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2022年03月21日00:43

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原大智選手に想うこと

競輪好きがこうじて、JCOMでスポーツチャンネルを購入してしまった。
僕は、時たま車券は買うけど、車券を買わずに競輪を眺めているだけでも満足と言う変り種であるが、夜な夜な、その日のダイジェストを観ているだけで楽しい。
このスピードチャンネル、基本的には、昼はその日の競輪の実況、夜はダイジェストと前日予想がメインなのだが、時たま番組独自のバラエティなどやっていてこれもまた楽しい。
「月刊松浦悠士」という広島所属SSの松浦選手のオリジナル番組は、松浦選手がひとりで出演する番組だが、スイーツの企画やら直近のレース分析やらをやっている。当然、松浦選手はプロのタレントではないので、セリフなんかも棒読みで恥ずかしがっているのが丸わかり、みているこっちがいたたまれなくなるのだが、松浦選手の誠実な人柄が伝わってきてほっこりする。
かと思えば、かつての名選手の山口幸二が、加藤慎平なんかと車券予想のバラエティ番組をやっていて、こちらはケイマルガールズなる女の子のタレントとキャピキャピやっているチャラい番組なのだが、山口や加藤の番組進行は、プロタレント顔負けのうまさがあり、たいしたものだなあ・・と思わせる。
あと、かつては西の横綱と呼ばれた吉岡稔真も結構な頻度で出ているんだが、しゃべりがうまいうまい。。ひとしきりのユーモアもあって、現役時代の孤高の実力者のイメージからは程遠い。
総じて、番組にでている元競輪選手はトークがとてもうまく、野球選手なんかよりよほどタレント性があってビックリする。内林久徳なんかも普通のトークは面白いし、解説をやっても非常にわかりやすく、びっくりする。

というように、毎晩夜になるとスピードチャンネルをみているんだが、原大智選手のインタビューがちょこっとやっていた。
ちょうど北京オリンピックが開催したということもあり、モーグルに出場したことで話題をよんだが、これは僕も相当驚いた。
プロとして競輪選手をやりながら、全く関係ないモーグルという種目でのオリンピック出場。脇本雄太た新田雄大などのように、自転車競技でオリンピックに出るならまだしも、全く自転車と関係ないモーグルである。
結果は惜しくも7位。平昌の時に銅メダルだったので、それと比較すれば北京は敗戦だったと思ってしまうが、それでも7位である。世界各国からそれぞれの国の最高レベルの選手が数十人集う中での7位は立派なもの。
思えば、平昌のときも、東京・渋谷区出身のモーグル選手で、雪国出身じゃないど都会から競技スキーでのメダル獲得という異色を騒がれたが、今回は、競輪選手への転向→オリンピック再チャレンジというこれまた異色の経歴。
弱冠25歳にして、これだけいろんなプロフィールを持つなんて、この人の人生は一体なんなんだろう・・と嫉妬にも似たものを感じてしまう。
オリンピアンから競輪選手への転向組は結構いて、有名どころでは茨城の武田豊樹。競輪グランプリを制覇した実力者であるが、武田選手の場合は、ソルトレークシティに出場(メダル獲れず)、その後競輪選手となり、競輪をしながらトリノオリンピックを目指すも、競輪学校時代に「こりゃー無理だ」と断念する。
武田選手の場合は、スピードスケート選手なので、まだ競輪のトレーニングが生きる競技ではあるが、それでも競輪のトレーニングと並行してスケートのトレーニングすることに限界を感じ、在校中に断念してしまう。
それを考えると、原大智がすでに選手としてデビューしていたにも関わらず、北京オリンピックに出場したことがいかに快挙かわかる。
しかし、北京オリンピックが終わって、モーグルにはもうやり残したことはない、とモーグルのほうは引退宣言をした。これからは、競輪一本に専念するそうだ。
なかなかA級で勝ち上がることができない厳しさを痛感したそうで、まあさすがにそうなるだろうなあ、と思う。
これからはプロの勝負師として、賞金を稼ぎ生計をたてていかねばならない。ようやく競輪選手としてのスタートラインにたったのだ。
オリンピックは一見華やかな世界で、頻度も4年に一度というレア価値があり、しかも国の代表として国を背負って出場する。モーグルという競技は、全国的にみれば普段は見向きもしない人が多くいる中で、オリンピックの時は全国的に脚光を浴びる。
その一瞬の栄華を味わうことは、アスリート冥利に尽きるだろう。
だが、武田選手もいっていたが、金メダルを獲り、全国に名を轟かせるようなよほどの選手でない限り(スピードスケートでは清水宏保のような)、スポンサーもつかず、貧乏生活を余儀なくされる。
大会に出場する旅費を工面するのさえ難儀である、というのが多くのオリンピアンの悩みで、それでも出場したいと思うのは、オリンピック出場という名誉のみにあるらしい。
そう考えると、今後の長い人生、アスリートとして生涯飯を喰っていくこと、競輪選手としての実績を残していくことこそが、原選手にとって今後努力していかねばならないことだろう。
だから今回の決心は大いに評価する。実力がついてくれば、いずれは車券を購入しよう。

それにしても、オリンピック2大会出場に加えて、競輪選手としてお金を稼いでいるというのは、普通の人間はどちらか一方でもできるものではないのに、2つとも持っていってしまうとは何と贅沢な、、と思う。
僕はむしろ、平原康太選手のように、自分は競輪一本しかないと、ナショナルチームには見向きもしない競輪バカのほうが好感が持てる(多くの選手はナショナルチームへの参加など声もかからないんだが・・)。
やはり、酒の匂いと煙草の紫煙と罵声の中で、ギャンブルの駒として賭けの対象として走ることこそが競輪選手の魅力だ。
輪界の閉鎖された中での、人間関係、生き残り、金銭欲、そういう人間臭さが、1個1個のレースに出てきてしまい、賭ける方も、それら全ての人間臭い要素を分析して推理し、車券購入をする。
こんな面白い世界、他にあるまい。

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