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2022年03月17日11:21

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ロシア・ウクライナ危機2021−2022 第3回 ベラルーシの政治体制 アイスホッケーとサッカーを中心にスポーツ、大統領選挙、ハイジャック事件 氷上の奇跡 動画アリ

3/17(木)
国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は16日、ロシアに対し、ウクライナでの軍事行動を即時停止するよう命じる仮保全措置を出した。ロシアは、ICJには管轄権がないと主張しており、従う可能性は低いとみられる。
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6888340

ロシア・ウクライナ危機2021−2022の第3回目は、ロシアの協力国ベラルーシを取り上げる。
 
 第2回 ウクライナ伝統のコサック魂 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1981788449&owner_id=32437106


   第7章 ロシアに協力するベラルーシについて、欧州最後の独裁者

目次
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��2020年の大統領選挙後の抗議活動
��2021年のベラルーシ 反対勢力を弾圧する強権政治 


 旧ソ連の構成国の一つベラルーシは、日本のほぼ半分の面積である。国土の45%が森林地帯、泥炭や花崗岩が採掘される。通貨ベラルーシ・ルーブルは、2022年2月15日時点で1ドル=45ルーブルから、最新3月15日は1ドル=35,55ルーブルまで下がった。同国では1994年に大統領に就任したルカシェンコ氏が、強大な権限を持ち、選挙管理委員会も掌握している。

関連日記 2020年3月30日付け コロナ対応初期の様子やサッカー、アイスホッケーリーグの説明文と写真を掲載 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1975197156&owner_id=32437106

2020年の夏の大統領選挙には、支持率3%の味方があったものの、得票率80%で6選を果たした。今回コロナの感染拡大が起こった2020年以降のベラルーシを中心に見つめる。

�� 独裁国家ベラルーシの始まり

国際世論は、ロシアと協力国のべラルーシに対する制裁を強化する動きに出ている。事態を重く見た国連は、3月2日に緊急の国連総会を開催した。加盟193カ国の代表団は、概ねロシア軍によるウクライナへの武力行使は、「侵略」に当たると非難している。つまり、常任理事国の一つロシア連邦の弾劾決議となった。日本と米国を含め141カ国の賛成多数で採択した。反対はロシアのほか、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリアの5カ国にとどまり、中国やインドなど35カ国が棄権した。

写真 掲載元 NHK NEWS 2022年3月3日付け https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220303/k10013510951000.html
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賛成多数で決議が通っても、国連は武力闘争に介入すぐことはできない。経済制裁と共に、ウクライナへ武器を支援して、ロシアに対する圧力を強める。米国は、ロシアを国連の加盟国から追放する可能性を指摘した。当のプーチン大統領は、ウクライナ侵攻に関して、戦争の言葉を使わず、ロシア人保護のための「特別軍事行動」と主張している。協力的な西隣のベラルーシは、ロシア軍部隊を駐留させている。自国の軍隊をウクライナに投入していないとはいえ、手を貸している状況に変わりない。

ベラルーシの人口は2020年1月時点で940万人、西側諸国から独裁国家として非難の対象になった。大統領のルカシェンコは、西欧とは距離を置き、エネルギー資源国ロシアとの関係を強化していた。1999年12月8日に、ロシアの初代エリツィン大統領と「ベラルーシ・ロシア連合国家創設条約」を結んだ。条約内容では、政治・軍事、経済分野において、段階的に一つになることを意味する。天然資源に乏しいベラルーシは、ロシアから石油を輸入して、加工品を製作して、他国へ輸出している。ソ連時代共産党員だったルカシェンコは、1994年の就任以来、着々と独裁体制を固める。民営化を最小限に抑え、鉄道や病院を中心に国営企業を数多く残している。2004年9月4日、大統領の多選を禁じる憲法を改正するべく、国民投票の実施を発表した。同年10月17日に当開票が行われ、国民の8割弱の賛成により、当選回数の上限が撤廃された。

 写真=条約に調印するルカシェンコ(左)と当時のエリツィン大統領(右)
出典:Vladimir Rodionov / Владимир Родионов / CC BY-SA 3.0 
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これまでの大統領選挙において、1994年に初当選すると、96年に任期延長をし、2001年に再選した。2004年の憲法改正により、3選禁止条項がなくなり、当選回数は無制限となった。2006年に3選、2010年に4選、2015年に5選を果たしている。

 2020年以降、日本でも注目を浴びるようになった。同年3月に、ヨーロッパ大陸内でイタリアを発端に急速に新型コロナウィルスが広がった。ベラルーシも決して無縁ではなかったものの、各国の首脳と異なり、悠長に構えていた。大陸内で普及しているサッカーのリーグ戦が、各国で軒並み中断する中、ベラルーシ・リーグは、観客を入れての通常開催を続けていた。当のルカシェンコ氏は、感染拡大した2020年3月28日、アイスホッケーをする姿をメディアの前に公開した。彼は「ウォッカを飲めば治る」と楽観視していた。

        �� ベラルーシのスポーツ アイスホッケーとサッカー

 ベラルーシ国内では、アイスホッケーが国民的スポーツと化している。男子の代表チームは、2002年のソルトレークシティー・オリンピックで、大会のフォーマットを見直す契機を与えた。1998年長野大会から2大会連続で、男子アイスホッケー競技は、参加14チームのうち、ビッグ6と呼ばれる強豪6カ国にシード権が与えられていた。アメリカ、カナダ、ロシア、スウェーデン、フィンランド、チェコが対象である。残り8チームが、4チーム×2組に分かれて1次リーグを行い、首位通過2チームが、シード6チームが待つ2次リーグに勝ち進む仕組みである。2次リーグは、1次リーグと同じシステムである。2次リーグに残った上位8チームを4チーム×2組に分かれて、3試合のリーグ戦を行う。グループごとの順位に応じて、トーナメント方式の準々決勝以降の対戦カードが決まる。1998年の長野大会から2大会連続で1次リーグを勝ちあがったベラルーシは、格上のチームが集う2次リーグでは、前回と同じく3戦全敗だった。トーナメント方式の準々決勝で、もう一つの組の首位チームと対戦する。相手はスウェーデンだった。大方の予想をくつがえし、4対3で勝利し、ベスト4進出を果たしたのである。続く準決勝のカナダ戦は1対7、3位決定戦のロシア戦は2対7で敗れ、メダルを逃がし、4位の成績だった。ビッグ6とは力の差があったとはいえ、国民の間ではスウェーデン戦の勝利を「氷上の奇跡」として今もなお記憶に残り続けている。
 
 写真=スウェーデン戦での勝利後の様子 掲載元 Winter Olympic 2002 2月21日付 http://news.bbc.co.uk/winterolympics2002/hi/english/ice_hockey/newsid_1830000/1830687.stm
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2006年のトリノ(イタリア)大会から、フォーマットが変更された。参加チームの公平を喫するため、シード制は廃止されたのである。参加チームは14カ国から12カ国へ2チーム削減された。本戦に勝ちあがった12カ国を、6チーム×2組に分かれて、1次リーグを行う。それぞれの組の上位4カ国、計8カ国が準々決勝に勝ち進む仕組みである。
ベラルーシ代表は、2006年トリノ大会は最終予選で敗退し、本戦の出場権を逃した。2010年バンクーバー大会は、本戦に出場し、9位の結果を残した。2014年ソチ大会、2018年ピョンチャン大会、2022年北京大会は、本戦の出場権をかけた最終予選で敗退している。

 2022年北京大会は、3位決定戦でスウェーデンに4対0で勝利したスロバキアが、同国アイスホッケー史上初の銅メダルに輝いた。同大会の決勝戦では、フィンランドが、ROC(ロシアオリンピック連盟)に2対1で逆転勝ちし、五輪初の金メダルを獲得した。

 大会最優秀ゴーリーには,スロバキア代表の1993年11月9日生まれの28歳リバールが選ばれている。MVPには、同じくスロバキア代表で、大会トップとなる7ゴールをあげた2004年3月30日産まれの17歳スラコフスキーが輝いた。

ベラルーシ国内でのアイスホッケーの人気振りを示すのは、クラブチームの観客動員数である。首都ミンスクに本拠地を置くディナモ・ミンスクは、ベラルーシ全土から一躍注目を浴びている。チーム創設1年目となる03−04シーズンにベラルーシ・エクストラリーグに加盟した。創設3年目となる2006−2007シーズンに、リーグ優勝を果たす。続く2007−2008シーズンはレギュラーシーズンで3位になり、2連覇を逃した。
 2008−2009シーズン以降、ロシア・スーパーリーグの発展的解消により発足したコンチネンタル・ホッケーリーグ(通称KHL)に加わった。ベラルーシ・エクストラリーグを脱退し、よりレベルの高いKHLに参加することにより、国内の各クラブから有力選手を集めた。2010年バンクーバー(カナダ)オリンピックでは、ベラルーシ代表の13名、フィンランド代表の1名を加え、一つのクラブチームで14名を送り出した。五輪代表に最も多く派遣したクラブは同じくKHLに属するディナモ・リガの16名で、いずれも本国ラトビア代表だった。KHLに移籍して以降、過去の最高成績は、6度勝ち進んだカンファレンス・クォーターファイナル(プレーオフ1回戦、ベスト16)である。

写真=HCディナモ・ミンスク所属の2022年北京五輪スロバキア代表のゴーリー、リヴァ−ル https://en.khl.ru/players/18933/
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2009年12月30日に、ルカシェンコ大統領の指示により完成した収容人数1万5000人を越えるミンスク・アリーナを拠点に置いた。

 写真=2021−2022シーズンのHCディナモ・ミンスクのユニフォーム 掲載元 Guiloveより https://guilove.top/index.php?main_page=product_info&products_id=148146
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調子が良いシーズンは、アリーナをほぼ満員に出きるほどの人気ぶりだった。地区2位に入った2016−2017シーズンは、1試合辺りの平均観客数が1万3230人を記録した。過去最多は2012−2013シーズンの1万4299人である。https://www.hockeydb.com/nhl-attendance/att_graph_season.php?lid=KHL2009&sid=2013

同ミンスク・アリーナは、2014年のアイスホッケー世界選手権の主要会場に指定された。
2022年にフィンランドの首都ヘルシンキとタンペレで行われる世界選手権は、ロシアと共に大会を除外されている。

 アイスホッケーが人気な反面、サッカーの方は、WカップやEUROの出場暦はない。唯一出場したのは、2012年のロンドンオリンピックである。前年となる2011年にデンマークで行われたUEFA U-21選手権で、3位に入ったことにより、出場権の獲得にいたった。後にも先にもカテゴリーに問わず、ベラルーシが唯一出場した世界大会となった。

 詳細 2020年7月29日付 コロナ対応とサッカー関連について https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976450911&owner_id=32437106

 クラブレベルでは、2006年から2018年まで、国内トップのプレミアリーグで、BATEボリゾフが13連覇を達成していた。同クラブは、ベラルーシ勢で唯一、本戦32チームで争うUEFAチャンピオンズリーグに5度も出場した実績を持つ。

 国内リーグでは、2019年シーズンはディナモ・ブレストが優勝し、BATEボリゾフの13連覇をとめた。2020年と2021年シーズンは、シャフティオール・ソリゴルスクが2連覇を達成している。

 写真=2020年と2021年シーズンに連覇を達成したシャフティオール・ソリゴルスクのチームロゴ ウィキペディアより
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 代表チームにおいて、2022年カタールWカップの出場権をかけた欧州予選では、5チームが属するグループEに入り、ベルギー、ウェールズ、チェコ、エストニアとそれぞれ2試合対戦した。結果1勝7敗で5位に終った。

写真=2021年11月12日に行われたベラルーシ(白のユニフォーム)対 ウェールズ(赤色のユニフォーム)戦から1枚 (Photo by VLADIMIR KRAINOV/AFP via Getty Images)
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 必 UEFA U-21選手権は、21歳以下の欧州選手権、予選開始時に選手の年齢は21歳、2年後の本戦は23歳になる。同大会は、翌年の五輪予選を兼ねる。U-21欧州選手権の出場時最も年齢が高い23歳の選手は、翌年の五輪は24歳になる。従って五輪出場には、1チーム3人まで認められているオーバーエイジ枠での登録が条件である。
 
 2020年に話を戻すと、感染拡大した4月頃、サッカーの1試合当たり、平均観客数は1000人台にとどまっていた。市民の自粛により、平時の4分の1から5分の1の観客数だったのである。同国は、2020年7月28日時点で、国内の累計感染者数6万7000人余り、死者540人余りを記録していたものの、ルカシェンコは感染対策を強化するつもりはなかった。大統領自身も自ら感染したことを公表し、体調のよさをアピールしていた。
 
 詳細 NHK NEWS WEB 2020年7月29日付 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200729/k10012538181000.html

 最新2022年3月14日の1日辺りの検査件数は9859件、陽性者数は1166人、累計感染者数は94万2334人、感染による死者数6670人である。
                  ベラルーシの部屋 3月14日付け記事より

��  2020年の大統領選挙後の抗議活動

2020年8月9日に、世界から大きく非難される出来事が起こった。ルカシェンコ氏の6選がかかる大統領選挙において、不正疑惑が報じられたのである。ある調査会社によると、ルカシェンコの支持率は、わずか3%にとどまっていた。街頭に出て演説する対立候補のチハノフスカヤ氏の下には、多くの民衆が集い、熱い声援を送っていた。国民の多くが、独裁体制から民主主義体制への転換を望んだものの、期待を裏切る結果になった。国営メディアは、投開票日の夜、現職ルカシェンコ大統領の「当確」と報道した。得票率はルカシェンコ氏の80%近くに対し、対立候補のチハノスカヤ氏は7%と発表されたのである。
 
 写真=2020年のベラルーシ大統領選挙の結果判明後の出来事 掲載元 AFPBB NEWS https://www.afpbb.com/articles/-/3300219
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国民の意思に反する結果になったことを受けて、不正選挙を訴え、抗議の声がやまなかった。94年の大統領就任前に使用された赤と白の国旗を掲げた国民が、大通りへ出て、批判の声をあげることにより、治安部隊と衝突した。大統領側は、公正な選挙で国民から選ばれたと主張し、警官を中心に、時に軍を導入して、反対者の鎮圧に当たった。強権的なルカシェンコの振る舞いに、EU諸国は対策を練る。リトアニアに亡命したチハノフスカヤ氏を保護し、活動を支援する。彼女は、亡命先でルカシェンコ体制を非難し、自らが国民から選ばれた大統領だと訴える。ルカシェンコは、国民の声を押しつぶし、プーチン大統領と協力関係を築きながら、大統領職を継続する。1982年産まれのスヴャトラーナ・チハノフスカヤ氏が、今回の大統領選挙に出馬した分けは、ルカシェンコ独裁体制から、民主政治への転換以外の目的もある。不当な汚職による嫌疑をかけられた1978年産まれの夫セルゲイ・チハノフスカヤ氏を救うためだった。当初、政権批判票の受け皿として、ブロガーの夫セルゲイ・チハノフスカヤ氏が出馬するはずだった。対立候補を潰すべく、政権側は裏工作した。2020年5月に大規模な騒乱を組織した罪をきせて、収監したのである。セルゲイ・チハノフスカヤ氏は、2021年12月に行われた裁判で、禁錮18年の刑を受けた。その他支持者5人に対しても、14年から16年の刑が言い渡されている。妻であるスヴァトラーナ・チハノフスカヤ氏は、息子と娘と共にリトアニアに逃れ、EU諸国に協力を仰ぎ、ルカシェンコ打倒に向けて準備を進めている。

�� 2021年のベラルーシ 反対勢力を弾圧する強権政治 

選挙のやり直しを求めて声をあげる国民に対し、ルカシェンコは対話するつもりはない。将来的に年金を増額することでひとまず決着をつけた。
翌2021年、欧州各国の安全を揺るがす事態が起こった。海外で反政府活動を展開するジャーナリストを、一計を案じて、拘束したのである。同年5月23日のことだった。ギリシャの首都アテネから、リトアニアの首都ビリニュス行きのアイルランドの民間機「ライン・エアー」に搭乗する手続きを済ませていた。密かに反政府活動を展開するジャーナリストを見張っていたスパイが、政府へ情報を横流しにする。機体の不具合、または急病人の発生など、緊急時には身近な空港に着陸できる。そこでベラルーシ政府側は、ジャーナリストが乗り込んだ飛行機が、ベラルーシ領内を通過している最中に手を売った。政府が雇った工作員が「イスラム系の過激派によって爆弾を仕掛けられた可能性がある」と管制室に報告したのである。緊急性からすぐに大統領府にも情報が入った。ルカシェンコ大統領は指令を出し、29戦闘機を緊急発進させた。ジャーナリストが搭乗していたライン・エアー機を、首都ミンスク空港に誘導した。安全確保のため、現地治安部隊が停止した飛行機に乗り込んだ。機内にいた指名手配中のジャーナリスト、当時26歳のプロタセヴィッチ氏と交際相手である23歳のロシア人女性を拘束したのである。爆発物に関しては見つからなかった。プロタセヴィッチ氏は、搭乗前に不審人物に見張られていると、知人に打ち明けていた。

 詳細 日経新聞 2021年5月24日付 欧米、ベラルーシ強制着陸非難「国家主導ハイジャック」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2442B0U1A520C2000000/

 写真=プロタセヴィッチ氏 掲載元 NHK.jp 2021年5月24日付 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210524/k10013049021000.html
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 ベラルーシ当局は2021年5月23日、飛行機に緊急停止を命じた件について説明した。イスラム系過激派ハマスを名乗る組織から、国内の複数の空港に脅迫メールが届いたことを公表したのである。陰謀説を唱える西側諸国に対して、ルカシェンコ氏は5月26日に、演説の場で国際ルールに従って人々を守った、と正当性を訴えた。
その根拠として、ベラルーシ全土270の学校に爆破予告があったからである。彼は、政権転覆を狙った陰謀だと説明した。テロ活動の危険を察して、政府は同国民に対して、出国禁止令を出した。同国在住の外国人も、法律が適応される。外国へ留学や就労目的は、例外的に許可されるものの、申請書の提出が必要になる。一連のハイジャック疑惑を隠す狙いは明白だ。 

 詳細 ベラルーシの部屋 2021年5月31日付け記事 https://blog.goo.ne.jp/nbjc/d/20210531

拘束したプロタセヴィッチ氏は、2020年夏の大統領選挙後に、市民の暴動を煽った罪で起訴された。西側諸国は、ベラルーシによる「ハイブリット戦争」ととらえ、各民間航空会社にベラルーシ領内を避けて飛行するように要請した。

一連のハイジャック事件は、2022年に新展開があった。1月20日、遠く離れたアメリカの司法が、一連の事件に関わった疑いを持つベラルーシ当局の関係者4人を「共謀罪」で起訴したと発表した。身柄を拘束された4人は、治安当局の職員と航空当局の高官と明かされた。機内に虚偽の情報を流し、米国人4人を含む乗客132人の身を危険にさらした行為が処罰対象になる。

 容疑者の特定したのはFBI(米治安当局)、ベラルーシと国境を接するリトアニアとポーランド当局からの協力を得たという。現地の警察と検察が、容疑者に対して、ベラルーシ政府との関連性を追及したものの、明確な答えは得られなかった。

 朝日新聞 2022年1月21日付 https://www.asahi.com/articles/ASQ1P34Q9Q1PUHBI00D.html

国内に暮らす人々も、政治不信が高まった結果、亡命希望者も相次ぐ。東京オリンピックでは、女子陸上競技100mに出場した同国のチマノフスカヤ選手が、祖母の後押しを受けて、ポーランドへ亡命する決断をした。ことの発端は8月1日の夜、成田空港にて、携帯電話の翻訳アプリを使い「助けて!」のメッセージ信号を警察に提示したことから始まった。彼女は、SNSを通して、代表チームの不満を発信したところ、ベラルーシ当局から「帰国命令」が出たことを明かした。
 家族と相談して、亡命を決意したという。対応した警察は、チマノフスカヤ氏を保護し、救助の手を差し伸べたポーランド大使館に身柄を預けた。彼女は、大使館から人道査証ビザを発給してもらう。4日午前に成田空港を出立する便に乗った。ウィーンを経由して、5日にポーランドの首都ワルシャワに入った。

写真=チマノフスカヤ氏 8月5日亡命先のポーランドで撮影 出展元 (ロイター=共同)
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 元陸上選手の夫の方は、ウクライナの首都キエフとオーストリアの首都ウィーンを経由して、ポーランドに入り、無事に再会した。ベラルーシに残った家族の身を気にかけているものの、ポーランドにて、陸上競技を続ける意思を語った。24歳の彼女は、後2回五輪に出るとの目標を掲げ、日々トレーニングに励んでいる。

 ハイジャック事件以降、経済制裁が強まったことを受けて、ルカシェンコ側も報復に打って出る。2021年11月頃、ポーランドとの国境沿いのベラルーシ側で、クルド人を中心に中東からの移民が大挙して押し寄せていた。国境地帯に集結した移民は3000人から4000人、ベラルーシ全域では1万人から2万人にのぼると推定されている。11月20日、国境沿いで野営した2000人の難民が、保護されたと報じられた。西側諸国は、ルカシェンコ政権が、行き場を失った中東の難民に対してビザを発給しているとみている。ベラルーシに渡航した難民は、仕事もなく、路頭に迷った末に、EU諸国のポーランドに救いを求めた。ルカシェンコ自身が、経済制裁の緩和のため、国境沿いに難民を集結させて、EU諸国に圧力をかけたと分析されている。

 詳細 解説委員室2021年11月29日付 https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/457824.html

 写真=中東難民の移動ルート 掲載元 朝日新聞デジタルより 2021年12月2日より https://www.asahi.com/articles/ASPD15RHCPCPUPQJ007.html
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選挙管理委員会さえも掌握したルカシェンコは、もはや敵無しである。選挙結果を祝福してくれたプーチンに恩返しのため、ウクライナ侵攻に協力的だった。

2022年2月27日には、国の安全保障に関わる重要な出来事が起こった。欧州最後の独裁者といわれる同国のルカシェンコ大統領の意向の元、憲法改正の是非を問う国民投票が行われた。賛成票が、反対票を上回れば、「自国領を非核地域とし、中立国を目差す」との文言が削除される。つまり核配備が可能になるのである。中央選挙管理委員会によると、国民投票の投票率は78・6%。賛成は65・2%、反対は10・1%と明らかにした。賛成多数で可決されたことを受けて、ロシアのプーチン大統領は、自国軍の抑止部隊に特別警戒令を出す。各国メディアは、首都キエフ攻略に難航している状況とも重ね合わせて、核爆弾を使用する恐れがあると、報じた。ロシアの軍事に詳しい専門家の中には、核使用を示唆して、NATOの介入を避けようとしているのではないか、と分析している。

 ルカシェンコは、2020年2月1日に、就任以来始めて、来賓として当時のアメリカのポンペオ国防長官を呼び、原油を安く調達するため、交渉に入っていた。きっかけは、前年12月に、連合国家条約調印20年を記念したプーチンとのアイスホッケー外交にある。原油の輸入額の引き上げを迫られたことにより、態度を保留にし、欧米諸国に近づいたのである。両国は段階的に一つの国家になることを目指したものの、2019年末時点で大きな進展はなかった。蝙蝠外交を続けたルカシェンコは、大統領選挙の不正疑惑により、計画は頓挫した。西側諸国から制裁を受けたことにより、ロシアに依存する以外選択はなくなった。2022年3月11日に、ルカシェンコは、自らモスクワへ赴き、プーチンとの会談に臨み、西側からの強い経済制裁の下での、結束を誓った。国内では言論統制に打って出て、反対勢力をことごとく弾圧する。民主主義からかけ離れたベラルーシとロシアは、孤立感を深めている。

 


 


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