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2021年10月11日22:17

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香川照之「これで最後まで通すの大変だな…」 『日本沈没』怪演の裏話

香川照之「これで最後まで通すの大変だな…」 『日本沈没』怪演の裏話
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俳優・小栗旬が主演を務めるTBS系日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』(毎週日曜 後9:00)。番組の公式ツイッターが第1話放送直後に更新され、関東沈没へ警鐘を鳴らす地震学者・田所雄介を演じる香川照之の“裏話”を披露した。

【写真92枚】大地震が日本列島を襲う…小栗旬、香川照之ら迫真の演技

 原作は幾度となく映像化されてきた1973年刊行の小松左京による不朽の名作SF小説。今回は原作にアレンジを加え、主人公を含むオリジナルキャラクターたちが2023年の東京を舞台に“沈没”という目に見えない危機に立ち向かっていくさまを描く。

 小栗が今作で演じるのは主人公・天海啓示。目的のためには手段を選ばず、時には強引な手法で政策を推し進めてきた野心家の環境省官僚。香川は、“日本地球物理学界の異端児”というキャラクターを独特の話口調とマイペースな振る舞いで表現した。

 この演技について番組公式ツイッターは「あの独特の話し方は香川さんの計算通り 研究に没頭し、人と話し慣れていない感を出したとのこと」と紹介。さらに「ただ1話を撮り終えて、これで最後まで通すの大変だな、とぽつりと漏らした香川さんでした」と、こぼれ話も付け加えていた。
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日本沈没で、初回が面白かったのは俳優陣の開演に依る所が大きいと思う。
小栗旬は、主役としては単純化されており、視聴者の感情のガイド役として機能している。だから田所博士への支持に変わる第一話のクライマックスでは、こいつ頭おかしいと思わせないための説得力が必要であった。そこが脚本家が最も苦労した所だが、ドラマとしてははっきりと失敗している。つまり説得力がなかった。しかし、そういうものはドラマの作法として簡単に乗り越える事ができる。脚本家や演出家の力量に負わなくてもこのよく知られているドラマでは別に不都合はない。そういう意味では彼の演技に必要なのは、周囲の奇異の目を撥ねつけるだけの主人公としての決断さえあればよく、単純化された感情の動きは求められていない。

松山ケンイチは、第一話ではダブル主役と言ってよく、物語がスムーズに動くために一歩引いて、冷静に見ている観客たちの受け入れ先として機能していた。もちろん、科学的にどうこうの議論に耐えられる脚本ではないので、そういう二重構造によって、物語を見る観客を受け止めるののもう一つの柱として機能していた。その点では松山ケンイチの方が演技として好きという人も居るだろう。よくある赤と青のライバル関係を同一線上に配置したと言っても良い。よって今後は対立する可能性は充分にある。

杏は、報道に携わる俳優として、今後の世論の代表みたいな役割を負うはずで、物語の進行において、混乱と収束をコントロールするのにつかわれる事になる。俳優としての力量というよりどれくらい個と公の間をスムーズに説得力を持って取り込めるかという機能を発揮する事になるだろう。

國村隼は、物語のリアリティを支えるはずの機能である。つまり真っ当な科学を代表するので、この人がリアリティを支えられないと物語は単なる陰謀論の跋扈となってしまう。TBSが報道機関としては良い点もあるが、それを打ち消すくらいに悪い点もある所であるから、ある意味ではTBSの良心を代表する役であると読んでも良い。第一話で早速、わだつみの録画を編集した疑惑みたいな感じの話に持っていかれた。そういうやり方では駄目で、この人の立場こそが物語を支える、つまり当初は科学的正統性から沈没を批判し、次に疑惑に同意し、最後はその結論を認めるという流れが物語の通奏低音として必要なのである。この人が権謀術数を展開し陰謀の本体となるようでは物語は興味を失う。

仲村トオルが総理大臣の役目をしていたが、この人が総理なら政権交代をしている方が説得力がある。でもそうなると副総理との間での派閥闘争に説得力がない。よって、これは自民党政権における物語と理解するしかないが、するとちょっと若すぎるし、力がない気がする。もし傀儡ならそういう演技をすべきであるが、少し演技が弱い気がする。気に食わない事があって椅子を蹴るシーンがあったが、自分の立場など十分に承知して総理になったはずなのだから、そういう演技はすべきではない。これは物語を軽くする。脚本家の力量不足と言える部分であろう。どこかでこの人が中心となって物語の方向性を決定するのでその時にどのような演技をするかは注目である。

香川照之はいつものパターンで、こういう演技しかできないだろう、というものだった。孤立して孤独な人間に特有さは演技ではない感じがする。そもそも田所博士が主流派から追放された設定はそのうち描かれるかと思うが、今のままでは大部分の人は、お前が悪いで終わってしまうと思う。当然だが、日本の学術にもドロドロもグログロな部分はあると思うが、今回のドラマでそれを描く必要はない。単に権力闘争やいじめで主流派を去ったという考えは詰まらないのだが、SNSを活用しまくっている辺り、武田邦彦のイメージと重なるのは面白くない。というのも日本沈没は結局は國村隼と香川照之がタッグを組んで沈没に立ち向かう辺りからが面白くなるはずなので、その辺りは原作がどうかは別にして全体が動き出した時に今のままだと辛い。

ホラン千秋のナレーションは良かった。物語をリセットするくさびみたいで声というより語り口が良かったと思う。なんとなく、過去を顧みている感じがするのがエッジを利かしているのだろうか。

日本沈没はわだつみの描写が全てであるが、今回のドラマはそれがあまりに詰まらないとしか言えない。この造形ならプラモデルにする必要さえない。そこが詰まらない。面白くない。しかも、科学的根拠を求めて潜ったのに病人が出て途中で打ち切る。その打ち切った内容で結論を出す、しかもだ、病人になった人の理由が閉所恐怖症だから、だと?コントかというコメントである。そういう本当は最も重要だが、科学的な観点から見たら成立しないという処さえ譲れば物語は大変面白いと感じた。特にシンゴジラの影響は強く感じたし、そう思えば小松左京がシンゴジラをみたらなんといって喜ぶだろうと思ったりもした。

プレートテクトニクスによれば地滑り的に日本が沈没するとは思わない。科学的根拠がある訳ではないが、日本近辺でプレートが割れる、それで氷山が崩れるようにプレートが細かくなって日本列島が小さな諸島になる。とともに海面上昇によって将来的には平野の大部分を失ってしまう、そういう方がリアリティがあるか。

恐らくそうなっても一億人が居住する空間が確保できない。少なくとも関東は30%程度しか残らないとかならありそうである。その場合も多数の日本人は避難が必要だし多くの企業は工場を見捨てなければならない等、だいたい同じストーリーを辿る。

日本沈没という物語を現在の技術で描けば少し絵空事になってしまう。そこにリアリティを持たせるには東日本大震災はあまりに強く残っていると思われる。シンゴジラはそれを踏まえて東京を描き切った。あの火の海でどれだけの人が亡くなったかは描かなかったが、それは演出の巧さであって、今回のドラマのスタッフ陣も、私は好きにした、君らも好きにしろの言葉を噛みしめているだろうと思われる訳である。

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