花花夫人と健は、陛下と楊貴妃と殿下たちが話している間に
二人で
静かに
建物内の奥へ行き、
両手を絡ませ合い
一つに結ばれた時に、花花が持っていた赤紫色の毒薬を
一緒に呑み込んで
抱きしめ合った姿で
心中をとげていたのでした。
楊貴妃は、銀菊と小柳に、最後のお化粧直しをさせてから、李瑁に付き添われて、
建物の観音開きの扉から
ゆらりと
出て行きました。
そして
近衛兵たちと、太子の側近たちから見える
仏堂の方へ、ゆっくりと移動させられました。
楊貴妃と李瑁は、手を握りしめ合い、見つめ合っています。
「玉環、怖くないよ。私が見守っているから。」
黄昏時の天の空から
白い牡丹雪がハラハラ
シンシン
舞い降りて来ていました。
楊貴妃は
空から舞い落ちる牡丹雪を
手のひらに乗せて
李瑁を潤んだ瞳で熱く見つめながら
相変わらずイケメンな李瑁に耳打ちをしました。
すると
李瑁は、楊貴妃の手をギュッと
握って、同意の合図をしました。
楊貴妃は
ポケットに隠し持っていた赤紫色の毒薬を
数個口の中に入れ
李瑁の唇に吸い付き
熱い口づけを交わしました。
お腹を空かし切って切羽詰まっている
かがり火を手に掲げた
若い近衛兵たちと
バーベキューでお腹を満たしている太子の側近たちと
将軍たち、
そして、お役人たちが楊貴妃の処刑の瞬間を、固唾を飲んで
注目している中で
まさかまさかの
李瑁殿下(最初の夫)と楊貴妃のディープKISS
を
見る事になった皆んなは
目が釘付けになり👁
👁
度肝を抜かれていました。
ecstasy KISSしたまま
抱き合って倒れた二人に
高力士が、腰を抜かしたような慌てようで駆け寄ると
息を確認しました。
「貴妃、楊玉環様は、絞首刑に処される前に、急逝されたあ
」
「うおおおーーー
」
雪景色の広場にて
佇んでいる男たちは
地響きするような低い歓声を上げて
手に持っているかがり火の点いた松明を、高く掲げました。
高力士の号令に驚いた龍星皇太子は、ぎっくり腰の父親をおんぶして、外に出て来て
仏堂の前に行きました。
美男美女の抱きしめ合った死体に
雪がふわふわ
柔らかく降りかかっているのを、親子で見つめました。
この二週間後に
龍星皇太子は
霊武にて即位となり
李世皇帝誕生となりました。
楊貴妃が他界した日
洞窟で瞑想していた恵果(青龍)は
楊貴妃の死を感じ取りました
「楊貴妃様の夢は叶えられましたね。」
「ええ。大満足の一生だったわ。
権力のあるトップたちに愛された事で、絶世の美女と言わせ続けると言う
歴史に、名が残る夢が叶ったんですもの❣
肉体がなくなった今、
今度は、あなたの夢を叶えてあげるお手伝いをしてあげるわ。」
その数十年後
後の日本に
真言密教の開祖となる、弘法大師へと大出世する男が⛴
日本から遥々、海を渡って長安にやって来ました。
その男は
若き空海という無名の僧侶でした。
空海は
同じ日本人の阿倍仲麻呂のお墓と
死んでもなお、絶世の美女と言われ続けている、楊貴妃のお墓に行った後に
青龍寺にいる有名な高僧に会いに行きました。
「空海よ、
私は、楊貴妃様の、愛と美の光に導かれ、密教の奥義に辿り着いた。」
「恵果上人
私は、最愛の人と別れても、苦痛を覚えない教えを探しに
ここへ参りました。」
楊貴妃は
苦肉にも
深く愛した男から
早死するように追い込まれた結果
西暦756年
36歳の女盛りで花を散らした楊玉環は
希望していた
絶世の美女と言わせ続ける
妖魔界の女王である
九尾の狐が波長同通して来て
憑依された事で
権力者たちに深く愛されるという超能力を得て
最高級の美の魔法をかけられたまま
一千年以上過ぎた今でも
歴史に名前が遺っているのです。
完
⛩絶世の美女と言わせ続ける妖魔伝説
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