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2021年11月06日17:42

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85章🌍死ぬ前に抱きたい女🌺

「楊国忠に、勝利の女神が味方しているかのように、彼奴は飛ぶ鳥を落とす勢いだな…
臥してわずか半月で、人事の上奏文が届くとは……」
愛人(側室)が、
お盆に乗せて持ってきた薬を飲み込んだ李林甫首相が、側で仕えている側近に言うと、側近は

「楊国忠様は、直接、請求書を陛下に奏上されました。」

「何?重要事項は私が目を通した後で、陛下に奏上するのが常だと知っていながらむかっ(怒り)あのガッキァーexclamation勝ち誇り

「俊希烈左相の名前で、確かに奏上済みです。」

「何ぃーexclamation & questionそんなバカなexclamationじっくり思い出せexclamation
怒鳴った李林甫首相が、咳き込みました。

「首相、大丈夫ですか?

「他に、陛下へ直接奏上された案件は?

側近は、机の上に山積みされた上奏文から探し出すと

「これです。この辺境地区の戦況報告を、楊国忠様が、陛下に奏上しました。」

「これは?

「副本になります。」

「副本だとぉexclamation & question( *`ω´)むかっ(怒り)
生意気な奴めーexclamation副本をよこしおったかexclamation ×2あんちくしょうぷっくっくな顔舐めおってぇーーexclamation ×2
このまま死んでなるものかあーーーむかっ(怒り)ぷっくっくな顔exclamation ×2

可愛さ余って憎さ百倍

李林甫首相は、副本を床に投げつけ、側近と愛人の前でむかっ(怒り)怒りを爆発させました🧨
\\\٩(๑`^´๑)۶////むかっ(怒り)


一方
城⛰🎖慶悟と紅蘭の婚礼式の前に、飛鳥は自分と国忠に都合の良い、一石二鳥の上奏文を、高尚と話し合って陛下に送りました。

城木

玄宗皇帝と楊貴妃が庭で散歩している時に、侍護衛が足早に、上奏文を手に持って駆け寄りました。
「陛下、平盧、及び、范陽節度使、安飛鳥より報告です。」

「飛鳥からまた便りが来たのね。」

「飛鳥はそなたの養子だ。母として、常に気にかけてあげなさい。」

「はい。飛鳥は紅蘭の義父になるのですからね。でも、
私の心は、隆への愛で、いっぱいなんです。隆さえいてくれれば、他に何も要りませんわ。」

「ほほほう。そなたは慎ましやかな菩薩のようであるのう。
だが、飛鳥が忠誠である限り、父親のいない飛鳥に、朕は、義理を果たしてあげてたいのじゃ。」

「何て書いてあるの?

「阿布思の部隊を、多数捕えたそうだ。
供述によれば、阿布思は李林甫と養子縁組をしていたとexclamation
それで、投降者を帝都に引き渡し、証言させるらしい。
よって、多忙により、慶悟と紅蘭の婚礼式には欠席、とのことだ。」

楊貴妃は、会いたい飛鳥が、婚礼式に来ないと知ると、がっかりして、拍子抜けしました。

そこに高力士が、駆け寄って来ました。

「陛下exclamation大変ですexclamation李林甫が、謁見を願い出ています。」

玄宗皇帝は、眉間にシワを寄せて、李林甫からの上奏文を急いで読むと、高力士に

「今は会わぬ。
李林甫は裏で、阿布思将軍と養子縁組を組んでおり、朕を裏切っておったと、飛鳥から知らされたばかりだ。
それに、阿布思は李林甫と国と朕を裏切り、敵前逃亡したようだ。
証人も多数いるらしい。
信頼して首相を任せていた李林甫が、まさかexclamationこんなことをむかっ(怒り)勝ち誇りexclamation ×2

玄宗皇帝は目を剥いて、鼻を動かして怒り出していました。

「陛下、ご冷静にexclamation

「李林甫に、役目は終わったと、伝えてやれ。」
そう言うと、玄宗皇帝は、李林甫首相からの上奏文を、足下の芝生に叩きつけました。

「隆❣怒ったら体に障るわ。」

楊貴妃は玄宗皇帝の腰を摩ってあげて、労りの愛で寄り添って、また散歩を続けました。


城次の朝雨

ギックリ腰にまたなってしまった玄宗皇帝が、杖を横に置いて、壇上の玉座から
直立して整列している、皇太子とお役人たちの顔を、ライオンみたいにギロリと見ながら🦁。

「龍星皇太子よ、お前は今何歳だ?

「35歳になりました。」

「おお、そうか、もう35歳になっておったか…」

「俊希烈、そちは何歳だ?確か、楊国忠よりも二回り上のぉ…」

「私は51歳になります。」

「51歳かぁそうかそうか。50代前半は、意欲と意気盛んな年だ。
それに、そちは志が高いからのお。よし、楊国忠よ。」

「はい。」

並んでいる列から、横に一方中央に出て返事をした国忠は、玉座の陛下に向かってお辞儀しました。

「戦況の実情報告書に目を通した。 
事実の報告は評価するが、分析が甘く、説明が足りぬ。
辺境の防衛線が、突然もろくなった理由を、述べよ。」

「今まで、事実は故意に隠蔽されていました。三地区の多数の戦死者を、首相は、報告していません。これでは、陛下のご判断に、影響が出ます。」

「楊国忠よ、答えになってないぞ。
三地区の敗戦は、朕も知っている。
損害の数値は二の次でよい。数字では原因を究明できん。
それよりも、朕は、なぜ同時に敗戦したかを知りたいのだ。
単なる偶然か?楊国忠どうだ?

「そこに考えが及ばず、浅はかでした。」

「議論だけでは、問題は解決せぬ。
前線に出てこそ、指揮官の苦労が分かるというものだ。
お前は、蜀の出身だったな。
ちょうど良い、剣南節度使を兼任せよ。
南詔討伐の作戦と指揮を、楊国忠に任せる事とする。」

「陛下のご聖恩に、感謝いたします。」

深く礼をすると、国忠は並びの列に戻りました。
その国忠の様子を、楊花花が好きな龍星皇太子は、横目で、冷ややかに見ていました。

「余談はここまでとしよう。
今日参内させたのは、この上奏文のためだ。
出した者は実に勇ましい。
文面は正義感に溢れ、憤怒に満ちている。だが、今更、上奏文は遅くないか?
李林甫が病に倒れてから、やっと批判を始めても、話にならんexclamation

玄宗皇帝はそう一喝すると、その上奏文をむかっ(怒り)バシッと机の上に音をさせて投げました。

「高力士。」
「はい。」

「李林甫の病状は?
「侍医の報告では、回復の兆しは見られないそうです。」

「みんなが不安に駆られるのは仕方ない。病に倒れたのが首相ゆえに。
一国の首相が重病となれば政務が滞り、国が立ち行かなくなるからのお。
李林甫は謀反にも責任を負う気構えがある。
これが、首相の責任感と言うものだ。
無論、病人には政務は任せられぬ。
肉体の苦痛に加え、焦りも生じれば、精神が不安定になる。熱にもうなされれば、判断力が鈍るのは無理もない。
では、みんなに聞こう。
李林甫の代わりに、任務を果たせる者はいるか?
……
いないなら、もう、首相批判は止めよexclamation
よって今後
李林甫の職務を、みんなで分担したいと思う。
政務は、俊左相が代理する。
財政、軍事、民事は、楊国忠が担当せよ。
他国の使者との接見や礼典については、龍星皇太子が取り仕切ること。
これで
首相の肩の荷が下りることだろう。
長年政権を担った苦労が、首相の体を蝕んだのだ。
人生の最後のひと時だ、李林甫を、楽にしてやろう。」


城ハイビスカス
後宮の庭園の東屋で、女官たちを侍らして洋梨果物を美味しそうに食べている化粧
楊貴妃に国忠が歩み寄って来ました。

楊貴妃は、女官たちに
「楊国忠大臣と、大切なお話があるので、皆んな、退ってよろしい。」

女官たちはぞろぞろと、東屋から離れて、楊貴妃の姿が見守れる位置に移動しました。

「お兄ちゃんも食べる?美味しいわよ。」

「いや、陛下から、出陣を命じられた今は、そんな気分じゃない。」

「ぇえexclamation & question出陣って……お兄ちゃん将軍になったの?
凄いじゃない❣陛下に高く評価されたのね。」

「バカexclamation俺が将軍になった所で、何ができると思う?

りんごƪ(˘⌣˘)ʃブドウそれもそうね。
お兄ちゃん喧嘩弱かったかったもんね。フフフッ口
それに、着た事もない重たい鎧を着て、軍隊を指揮するなんて、お兄ちゃんには向いてないわよねえ。それなのに、なぜ陛下は、お兄ちゃんを将軍にしたのかしら?

「今度の出陣は、首相が俺を、帝都から追い出すための策だ。
俺は、首相に可愛がられていたから、首相の悪どい手口は、誰よりもよ〜く知っている。
俺が出陣して、イチコロで死ぬか…
もしくは…
もし死なずに帰郷した日には、獄に繋がれるというシナリオの落ちだ。」

「首相はお兄ちゃんを、あんなに可愛いがってくれていたのに、なぜなの?

「俺の若さで、先輩たちの職位まで兼任すれば、当然、恨みを買うさ。
しかし、陛下からのご信頼を賜ってのご命令だ。
妻の百(百恵)には、
もし、俺が死んだら、後宮で仲人をしている花花に、俺の後釜を探してもらえと伝えてある。
あいつは、男を食べてないと、生きてゆけない女だからなぁ。ハハハッ。」

楊貴妃は真剣な顔つきになりました。

「そんなこと言わないでよ。それじゃあまるで、死にに行くみたいじゃない。」

国忠は、黙って楊貴妃を見つめています。

「残念だけど、出陣の件は、口添えできないわ。だって
陛下は、私の政治干渉を、とても嫌がるの。でも陛下は
お兄ちゃんに、期待している事は確かね。」

国忠は、死ぬ覚悟を決めると、口を開きました。

「洛陽の叔父さんの家に初めて、美少女のお前が、どっかのオッサンに、
手を引かれて連れて来られた時から、
俺は、おまえが好きだった。一目惚れってやつだな。ハハッ。」

楊貴妃は揺れるハート自分と同じように、一目惚れをしてくれていた 
国忠の告白に光るハートドキッハート(矢)としました。


つづく

⛩絶世の美女と言わせ続ける妖魔伝説王冠
















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