mixiユーザー(id:8290003)

2022年01月09日09:56

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オーディオ製品の開発方法

何度か書いていることですが、あらためて。



比較するには上も上の方々だが、耳だけでチャンデバからアンプまで開発していくフェーズメーション同様、ソナス・ファベールの創業者フランコセルブリンの開発机は半田の焼け焦げだらけだったそう。ネットワークの開発で安易にコンピューターシミュレーターに頼ることなく、やはり耳のみでスクラップ&ビルドしていたそうです。



チャンデバなら余計にスピーカーのインピーダンス変動に影響を受けるネットワークと違い、外部の影響を受けにくいから、机上、今風ならコンピューターで作れてしまうと思いがちだけれど、フェーズメーションでは3年くらいかけて6dB/OCTの比較的単純な回路で済むチャンデバをまだ開発中という。



耳で聴いて、微妙な回路定数やパーツなどが完全に理想とする音に仕上がっていないのだろう。



開発の斎藤技術部長には、試聴会やオーディオフェアの都度、進捗具合を聞いたりしているが、スクラップ&ビルド。

出来上がったもので課題曲に問題がある。鈴木会長からGoサインが出るレベルにならなかったとまた壊して、一から設計し直しだそうです。



他方で、自作=自分で良しとすればいいのに、詳細に自作スピーカーの周波数特性、歪特性、過渡特性などをマイクで測定しては作っている例もある。



最終的には耳で判断されるオーディオ機器、あくまで自分はですが、未だに自分の自作スピーカーや自作アンプの周波数特性は知りませんし、知る必要も感じません。



うちに来られたメーカーの代表や技術者の皆様からお褒めいただいておりますし、メーカーのハイエンドレベルの品々と並べて比較しても聴き劣りすることはないからです。



なお、今のソナス・ファベール/アマティ・トラディションの前に使った、創業者フランコ・セルブリンが開発したガルネリ・オマージュの取説には1台1台の詳細な実測周波数特性グラフが添付されてきました。



驚くべきフラットであったことと、これはフラットであることに意味があるわけではなく、生産管理。1台1台創業者が耳でチェックできるわけではないので、品質が創業者の認めたレベルにあることを示しているだけと思いました。



なお、一度だけ、自作ホーンスピーカーをオーディオ誌が測定していきました。

完全にフラットで、「これを耳だけで!」と驚かれました。



自分としては驚くことでもなく、耳から記憶された膨大な生楽器の生演奏の音と再生音をすり合わせて、正しいバランスで鳴っているか調整しただけです。

楽器製作にマイクだの、測定器だのは用いないのと似ているかもしれません。

耳で製作者のよしとする一定の音質で次々作られているはずです。



そんな耳からはスピーカーユニットとしては日本のものより、北欧のディナウディオやスキャンスピーク社のものの方が自然に聴こえます。
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