思い出の旅（その１）

　旅が好きで全国旅して歩き、ほぼ行きたいところがなくなり、もう一度行きたいところに行く段階となった。
　今から38年前に大学サークルの春合宿に山陰、その後有志で山陽を回る旅をした。その時に行った尾道にまた是非行きたいと思っていた。そして瀬戸内海の島々を巡ることが好きで、また「男はつらいよ」にでてくる高梁、日本3名園で印象が弱かった後楽園などが今回の目的となった。
　9月29日（水）
　新幹線で岡山につき、すぐ山陽本線で笠岡を目指そうと思っていたが、なんと水曜運休ということで乗る予定の列車が運休となっていた。時間つぶしに岡山市内の調査を行ったら後楽園はコロナの影響で9月30日まで休園、岡山城は改装のため当分休城、市内スイカが使える等。40分後の電車で笠岡へ。学生時代に行った真鍋島に行くために、懐かしの地下道をとおり港へ。乗る予定の船が運航休止となっていた。船で行ってすぐ帰る予定を組んでいたが、残念、笠岡ラーメンを食べて（極細面が特徴でなかなか良い）次の電車に乗る。
　尾道につき、翌日午前の予定であった生口島瀬戸田に船で行くこととした。港の上のホテルに荷物を預け高速船に乗り込む。客は私を含め5人、40分のクルージングであった。大きな島が近く、笠岡から真鍋島航路、高松から男木島航路より解放感は小さい。瀬戸田港の感じは小豆島のどこかの港のそれを思い出した。最近観光で人気があるようで雰囲気のある旅館の若いスタッフが和装で歩き回っていた。街道を歩き平山郁夫美術館に入った。ここ瀬戸田が出身地であることを知り納得した。今回は平山郁夫の弟子で田淵敏夫の「春（枝垂桜）」総本山智積院蔵がポイントとなった。その後向上寺に登り国宝の三重塔を見て港に戻った。
　ホテルにチェックインし窓からの尾道水道を堪能した後、街に夕食のため繰り出した。が、コロナの影響でどこも9月30日まで休業であった。仕方がないのでコンビニで缶ビールと弁当などを買ってホテルに戻った。銀行監査部時代にはよくやったパターンである。
自民党の総裁選挙があり、地元の岸田さんが総理大臣になるということで広島が盛り上がっていることをテレビで知った夜であった。窓からは夜のドックの明かりが見える。