったらマニア界では「すげぇ!」と言われる超レア天体です。まさかこんなにあっさり写るなんて。

★ひょっとしてこの機材の組み合わせって、今使える機材で二重星を撮る最適解かもしれない…と気がついてテンション爆上がり。この晩は他の天体の撮影をはさみながら、有名どころの二重星を一通り撮ってみました。

★次に望遠鏡を向けたのはオリオン座の左下の1等星、リゲル。これも小さい望遠鏡でも楽しめる二重星として有名。
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楽勝ですね。でもこうして比べてみると、二つの星の離角はシリウスとあまり変わらない。シリウスBが難物なのは、離角の小ささではなく光度差のせいであるのがよく分かります。


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次はこれも有名な二重星、ふたご座のカストル。いいねえ。これまで二重星をどう撮るかは悩みの種だったんですが、この撮り方ならいろんな明るさ、いろんなタイプの二重星が同じフォーマットで撮れそう。まさに最適解です。


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お次はおおいぬ座の145番星。それほど有名ではないけど、天文ファンの間では「冬のアルビレオ」とも呼ばれています。アルビレオというのははくちょう座の一番有名な二重星。アルビレオは夏にしか見られないので、冬の間は離角と色の取り合わせがよく似たこの星が代用品、というわけです。この撮り方では少々離れすぎているけれども、小望遠鏡だとちょうどいい眺め。今回は他の二重星との比較のため、あえて同じ画角で撮影しています。


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冬の大三角の中にあるいっかくじゅう座のベータ星。二重星ではなく三重星です。目立つ星ではありませんが、空中の天体を見つくしたかのウィリアム・ハーシェルが、「最も美しい重星」と呼んだことでマニアの間では有名。ハーシェルの見解には正直疑問を感じますが、確かに美しい配置ではあります。


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しし座のガンマ星、アルギエバ。これも定番の二重星です。黄色の星がくっつきそうなくらいそばに見えますが、その黄色味の微妙な差が味わいどころ。その辺もうまく写ってくれています。


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おとめ座のガンマ星、ポリマ。この星はお互いの周りを回る周期が約169年と、連星としては非常に短いことで有名。実際過去に撮られた写真と比べると、並びの方向が違っていることがわかって興味深いです。

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この晩のラスト、うしかい座イプシロン星。イザールというのが正式な固有名ですが、ロシアの二重星研究家シュトルーベがつけた「プルケリマ(ラテン語で「最も美しいもの」の意)」という愛称の方がより有名です。これも離角が小さくて難物ですが、光度差と色の対比が絶妙で、その名前にも納得の一対です。

★いやー、いいの撮れたわ。しばらくはこの方法で、いろんな二重星一通り撮っておこう。
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