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2021年10月03日10:27

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8、9月の読書日記  図書館で借りた本

 なぜか9月は絶不調だったのでがまん顔二か月分纏めての読書日記。昨日、テレビの番組で西城秀樹さんを見ていた。かっこよかったし、若い時に比べて歌が上手になっていっているのにおどろいた。
 写真は今月(月に一度だけ45rpmでりっぱな花のブーケを購入している)のお花。セイジともうひとつの花がとても良い匂い。花束見ると秋っぽいが、日中はとても暑く着る服に悩む。
 さて、図書館の本から。
○覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子(潮出版社)伊東 潤著:日本史の中で、蘇我馬子と言うか、蘇我一族はすっかり悪者にされているが、仏教を支持し帰化人を多く雇入れ、天皇と深い姻戚関係を結び、優れた政治家であったように思う。自分の姪とかが天皇だし、天皇の義兄?でもあるのだ。しかし、政治の中では「昨日の敵は今日の友」の逆を行く事も多い。孤独だったろうなと思う。なのに、しかも、この難しい時代に総理大臣になりたがる人が4人もいたと言うのは驚きだよね。その孤独、その重責と言うものが分かってるのかな。晩年、病で倒れ((脳血管系の疾患と思われる)、必死にリハビリに励む所が壮絶な感じだ。
○沙林 偽りの王国(新潮社)帚木 蓬生著:九州大学医学部、衛生学の教授・沢井と言う架空の人物をを主人公に、彼が1994年6月に発生した松本サリン事件についてマスコミからコメントを求められたことをきっかけに、一連の事件に巻き込まれていった形をとった小説である。その事件とは、勿論、坂本弁護士一家拉致・殺害事件、地下鉄サリン事件、他を引き起こした「オウム真理教」の一連の犯罪である。読んでゆくと、国松長官の狙撃事件という別の本でも描かれたように、いかに警察の捜査が場ちがいなものであり、踏み込みが不十分だったかという事が分かる。「人を殺せ」という時点で、どんな宗教でもその教義は誤りなのだと、高学歴で真面目な信徒たちが気づかなかったことが恐ろしいげっそり
○流人道中記 上・下 (中央公論新社)浅田次郎著:万延元年(一八六〇年)。姦通の罪を犯したという旗本・青山玄蕃に、奉行所は青山家の安堵と引き替えに切腹を言い渡す。だが「痛えからいやだ」という玄蕃には蝦夷松前藩への流罪判決が下った。押送人に選ばれた十九歳の見習与力・石川乙次郎とともに、奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中で行き会う抜き差しならぬ事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。最初は白い目で見ていた乙次郎だが、玄蕃の中には二人の玄蕃がいるのではと思い始め、次第に見方を変えて行く。玄蕃さんのかっこいい事。最初は上しか借りられなかったので、下を借りられる日が待ち遠しかった。
○大名倒産 上・下(文藝春秋) 浅田 次郎著:流人道中記があまりにおもしろかったので、これも借りてみた。とくに贅沢をしたわけでもなく、何かの事業に失敗したわけでもないのに、260年間にたまった借金25万両。毎年のお利息3万両、しかし歳入は年間1万両しかないとある大名家。家臣たちを救うためには計画倒産やむなしと考え、それを実行する計画をたてる隠居した父・先代藩主。その対策として、身分の低い女に生ませた、あまりよく知らない末息子に跡を継がせる。最後に切腹させて幕を降ろすためだけの人材。だったはずが、がんばる当代藩主。貧乏神や七福神がでてきたり、都合良くお助けのひとがでてくるのはずるいと思いつつお、筆力ゆえにするする読まされてしまった。好みは流人道中記のほうだな。
◯ ダチョウはアホだが役に立つ(幻冬舎)塚本 康浩著:とぼけた題名にひかれて借りた。しばしば想うのは、生物学者系の人はなぜか謙虚だ。著者も京都府立大学の学長さんで、ベンチャー企業?をいくつも起こした偉い人だが、すごいでしょう系のことをあまり言わない。私のまわりにいた学者さん達は、いっちょ噛みしただけでも「あれをやったのは私です」とか「開発は大変でしたが、わたしの指導でなんとかなりました」的なことを言う人が多かった。不思議であるぷっくっくな顔著者は駝鳥の傷がすごく早く治ることに目をつけダチョウ抗体を開発したのだ。思わずダチョウマスクを通販で購入した。成果の程は不明だが、装着間はいい感じ。
○五木寛之作品集 第一:五木寛之は、私が高校から大学に掛けての時代に夢中で読み耽った作家であるハート達(複数ハート)なんたって題名がステキ。「さらばモスクワ愚連隊」「蒼ざめた馬を見よ」「海を見ていたジョニー」「青年は荒野を目指す」いいでしょ。最近の「魔界に転生したら何とかでかんとか」と言うあらすじだかなんだかわかわからない題名に比べて粋なこと。私はバカ耳で音楽のことがよく分からないのだけれど「ピアノのソロが、入ってこいよというようにクラリネットをさそう。ベースとドラムがそれを支える」みたいな描写に唸った。ジャズの描写ですごいなぁと思ったのはこの方と今野敏さんだ。今読みなおすと、発展してゆく日本とその陰にいる者たちやベトナム戦争やヒッピー文化、熱いが冷めた時代がありありとよみがえる。乾いたちょっと突き放したような文体は、同時代の野坂昭如のねちっこくてまとわりつくような文体と好対照だった。
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