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2021年10月21日09:40

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『ONODA 一万夜を越えて』感想

〜太平洋戦争終結後も任務解除の命令を受けられず、フィリピン・ルバング島で孤独な日々を過ごし、約30年後の1974年に51歳で日本に帰還した小野田寛郎旧陸軍少尉の物語を、フランスの新鋭アルチュール・アラリ監督が映画化。終戦間近の1944年、陸軍中野学校二俣分校で秘密戦の特殊訓練を受けていた小野田寛郎は、劣勢のフィリピン・ルバング島で援軍部隊が戻るまでゲリラ戦を指揮するよう命じられる。出発前、教官からは「君たちには、死ぬ権利はない」と言い渡され、玉砕の許されない小野田たちは、何が起きても必ず生き延びなくてはならなかった。ルバング島の過酷なジャングルの中で食糧も不足し、仲間たちは飢えや病気で次々と倒れていく。それでも小野田は、いつか必ず救援がくると信じて仲間を鼓舞し続けるが……〜<映画.comさんより>

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私、洋画の感想を書く時は、日本版とは違う海外のポスター画像を探して、こちらに持ってくるんですが、今作の場合、このヴィジュアルしか見つけられませんでした。
もう、この姿が全てなんですね。。。

原題は『Onoda, 10 000 nuits dans la jungle』
フランス・ドイツ・ベルギー・イタリア・日本の合作です。
オープニングクレジットで、あぁああ、日本映画じゃないんだって、どっぷり思わされます。

さて、小野田寛郎さんです。
知ってるか知ってないかで、年齢がバレてしまいますが、投降されて帰国された時のニュースは、うっすらと記憶があります。
でも、まさか、30年のサバイバルだったとは・・・!
長くても、4〜5年程度みたいに思っていました。いや、それでも、長すぎですが。

観終わって、最初に言いたくなったのが
「お疲れさまでした」

でも、しばらくして、その言葉はかけてはいけないかも?と気づく。
小野田さんは、現地の人を殺している。
谷口上官(イッセー尾形)からの命令「玉砕は許されない。援軍が来るまで生きのびろ」に従うためとはいえ、人を殺している。。。

過酷なジャングル生活。雨も多い。終わりが見えない日々。仲間の1人が言い出す。
「我々は、一体誰と戦っているんですか?」

それでも、命令どおり生き抜くべく、潜伏は続く。
だが、ついに、小野田1人となってしまう。

やがて、若き男性旅行者が小野田の前に現れる。
(この展開は知らなかったので、ビックリ)

旅行者「戦争は終わりました。小野田さん、日本に帰りましょう」
小野田さん「谷口上官を連れて来て下さい(上官の命令が無いと帰れません)」

旅行者は日本に一度帰り、谷口さんを探します。
谷口「もう覚えてないよ・・・。」

えっ、えっ。。。

※予告編
https://youtu.be/-RjozBWX8p0

兵士同士の友情。現地の人からの反感。上司命令は洗脳レベル。
俳優陣は力演。イッセー尾形さんの存在感たるや。

と、これで終われば、普通に4つ☆評価だったんです。

ところが、先日、twitterで、とある事実(と思われる)記事を読んでしまい、仰天。
この映画の原案はフランスで出版された小野田の自伝『たった一人の30年戦争』
『ONODA 30 ans seul en guerre』(Bernard Cendoron著)のようなのですが、どうやらその自伝はゴーストライターによって書かれたものらしく・・・。

気になる方はどうぞバッド(下向き矢印)
https://vergil.hateblo.jp/entry/2021/07/18/105707

(一部抜粋)
「一体、何人ぐらい殺(や)ったんです?」
「百人ぐらいかな」
「百人、全部殺(や)ったの?」
「いや、殺したのは三十人ぐらいです」
「じゃ、残りは?」
「弾はたしかに当たったが、死にはしなかったでしょう。だいたい、戦傷者は戦死者の三倍というのが軍隊の常識です」

小野田さんは・・・戦争が終わったことを知っていた?
でも、これだけ民間の人を殺してしまっていたのだから、日本に戻れば死刑になると思っていたのだろう。
だから、ずっと潜伏していたのでは・・・?

監督は、はたして、どこまで知っていたのか?
映画のラストシーン、ヘリコプターで現地を離れる小野田。
冷ややかな視線を送る現地の人々。
事実を知っているのと知らないのでは、彼らの表情から感じる冷たさの度合いが違う。
というわけで、自分の中で、評価がわからなくなってきました。
とりあえず、最初に感じたままの4つ☆にしておきます。
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