10/31は、我が母校・中央大学の白門祭最終日だったので、長男と2人で行ってみた。
昨年はことごとく学園祭は中止で、今年は調べてみるとほとんどがオンライン学園祭となっている。そんななか、実行した我が母校は、どんなことをやっているのか気になっていた。
今回は、モノレールは使わずに多摩動物公園から坂道を上がって北門から入るつもりだった。
僕らの時代は、モノレールはまだなく、皆この多摩動からの山道を登って登校したものである。そんな懐かしい思い出を再現しようと思ったが。。
いきなり登山道入口に、北門は閉鎖されている看板・・なんだよ、、
というわけで、迂回して明星大学の横を通りトンネルを抜けて、結局モノレールの駅のほうから入ることになった。最初からミソがついた・・
で、キャンパス内に入ると、例年活気に満ちたあの喧騒が、出店の声やバンド演奏、実行委員による司会の声などが全く聞こえてこず。人もまばらで、これ、やってないの？と思ってしまった。
とりあえず中に入ると、ペデ下で、出店が３つくらい。羊羹とかカロリーメイトを販売していて何かよくわからん。
と、みると中ステはやっていて、どっかの音楽サークルが演奏していた。
あ、一応やってたんだ、、とホッとする。
その次が民族舞踊研究会なる出し物で、よくわからぬ民族衣装を着た集団が待機しているのだが、客なんぞいやしない。
一応、２ステもやっているかもしれない、と行ってみる。
やっていた。ちょうどサウンドシャワーという音楽サークルが演奏を始めるところらしい。サウンドシャワーといえば我がポピュラーソング研究会のライバルとも言われていたサークルで、こりゃ見ていかねば。。と思ったら、雨が降り出してきた。
最初、サークル員たちが機材にビニールなどをかぶせて対策していたが、降りが強くなりおもむろに中止。そそくさと片付け始める。
ただでさえ２ステは客が少ないのに、通行人もいないし、客というか、関係者がまばらにいるような状態で、寂しさはMAXを極めていた。
僕らは、２ステの客席となる階段のところにたたずんでみようとしていたんだが、白門祭実行委員のお姉ちゃんがやってきて、
「ごめんなさい、規則なんで、テープの貼ってあるところで立って見学してください」
と言って来た。
コロナ対策で十分な人と人との距離を保つために、テープが一定間隔で貼られている。
そりゃー、多分そういう指導を受けたんだろうし、そうする理由もわかるが、そのだだっ広い階段には、人なんか僕らのほか誰もいやしない、、そんななか規則にしたがってテープのところにわざわざたつ意味があるのか？？
そんなわけで、雨がそぼ降る中、サウンドシャワーのライブは中止となり、僕らはトボトボとペデ上を歩いていた。
そしたら、図書館とヒルトップ間の広場のところで、「福引やりませんか？」と声を掛けられた。どうも白門実行委員による福引抽選会をやっているらしいのだが、だだっぴろい広場に、出店がチョコンとそれだけ・・
最初「今時間ありますか？」と声掛けられたのだが、あるどころかありすぎて途方にくれていたところである。
実行委員のお姉ちゃんは、大学3年か4年くらいか？この子ももはや俺の半分以下の年齢なんだなあ・・なんて内心思った。いわば娘くらいの年齢だろう。
んで、福引やるにはアンケートに答えなければならないんだが、そのアンケートの一問一答がなんともまあ、、笑えた。
「学部はどこに所属ですか？」
「いやそもそも、大学生じゃないです」
こんな50も間近のおっさんのどこをみたら大学生なんだろう。まあ一応、ＯＢであることを言って文学部出身といったら、そこにチェック入れていたが。
これって、外部から人が来るというのを前提にしていなかったんだろうか？
「白門祭の出し物で一番良かったものは？」
「ヨカッタもなにも、何もみていません。そもそも何かやってるんですか？」
一応やっているらしい、とのことで、パンフレットを貰った。
かなり削られているものの、わずかに開催されている。わがポピュラーソング研究会も教室ライブをやっているではないか！数少ない企画に乗っかって良かった！これでも一応学芸連盟所属だからね。
「コロナ対策について、出来ていると思いますか？」
「十分すぎるほど出来ています」
そりゃーだって、人が全くいないのに、ソーシャルディスタンス用のテープの上に立たせたりしているんだもの。そもそも、これだけ人がいない時点で、1万点くらいあげたい。
「白門祭期間は全面禁酒ですが、それについてどう思いますか」
「反対です」
これについては、「何故そう思いますか？」という質問があったが、若いうちはバカ騒ぎして当たり前で、特にお祭りなんざバカ騒ぎする時だろーと言っておいた。酒飲んでバカ騒ぎするの禁じてどうするんだよって。
お姉ちゃんは嬉しそうに「そうですよね！」って。
それにしても、本当に最近の若い子って、いい子が多いなーと思う。質問内容は若干「？」なところが多いが、対応はしっかりしているし、人に気を遣うし。女子大生と話しているというより、普通の大人と話している感覚だ。
それで、福引。息子の分と２つやったのだが、ハズレのティッシュが１つだが、アタリのスターバックス珈琲の千円分のカードが１つ。これは喫茶店好きな我が家としてはとても嬉しい。
しかし、あの誰もいないだだっぴろい空間で、「おめでとーございます！アタリでーす」チリンチリンとやられたからたまらない・・ある意味拷問である。しかもスタバ千円券なんてそこまで大騒ぎするほどのものでもない・・
それにしても、多分あの福引所はこの先、人なんざ来ないと思うんだが、それだったらケチケチせずに、景品大盤振る舞いしてもいいんじゃなかろうか？どうせ余らせちゃうぞ。
１等の何かとかじゃなくてもいいから、少し量が多いものを余分にくれるとかな。
というわけで、ポピュラーソング研究会（書くのめんどくさいので、以後ポプコンとする）の教室ライブをやっていることがわかったので、さっそく開催している経済学部棟へ。
ちょうど１年生バンドが出ていた。金髪のトガった頭の兄ちゃんがボーカルなんだが、ああいうファッションも時代とともに移り変わるもんで、僕なんぞの年寄りは、もはやオリジナルが何なのかもさっぱりわからない。
でもやはり最近の若い子のほうが演奏レベルは高い。1年生って、下手って相場が決まっていたんだが、そこそこには聴けるし、ステージ度胸というか技術というか、僕らの時代とは段違いである。
恐らく、部外者なのは僕ら親子だけだろう。何となくドサクサでいたけど、「あいつら誰だ？」って後で言われそう。ちなみに、白門祭に来るようになってもう10年近くたつと思うんだが、僕なんぞ、まだそんなに経っていない気がしているんだが、学生はどんどん人が入れ替わっているんだなあ、と思う。
最初に再び来たのが40ちょっとくらいの時だったか。次男が就学前だったと思う。
その時にいた子って、もう今年の時点でハイパーＯＢだろう。もはや母校の文化祭にきても誰もわからないレベルだろう。
と考えると、大学というか、学生の時代って不思議なものである。大人になったら「ちょっと前」の感覚が「大昔」になっているのだから・・
ともかく、今日は最終日なので、トリあたりになったらまた来ようと思い、一旦はポプコンの教室を出た。
パンフレットをみると、文学部棟がいろいろな展示モノなどをやっているんで行ってみた。
行ってみると、中止になったのか、パンフレットには載っているけど教室は真っ暗で何もやっていないところがチラホラ・・
国際政治経済研究会の展示会に入ってみたら、ただただ調べてことを模造紙に書いて貼っているだけ。それでも客が来たってんで、待機している会員が２人ほど出てきた。
何か説明してくれるのかと思いきや、重たい空気が流れ、ちょっと招かれざる客の雰囲気である。バツが悪く、そそくさと出た。
写真研究会も同じ。写真が何枚か展示しているだけで、これは観て終わりなのか？こちらは誰もいなく、本当に観て終わりだった。
パンフレットに「白門祭ミニコンサート」とあり、みると竹桐会なる和楽器サークルがミニコンサートやってます、と書いてある。これはちょっと楽しそうだな、と思い教室に近づくと琴の音色が。あ、やってるやってる、と思って入ってみると。。
お兄ちゃんが１人で琴を弾いていて、どうみてもただ練習しているだけ。一応、「コンサートやってるんですか？」と聞いたら、しどろもどろしながら「ええ、、一応、、」と答えるんだが、バツがメチャクチャ悪そう。
しばらく間があき、「あのーもしバツが悪ければ出て行きますが」と言うと、「あ、すみません」だと。なんだい！コンサートやる気ないんじゃねーか！まあ、きっとコンサートやるっていっておいて誰も客がこない状態で最終日。他のサークル員も来なくなり、モチベーションは最大級に下がっていたに違いない。なんか気の毒になってしまった。
考古学研究会が「北海道、北東北の縄文遺跡群紹介」という展示をやっていた。
縄文文化好きの僕は、とても楽しみだったが、入ってみると、展示物はどうみてもどっかのサイトに載っているのをコピペして印刷したものが貼ってあるだけ。
一応、アンケートで、「どの遺跡が良かったですか？」というのがあったが、これだけの情報で、どこが良かったかとかわからんわ！
ここは、受付にいたおねえちゃんが割と話しかけてきて説明してくれたので、まだ良かった。知っていることを思い出しながら、お姉ちゃんに質問などをして一応場を持たせたが、少しでも興味もってもらおうという気遣いが素敵だ。
なんでも縄文遺跡に興味があり考古学研究会に入会したそうだが、うーん、これだけいろんな趣味の選択肢があるなかで、縄文遺跡に行ってしまうのも不思議だが、、それであれば、考古学の学科のある大学を選ぶとか、本業にするという選択肢はなかったのだろうか？
まーでも、縄文時代にロマンを感じるのは共感する。僕も今、縄文の本を読んでいるところで、その話をしたら嬉しそうだった。いっぱい良い書籍が出ているので是非読んで下さい！と目を輝かせていた。時間があれば、こういう子と茶でも飲みながら、縄文時代の話を聞きたいものである。スケベ心抜きにして。
次に体操愛好会による、射的愛好会。入ってみると、なんかやってるんだがなんだかわからないが、とりあえず人が５人くらいいた。「やってますか？」と聞いたら、やってるとのことで、射的って何やるのかと思いきや。
昔なつかしの割り箸鉄砲がいっぱい置いてあり、よくこんな作ったなあ・・と思った。それで輪ゴムを飛ばし的に当てて、倒したら商品がもらえるというもの。
的が、画用紙を円柱に丸めて、アンパンマンのキャラの絵を貼ってあるだけ、、うーん、低コストはいいんだが、ショボすぎないか？
んで、3発100円、5発150円。金取るのか！しかも、誰も来ていなさそうなので、ケチケチせずにもっと撃たせてくれればいいのに・・
まあ息子の分と5発ずつで300円。僕が２つ倒したんだが、「おおーーすごい！おめでとうございます！」と取りあえず盛り上げてくれたんだが、その盛り上げにどこか無理があり、ちょっといたたまれなくなる。
で、景品なんだが、アンパンマンペロペロチョコが２つ、、これもどうせ余らせちゃうんだろうから、もっとたくさんくれてもいいのになあ、、
で、文学部棟の企画に、何ともいえないショボさ全開の爽快感を感じながら、再び経済学部棟へ。
落語研究会がポプコンの隣でやっていたので、観ていくことにした。
こちらも、客が全然いないなかで、素人のコント、漫才、落語を見せられ。やっているほうもつらかろうが、観ているほうもつらい。。一応数少ない客が一生懸命、笑ってあげているし、僕も極力笑おうとしていたんだが、落語にいたってはあまりにも下手すぎる上に何言っているかもよくわからないので、うとうとしてしまった。彼らの中からプロになるのが出てくるんだろうか？
そして、いよいよポプコンの今年のトリ。教室ライブラストである。
４年生のお姉ちゃんたち４人バンド。やはり４年ともなれば演奏レベルも格段に高いし、迫力、雰囲気がかなり違う。この子たちが真摯に音楽に取り組んできたことが、そのステージ一発でわかる。
んで、４年ということで、メンバーがそれぞれ、想いを語ったんだが、語りながら泣いてしまい。
去年はコロナで白門祭が中止どころか、活動すら殆ど出来ずに、２年からいきなり４年になったような感覚だったこと。今年も開催が危ぶまれたが、３年生の幹部連中の頑張りで何とか開催にこぎつけたこと。そのことに凄く感謝していると。
ドラムの子なんかは、青春の最高の思い出となったこと、自分の人生の最高の瞬間だったことが嬉しいと泣いていた。
普段なら僕はこのてのお涙頂戴ものは苦手なんだが、何というか、このコロナの中で、若い子たちが、どれだけその時間を犠牲にされたのか、が現実にわかって僕ももらい泣きしそうだった。
僕らの時代は、時間を持て余して、つまんねーつまんねーばかり言っている奴とか、サークルで揉め事ばかり起こして恨みばかりいう奴とか、そんなのが多かったし、なんというのかねえ、、貴重な青春の時間や、他人への思いやり、優しさみたいなのを全然大事にしていなかったなあ、、
約30年の時を経て、後輩たちは、これだけの逆境の中で、お互いを思いやり、協力して、白門祭を成功させたのである。
僕なんかも、ＯＢとして100万円くらい寄付したほうがいいんじゃないか・・と思わせる内容だった。（すみません、カッコつけたいけど、そんな経済的余裕ないです）
なんというか、後輩たちに感動した。彼らからすりゃー僕なんぞはどこのおっさんだ？という存在でしかないが。
ポプコンを含め、全体的に、例年の活気もなければ、制約も多く、内容もショボいところは否めないが、こんな状況の中、白門祭を実行した中大生。よくぞ実行してくれた！と感動した。
現役時代も含め、もう何回も経験した白門祭であるが、今年の白門祭が今までの中で間違いなくNo.1である。
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