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2021年09月12日15:31

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山種美術館 速水御舟と吉田善彦

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速水御舟と吉田善彦
ー師弟による超絶技巧の競演ー
9/9(木)〜11/7(日) 予約不要

吉田善彦(よしだよしひこ)は、1921年(大正元年)に現在の東京都品川区にうまれました。
17歳の時に速水御舟(はやみぎょしゅう)1894年(明治27年)に師事し、御舟が亡くなる1935年のまでの6年間の師弟関係でした。

御舟のもとで古画の模写などを学び、金箔と「もみ紙」を用いた「吉田様式」を完成させます。

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吉田善彦 「大仏殿春雪」1969年

茫漠とした絵ですね。
近づくともみ紙がわかります。


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吉田善彦 「尾瀬三趣」1974年
右から、草原の朝・池塘の晝・水辺の夕

吉田善彦ではこの絵が好きかな。
草原の朝のニッコウキスゲの黄色がかわいい。

どこかで観た感じと思ったら、ジョルジュ・スーラ(1859〜1891年)の点描画ですね。
点描と細かなもみ紙が同じ効果を生んでいます。


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ジョルジュ・スーラ
題不明



速水御舟は、1894年(明治27年)浅草生まれ。
1917年の第4回院展に「洛外六題」を出品し、横山大観、下村観山に激賞され日本美術院同人となった。
同時に同人となったのが、アノ川端龍子でした。


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速水御舟 「百舌巣」1925年

百舌の細密描写と小枝や羽、蜘蛛の巣?などで作られた巣の重なり具合が面白い。


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速水御舟 「炎舞」1925年

いつも通り、仄暗い第二会場で妖しい炎を巻き上げています


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速水御舟 「昆虫ニ題 葉隠魔手・粧蛾舞戯」1926年

この二点のみ撮影可能


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速水御舟 「牡丹」1934年

重なり合う牡丹の花弁のボリュームが美しい。


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速水御舟 「名樹散椿」1929年

散椿は、京都地蔵院の樹齢120年の「五色八重散椿」がモデルで、花弁が一枚一枚散る珍しい椿です。

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地蔵院「五色八重散椿」
デフォルメされた御舟の散椿のなんと美しいことか…

御舟は、宗達、其一の画に学んでこの画を描いたそうです。
屏風の金地は「撒きつぶし」という技法で金砂子を撒いています。
金箔の10倍ほどの金が必要らしい。

作品の横に、箔押し・金泥・撒きつぶしの見本が展示してあり、箔押しは、金が反射してピカピカ、金泥は暗く沈み、撒きつぶしは金の深みがあります。

このゴージャスな作品は、大倉財閥2代目の大倉喜七郎氏の注文で制作された。

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自ら考案した尺八フルート、オークラウロを演奏する大倉喜七郎氏。


なかなか楽しめた展覧会でした。



今回の展覧会には出品されていませんが、御舟は、1921年頃から岸田劉生の影響で写実的な静物画を描いています。


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速水御舟 「茶碗と果物」1921年
国立近代美術館

ハタンキョウの艶と浮き出る糖分、茶碗の冷たい光沢


御舟と言えば、「京の舞妓」

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速水御舟 「京の舞妓」1920年
東京国立博物館

甲斐庄楠音も真っ青のデロリ感。
なにか悪意があるのか?と思ってしまう。

着物の柄の細密な描写、畳の一目まで描く偏執的な写実

おしまい
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