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2022年01月11日16:02

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ウクライナ

プーチン大統領は、ソ連に強い望郷の念を抱いている。彼は「ソ連崩壊は20世紀最大の破局だった」と発言したことがある。

彼は米国およびNATOに突き付けた「東方拡大禁止条約案」という挑戦状により、1989年のベルリンの壁崩壊によって生まれた欧州の秩序を変更しようとしている。

ウクライナ国境に約10万人の兵力、戦車部隊を集結させているのは、「我が国の要求を受け入れなければ、ウクライナに侵攻する」と脅すためだ。

実際に侵攻しなくても、敵に「ロシア軍が侵攻するかもしれない」という不安を与える心理作戦だ。

安全保障や軍事紛争をめぐる交渉では、武力行使という威嚇手段を伴わないと、自国の要求が受け入れられる可能性が低いことを、プーチンは知っている。

たとえば旧ユーゴ内戦で、EUが当初セルビア系武装勢力を和平交渉のテーブルに引き出すことができなかったのは、当初軍事力行使を渋ったため。米軍がセルビア系武装勢力に対する空爆を始めたことで、セルビア側はしぶしぶ和平交渉に参加した。

その意味で、米国のバイデン大統領は先月大きなミスを犯した。彼は12月8日に「ウクライナに米軍部隊を派遣する気はない」と言ってしまったのだ。

軍事紛争をめぐる交渉では、相手に手持ちのカードを見せることはタブーである。

バイデンがウクライナに軍事介入したくないのは、当然である。だがそのことを公に言う必要はない。

この発言により、ロシアは米国の武力行使を恐れることなく、ウクライナに対する圧力を高め続けることができる。

2014年のクリミア半島の武力制圧・併合の時とは異なり、今回の兵力集結では、奇襲効果はない。ロシア軍の一挙一動は米軍の偵察衛星で監視されているからだ。

だがロシアは、実際にウクライナに戦車部隊を送らなくても、サイバー攻撃によって同国の電力、水道、暖房などの重要なインフラを麻痺させることが可能だ。その牙は、他の欧州諸国に向けられるかもしれない。

私は、ロシア軍の戦車よりも、まず大規模なサイバー攻撃が怖い。真冬の大規模停電や暖房ストップは、多数の国民の暮らしを直撃し、社会・経済に大きな影響を与える。
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