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2022年02月27日09:42

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『白い牛のバラッド』感想

〜イランの厳罰的な法制度を背景に、冤罪による死刑で夫を失ったシングルマザーの姿を通し、社会の不条理と人間の闇をあぶり出したサスペンスドラマ。テヘランの牛乳工場に勤めるシングルマザーのミナ。夫ババクは殺人罪で逮捕され、1年ほど前に死刑に処された。深い喪失感を抱え続ける彼女は、聴覚障害で口のきけない愛娘ビタを心の拠りどころにしている。ある日、裁判所に呼び出されたミナは、夫の事件の真犯人が他にいたことを知らされる。理不尽な現実を受け入れられず、謝罪を求めて繰り返し裁判所に足を運ぶミナだったが、夫に死刑を宣告した担当判事に会うことさえかなわない。そんな折、ミナのもとに夫の友人だったという中年男性レザが訪ねてくる。親切な彼に心を開き、家族のように親密な関係を築いていくミナだったが……〜<映画.comさんより>

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予告を見た時から、ずっと観たいと思っていました。
冤罪をテーマにしていることもそうなんですが、なによりも、予告編最後に出てくる刑務所中庭の牛ですよ、牛!
あのインパクトがもう、凄かったですからね〜。

感想です。
始まってすぐ、アスガー・ファルハディ監督作かと思いました(笑)
雰囲気が似てる、似てる。

冒頭から、観客の想像で、恐怖を見せる(感じさせる)演出。
考え抜かれたフレーミングに唸る。
ガッチリと枠にはまっている(囚われているかの如く)構図が冷たく息苦しい。
出演者2人が横並びになっているショットが多く、こちらも印象的。

大家「見知らぬ男の人があなたの部屋に行ったのを見たから、もうここから出て行って」
えっ?なんなの、それ?
シングルマザーの生きづらさ。

冤罪がわかって、ミナが求めたのは謝罪。お金よりも謝ってほしかった。
だが、肝心の判事にさえ、会わせてもらえない。

ビックリしたのが、かなり早くネタバレがあったこと。
レザの正体をまず知らせてからっていう展開。ほぉおお〜。

ミナの娘をろうあ者にしなきゃいけなかった必然性をずっと考えていたんだけど。。。
言いたいことが言えない。言っても聞いてもらえない。
そんなミナ=娘?でも、それはちょっとひどくないか?

亡き夫の弟はミナを狙い、夫の父親はミナの娘とお金を狙う?
兵役に出ていたレザの息子の扱いが・・・ちょっと、安直に思えたぞ。

今作、牛&牛乳が物語の運びに上手く使われています。
・刑務所中庭の牛
・主人公ミナが働いているのが牛乳工場
・終盤場面

あと予告編にも出てくるけど、部屋の掃除中に水が流されて、座ってるレダの足元に、その水が押し寄せるシーンも良かった。
見事な心理表現。
もしかして『ROMA/ローマ』へのオマージュ?

※予告編
https://youtu.be/HpEqdxhEKww?list=TLGGF5K9IFdyBK4yNTAyMjAyMg

見応えある作品です。それは間違いない。
私のマイミク様は、様々なジャンルの作品をご覧になっている方ばかりなので、戸惑いはあまりないかと。
ただ、中盤が・・・ちょっと・・・動きや展開が止まりがちで、緊迫感が薄れるというか・・・やや退屈してしまったのは事実。
それでも、どっぷりと考えさせられる問題提起作品でした。3.5☆

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