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2021年10月10日10:56

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『アイダよ、何処へ?』感想

〜ボスニア紛争末期の1995年7月11日、ボスニア東部の街スレブレニツァがセルビア人勢力の侵攻によって陥落。避難場所を求める2万人の市民が、町の外れにある国連施設に殺到した。国連保護軍の通訳として働くアイダは、夫と二人の息子を強引に施設内に招き入れるが、町を支配したムラディッチ将軍率いるセルビア人勢力は、国連軍との合意を一方的に破り、避難民の“移送”とおぞましい処刑を開始する。愛する家族と同胞たちの命を守るため、アイダはあらゆる手を尽くそうと施設の内外を奔走するが――〜<公式HPより>

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危険・警告かなり内容に触れています。未見の方はご注意下さい。

小学生の時、ユーゴスラビアという国があることを学びました。
そしてその後、その国が無くなってしまったという事実が、信じられなかったというか。
「国が無くなる?」

この映画の題材は、1995年、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の中で起きた大量虐殺事件「スレブレニツァの虐殺」。
1995年って、ついこの前じゃないですか。わずか25年前。
8000人以上の住民が処刑されてしまったって・・・。

アイダ(元教師)は家族(夫と息子2人)と市民たちを守るために奔走する。
ただ、ある時点からは、ひたすら自分の家族だけを守る行為となっていったような。
満員となってしまった国連施設に夫(大学教授?)を入れるため、セルビア勢力側と話し合う住民代表にしたり、息子たちを国連関係者しか入れない場所に勝手に連れてきたり。

どちらかの息子の台詞「お母さんは横暴だ。自分の言う通りにしないと気が済まない。森に逃げていた方がよっぽどよかった(かもしれないのに)」

国連施設内に入れても、そこはまた過酷な場所。
水も食料もなく、トイレ等も使えない。

ある時、平和維持軍はセルビア人勢力の要求に屈してしまい、セルビア人勢力は反逆者を探すため施設の中に入ってきてしまう。
何人かの男性たちが人目につかないに連れて行かれ・・・処刑された。
国連本部の無関心たるや・・・。

※ヤスミラ・ジュバニッチ監督インタビュー(公式HPより)
「ボスニア内戦(1992-1995)の終盤にボスニア東部の町スレブレニツァで行われた8,000人以上にのぼる組織的な住民処刑は、すべてのボスニア人にとって大きなトラウマになっています。紛争中、スレブレニツァは国連によって安全地帯に指定されていました。にもかかわらず1995年の7月、ボスニアのセルビア人勢力が街を侵略したため、武力で劣勢に立たされた国連軍はニューヨークの国連本部へ支援を要請したものの、スレブレニツァの市民とともに完全に見捨てられました。スレブレニツァはヴェネチアから空路で40分、ベルリンからは2時間足らずです。ヨーロッパ人の目の前でこのような大虐殺が行われなんて、恐ろしいことです。国連などの組織に対する安心感や信頼は失われ、何千人もの人々が亡くなり、さらに多くの人々が犠牲者の死を悼みました」

※予告編
https://youtu.be/aeuFZyimfUs

やがて住民たちは男女分かれてバスに乗せられてゆく。
男性たちは、ある町の体育館の中に入るように誘導される。
「これから映画が始まるから見るんだぞ」
その建物のまわりでは、のどかにサッカーをする少年たち。
やがて聞こえる残虐な音、音、音。。。

エンディングは現代。アイダは教師に戻っている。
親たちも集まったある日のクラスルーム。楽し気に笑いあう親子の中にあの顔が。。。
(その人物なんですが、100%確信は持てなかったんですが、カメラの近づき方からして、多分、敵だった’あの人’だと推測)

作品中、アイダはずっと険しい表情。ここまで徹底してるのもすごい。
この恐ろしき歴史が世に知らされたことだけでも意義があるし、多くの人に観てもらいたい。
同じことを繰り返してはいけない。学べ!学ぶんだ!4つ☆

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