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2022年01月19日12:13

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【オリジナル短編小説】手作りをもう一度

小さな頃
一生懸命作ったチョコレートは

お店で小奇麗なチョコレートを買って済ませるようになった
別に特別な人がいるわけじゃないし

決して上手とは言えない手作り菓子よりも
その方がお互い言葉に困らなくて済む

その日も義理チョコを配り終えて
最後に一番腐れ園の幼馴染に渡す
そうすると幼馴染が言い出した

「いつからかなお前が手作り止めたのは
確かいじめに来る奴が居て
そいつに散々な批評を食らってからだよな
無理やりチョコ奪っといてあれはないと思った

だから凄く大喧嘩に俺はしちゃったんだよなぁ」

「そうだね、でも今のが楽だし結果的には良かったかも」
幼馴染はじーっと女の子を見つめてくる

「なにか言いたげだね」
「俺食べたいなまた、お前の手作りチョコレート」
「私の下手なチョコレートなんかいらないでしょう
その袋一杯のチョコレートの中に
絶対に手作りチョコレートの一級品入ってるはず」
「誰かの手作りには興味ないなぁ
俺はお前の手作りチョコレートがまた食べたいの」

女の子はコイツは言い出すときかないんだよなと思いつつ
「OKOK、じゃあ時期がすこしズレちゃうけど
君の分だけ作ってしんぜよう」
「おー、サンクス。楽しみ〜」

材料を買って帰り
忘れかけた知識を頼りにチョコレートをとかす女の子
なんだって、手作りを急に欲しがったのか考えてた

『俺はお前の手作りチョコレートがまた食べたいの』
その意味するところに気が付いて
少し顔をほてらせながらチョコレート作りを続けた女の子でした

次の日、いつものように当たり前に一緒に昼食を取る時間
女の子は催促されてチョコレートを取り出します
少し小声で女の子が聞きます
「これって、ほんきですよって取っていいのかな?」
「なにが?」
眉をひそめる女の子
(違うのか・・・)と思ったところに
「ああ、てか、俺はいつだってほんきでいたぞ?」
「・・・モテルから、いくたあまただと思ってた・・・
昼のこの時間だけか幼馴染の特権だと・・・」
「まぁ、取り巻きいるもんな
昼休みだけは俺の時間として散らしてるけど
でも、その取り巻きの中の俺の横に居てほしい
特別でいてほしい」
女の子は難しいことを言うとため息がでてしまいます

「ダメか?」
「チョコレート・・・作るよりはるかに難しい・・・
でも・・・今よりももっとそばに居られるなら頑張るよ」

こうして幼馴染のふたりは
その日から恋人になりました


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