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2021年10月08日11:44

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『空白』感想

〜ある日突然、まだ中学生の少女が死んでしまった。スーパーで万引きしようとしたところを店長に見つかり、追いかけられた末に車に轢かれたというのだ。娘のことなど無関心だった少女の父親は、せめて彼女の無実を証明しようと、店長を激しく追及するうちに、その姿も言動も恐るべきモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていく〜<公式HPより>

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危険・警告そこそこ内容に触れていますのでご注意を!

ほぼ何も知らないまま、シンプルなタイトルに惹かれて観賞。
だって、最近の邦画って、下手すれば、タイトルで映画の内容の全てを説明しているかの如くの長いのとかあるでしょ?
ああいうの本当嫌い。
あと、そう、吉田恵輔監督作は『ヒメアノ〜ル』は未見なれど『愛しのアイリーン』は観ていて好きだったので、まあ、なんとかいけるだろうと。

で、感想ですが・・・なかなか良かったです指でOK

出だしからいい。花音役の伊東蒼さんの醸し出す薄く淡い雰囲気がめちゃいい。
そこから事故が起きて、怒涛の展開に。。。

中心に、添田と追いかけたスーパーの店長。
その外枠に、学校の担任&校長、はねた運転手、元妻。
更にその外枠に、スーパーの店員、運転手の母親、弟子漁師。
それらを遠目で好奇心たっぷりに眺めているのが、マスコミ。
マスコミは例の如く、勝手に編集して、実際に収録されたイメージとは真逆のイメージを大衆に流す。。。

この作品、登場人物たちの表裏がリアルかつ面白く描けていて、私好みでした。

スーパー店長に「花音は万引きなんかしてねえだろう。疑って追いかけたおめえが悪いんだろ〜〜〜!!!」と襲いかかっていく添田。
ひたすら「申し訳ありませんでした」の青柳店長。
寺島しのぶ演じる店員は、正義感のかたまりで、ひたすら店と店長を守ろうとするのだが、どうやら店長が好きでしょうがなくの謎の一面もある。
担任は自分の言い方が悪かったと反省しつつも、校長に「それは先生として言うべきことだったんです」とたしなめられる。
校長は学校に悪い評判が立つことを恐れているのだ。
花音の両親は離婚していたが、花音は母親と時折会っていた。今は別の夫がいて、妊娠している。
母親は添田が知らない花音の事をたくさん知っていた。それも添田は気に入らない。
若き漁師の野木は、仕事のことでいつも添田に怒鳴られていて、添田の船から追い出されもしたんだけど、マスコミを添田から遠ざけたり、なんだかんだいっても添田のそばにいる人物で、この配置に感心。

添田の荒々しい性格は、おそらく事故前からそうだったんだろうけど、事故が起きてからは、それこそ、あちらこちらで嵐を巻き起こし、雷を落としてまわる。
女性運転手が母親と謝罪に来ても、相手にすらしない。
傍目に見ても、花音はいきなり飛び込んできたわけで、運転手はよけらるはずはなかった。故意にひいたわけではない。
むしろ、飛び込んでこられて迷惑を被ったのは運転手の方だ。誠意を込めて謝ったが・・・まるで受け入れてもらえなかった。そして、彼女は・・・。
母親「これからは私が罪を背負っていきます。どうか赦して下さい」

やがて・・・お客が来なくなったスーパーも潰れてしまう。

添田の怒りはいつまで続くのか・・・。

※予告編
https://youtu.be/3p89QdSf71E

終盤の元妻のこの台詞が添田に刺さる。
「あなたが一番怒っているのは、あなた自身でしょう」

その通り。私も(観客)も、そのころには、同じことを思っていた。
同じ頃、花音のぬいぐるみの中から、おそらくスーパーで万引きして集めたのであろう化粧品がいくつか見つかる。。。
事故前日の夕食時、花音が父親に話したかった事とは・・・?

エンディング、泣かされます。やられます。こうきたか・・・って。
そして、ふと、このタイトルがダブルミーニングになっていたことに気づきました。
「空白」は「空の白」なんだと。
見応えある1本。どこか気になりましたら、是非劇場へ。3.5☆

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