mixiユーザー(id:12645834)

2021年10月19日09:38

158 view

飛行機が着陸の時にエンジンの回転数を上げるわけ


先日は大阪経由で和歌山まで行ってきた。
飛行機は着陸の最終アプローチあたりでエンジンの回転数を上げている。ちょうどフラップが大きく下がって、ゴトゴトと車輪が出てくる頃だ。
自動車と違って変速機を一段落として力を出すためじゃない。
ジェット機では、アプローチ中にスラストアイドル状態でアプローチしてくる。ただ、横風などで着陸をやり直す(成田は結構多い)Go Around(着陸復行) などで推力全開にするにはスラストレバーを大きく前に動かしてフルスロットル(Maximum Take Off Thrust)で高度をあげる必要がある。
ピストンエンジンでは、使用可能回転数の40〜70%程度でオペレーションされているけれど(船や飛行機では一定回転で航行する)、ジェットエンジンでは、85〜100%の間でオペレーションされている。
しかもジェットエンジンでは加速が遅いという特徴がある。
ジェットエンジンはアイドルからフルパワーまで、約8秒かかる。これでは急加速が欲しい時に間に合わない。
そこで、ジェットエンジンでは、アイドルのセッティングが二つあり、「地上でのアイドル」と「アプローチアイドル」の二つとなる。
アプローチアイドルはGo Aroundに備えて地上でのアイドリング回転数より高く設定されている。
回転数がが60%だと、フルパワーまで約8秒かかるが、回転数を78%に保っておくと、2秒でフルパワーにできる(下図)。そこで、急加速に対応するために回転の上がったアプローチアイドルで着陸態勢に臨むというわけだ。ここで回転を高めておけば着陸時にスラストリバーサー(逆噴射)で制動するときも有利だし…
というわけで、いよいよ着陸という時にエンジンの回転数が上がってから降りてくるということだ。

ちなみに交差点でエンジンの回転を上げておいて信号が青に変わった瞬間に飛び出すのと原理としてはほぼ同じだ(動機は全く違うけどね、まぁ急激な加速が欲しいというところは同じかな…)

資料を見つけたのでグラフをシェアする。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する