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2021年11月09日10:28

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マウントレースイ、再開するのか?

2019-20シーズンで閉業となった夕張市のスキー場、マウントレースイ。
経営破綻の際にはかなりゴタゴタもあったようです。
夕張市が格安で譲渡したリゾートですが、譲り受けた中国人が高値ですぐに転売していた事実が発覚したりしてね。

そのマウントレースイですが、9月に「スキー場だけ再開する!」と北海道新聞が報じました。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/584285
この報道を受け、レースイファンの人達が盛り上がってましたね。
自分もその一報を聞いて喜んだ一人なのですが、最近は再開に懐疑的になってきてます。

マウントレースイにおける権利関係については非常に複雑で、別サイトに分かりやすい図がありましたので引用。
フォト

一応おさらいすると、2017年に中国企業が夕張市から2億4千万円と比較的安値でスキー場とホテルを譲り受け、その2年後中国企業が香港のファンドに15億円で転売。
その2年後、香港のファンドが経営していた子会社が2年で3億4千万円の赤字を出して4億円以上の債務を返済できずに倒産。
その子会社は清算されて、多くの債務は棒引き。
香港ファンドの親会社は1円だけ支払って別の子会社を設立し、そこにまだ価値のあるスキー場を運営させるみたいです。
従来の債権者、要するに銀行や取引先、シーズン券を購入した常連さん達には泣いてもらって身軽になってから価値のあるスキー場施設だけはもらいますよ、ってことでしょう。

しかしこれはどういうことだろう。
まず、スキー場とホテルを2億4千万円で売却した夕張市。
万年赤字のリゾート施設で、かつ資金を投入しないとホテル施設も不具合だらけだったことを考えると売却額は不当ではないと思います。
売却しなければ毎年市の予算から数千万円を補充しなければならかなったのが、売却先が現れたおかげでこれを出さなくて良くなった。
さらに経営を売却先が続けてくれたら地元も潤うし、税収も上がるから理想だったんだろうけど、現実ではすぐに施設は転売されたあげく1年で経営破綻して閉業。
経営を続けてもらう事を約束にして譲渡したのに、約束があっけなく反故にされた所は同情できますが、昨今の財政状況を考えると夕張市が所有し続けることも無理だったと思われます。

次に夕張市から2億4千万円で購入したこのリゾートを2年で15億円で転売した中国企業。
ここはボロ儲けだ。
2年で多少の営業赤字はあったでしょうが、赤字の施設を15億円で売ったんだからね。

反対に15億円で購入した香港企業ファンド-Great Trend(H. K.)Limited。
調べてみると香港のアパレルメーカーだ。
夕張市のマウントレースイを買収してもまったくブランド価値が上がらなさそうなアパレルメーカーが15億円と法外な高値づかみでリゾートを買い取り、子会社を設立。
そして2年で子会社だけ破綻させている・・・
きな臭すぎる。

こうやって見ると、一番損したのはGreat Trend(H. K.)Limitedとその子会社だね。
評価額2億4千万円で毎年赤字垂れ流しの資産を15億円で買ったんだから。
その次は4億円の債権が請求できなくなった債権者だろうね。

逆に得したのは中国企業-元大リアルエステートだ。
2年で約13億円のサヤを抜いてる。
Great Trend(H. K.)Limitedも15億円の価値がないことを分かっていて元大リアルエステートに送金したとしか思えない。
すぐに倒産させたところを見ると、ちゃんとした経営立て直し計画があったわけでもなさそうだ。
こう考えるとGreat Trend(H. K.)Limitedから元大リアルエステートへの壮大なマネーロンダリングの可能性もありますね、感想ですが。

15億円、高値づかみをしたGreat Trend(H. K.)Limitedですが、子会社のみを清算して4億円の負債を帳消しにしました。
子会社の負債を帳消しにしましたが、そことは別の子会社がスキー場を持ってるので清算しても別会社の資産は帳消しになりません。
逆にいえば債権者はスキー場もホテルも別会社が持ってるので倒産した子会社の資産を差し押さえようとしても空っぽということだ。
だから親会社のGreat Trend(H. K.)Limitedはここから経営を4億円分、有利に立て直せるはずです。
一見するとズルイスキームにも見えますが、これもあくまで立て直せれば、です。
でも本当に立て直せますか?

毎年赤字垂れ流しのリゾート施設。
そして働く人も客もいない地元夕張。
巨額の追加投資をしないと稼動が難しいホテル群。
金・人・物の全てが欠けたマウントレースイを破格の高値で買ってしまったわけだ。
どこか一つが欠けているぐらいで、そこを埋められる力がある企業が買うなら経営再建の可能性もあるんだけどね。
Great Trend(H. K.)Limited視点で考えると、ここで営業再開させるとさらに赤字が出るだけで手出しが増えることが予想され、再開するメリットが見えないんだよね。
愛着もないだろうし。

一応スキー場再開のアナウンスはあったもののホテルマウントレースイやシューパロといった老朽化の激しい施設は再開しないとのこと。
まぁ再開するにはまとまった額の初期投資がいるし、何よりあそこで働くスタッフを確保するのは大変だ。
若い人はみんな市外に出ているからね。

でもスキー場だけでも再開してくれるなら個人的には文句はないし、嬉しい。
そう思ってました。
そして11月も中旬となってきましたが、一向にマウントレースイスキー場がいつから再開するかというアナウンスがないことが気になってきました。
そろそろアナウンスぐらいしないとヤバイ時期でしょ?
聞くところではレースイのリフトはオフシーズンに撤去もされずに放置されていたとか。
もし本当に再開する気があるなら、例年よりも慎重に搬器のチェックが必要なはず。

そこで今日、夕張市役所に電話してマウントレースイは本当に再開されるのか質問してみました。
市役所としては当然、「当事者じゃないので分からないが、新しい運営会社が夕張市にあるのでそこに聞いてみてくれ。」とのことで電話番号を教えてくれました。

その会社が「夕張リゾートオペレーション」。
さっそく電話して同じ質問を投げてみました。
そしたら男性職員が出てくれて、「再開に向けて準備はしています。でもスキー場が再開するという最終決定はまだ出てません」とのお返事でした。

結局、まだスキー場再開の話は決定事項じゃないのに決定事項のように報道されてしまっただけなのかもしれません。
夕張リゾートオペレーションは資本金1円とのことなので、本当に再開するとなったら借り入れなり関連会社から増資するなりしないと一瞬で資金ショートするでしょう。
結局は親会社のGreat Trend(H. K.)Limitedがお金を出さないと再開すら出来なさそう。
今回の件で煮え湯を飲まされた銀行はあっさりと追加融資したりしないだろうからね。
現時点で多大な損失を抱えたGreat Trend(H. K.)Limitedが、さらに損失を拡大することを覚悟でお金を出すか?
ホテルは再開しないなら、客単価はかなり下がるはずだ。
コロナ禍でもあり、どんどんスキー客が増えると予想するわけもない。
むしろ日本ではウインタースポーツ人口は急減していっている最中であることは有名。

去年は1年間営業してなかった訳だから、ベテラン職員も随分他の仕事に移ったはず。
その彼らも営業するかどうか未定なスキー場でまた働くために今手に入れた仕事を辞めて帰ってくるかな?
帰らない人が多そうだ。

歌志内で一度廃業するも再開したかもい岳スキー場なんかは地元スキー連盟が頑張ってくれて再建できた成功例だと思います。
でも夕張は・・・
働ける若い人がほとんどいないからね。
などなど考えると再開へのハードルはかなり高そうだ。

レースイはお気に入りスキー場だったので、本当に再開してほしいものです。
実は12月の北海道ボード旅行では最終日はレースイで滑ろうと思ってそのつもりでホテルなんかも予約してました。
でもこのまま再開しなければ、予約をキャンセルするしかないかも。

その職員の「再開できる準備だけはしてます」との言葉を信じてもう少しだけ待ちます。
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