管球王国で是枝重治先生が発表されていたフォノアンプを見て、自分に足りない機能(各社イコライザーカーブ)などのことを話しているうちに、特注品として作りましょうとなった一品モノです。
日記を検索すると、出来上がったのは2008年9月23日とあります。
そこで鳴った音を聴いて以来、拙宅で音を出したことはない、13年休眠していたフォノアンプです。
初期タイプとなったマランツ7ともども、これもいよいよ稼働です。
このアンプへの拘りは是枝先生によると以下のようでした。
ところで、この電源部と本体を結ぶ電源ケーブルの長さが足りなかったので、是枝先生の店、オーディオマエストロに電話して久しぶりに先生と。
72歳の先生は、引退など毛頭考えていない。後楽々20年以上はオーディオを作り続けるそうです。ユーザーはますます安心ですね(笑)。
マランツ7の復活の件の話から、その設計者、シドニー・スミスさんとのやり取り。
このアンプにも使われているテレフンケン、ECC803Sが10本あることを話したら、それは奇跡と。
そうして上記アンプに使っている部品のいくつかはもう作っていない、出回っていないので、ますます貴重な個体だそうです。
こだわり
コンデンサーにお馴染みのASCが見えますが、よく見ると、ただのASCではなくTEKマーク つまり測定器のテクトロニクス向けの選別品であることがわかります。
抵抗は東京光音のRN抵抗ですが、抵抗の被覆を取った方が音がよかったとのことで、特注にて抵抗被膜を取ったものをオーダーされたそうです。
抵抗まで特注とは凄いです。
真空管ソケットも経年劣化が極めて少ない測定器用が用いられ、真空管は独逸シーメンスないしテレフンケンのスーパーローノイズの選別球です。
電源は出川式も試した上で、ドイツITT社の高速ダイオードの両波整流になっています。
これもこのパーツ以外ではダメであったそうで、100本から特性の揃った6本が選別されて使われたそうです。
電源トランスはバランス巻きの特注品だそうです。
以上
幸運は、そのころ、将来SP盤からオリジナル盤までどこまでアナログを深めるかわからなかったので、各社イコライザーカーブを切り替えられるようにしていただいたことです。
この後に、アコースティックリバイブ石黒社長たちが、80年代のマイケル・ジャクソンからプログレッシブロックのYesの一部アルバムまでRIAAカーブではなかったことを明らかにされました。
うちにもロックの洋盤は結構ありますので、これが役立つことを祈っています。
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