冷凍チャーハンはレンジで温めるよりもフライパンで焼いた方が遙かに美味い。
この金曜に僕が体得した生活の知識だ。
炒飯ないし焼き飯というぐらいだからね。
そうした方が美味く仕上がることは頭ではわかっちゃいたんだけど、ついつい手間を惜しんでレンジでチンして食っていた。
それでも美味いことは美味い。でも、べちゃっとしていた。
それがフライパンで火を通すと、カリッでパラッなんだよ。
で、金曜の晩なのでソロ飯だ。
普段だったら、速攻でネットフリックスかアマプラを見るところなんだけど、この日はガラにもなくNHKの7時のニュースにチャンネルを合わせた。
その日に勃発したカブールの自爆テロがどうなってるのか知りたかったんでね。
ところが、当然トップに来るだろうと思ったアフガニスタンのニュースは後ろの方で報道されるという。
トップニュースは渋谷でワクチン接種を待つ人たちのこと。
そりゃあ、この炎天下で皆さん大変だし、大事なニュースであることはわかるけど。。
おいらはとっとと画面をネトフリに切り替えた。
そしたら、呪い竜のファフくんがおいらのmixi日記のポリシーそのまんまを語る回だった。
画が大事だ。文字だけの本は売れないのだ。
そして、画はエロくて下品な女に限るとネトゲの奴に教えられたという。
その結果、アステカの文化神たるルコアさんにモデルの白羽の矢を立てるのだ。
あっ、脱力しました?
いや、要するにだね、言いたかったことはメイドラゴンsのことじゃなくて、7時のニュースのことなんだよ。
そりゃあ、コロナのことは大事だよ。大事だけど、世界中が目を剥いたデッカイ自爆テロのことを脇に置くほどなにか目新しいニュースがあったとは思えんのだよ。
今に始まったことじゃないんだけどさ、どうもね、テレビ放送ってのは国内のことばっかりで海外のことがおざなりになってる気がしてならないんだよなあ。
それはスポーツのことでもそうだ。
オリンピックが終わったら次は甲子園大会、さらにパラリンピックが重なってさ。
それまではBS放送の華、ニュースでも活躍ぶりが常に伝えられていたアメリカンヒーローの姿がぷっつりテレビ画面から消えちまった。
もちろん、大谷翔平くんその人だ。
えっ?甲子園大会は国内試合そのものだけど、オリパラは開催場所が東京なだけで外国の選手が満載の国際大会だぞって?
もちろんそうなんだけどさ。オリもパラもあの日本人選手だけに的を絞りまくった放送は国内向けそのものだと思うよ。
僕はまあいいんだけど、カミさんが頭に来てる。
オリンピックが始まるまでは、BS放送は大谷くんの試合中継が金看板だった。
カミさん、かぶりつき。
あのホームラン競争がシーズン前半のBS中継のクライマックスだったと思う。
オールスター戦もね。大谷くんひとりのために先発、1番、引き続きDHができるように本場のルールが変わっちまったんだからねえ。たいしたもんだ。
カミさんはこの青いユニフォーム、パジャマみたいですかんと言ってたけどね。
ところで、さっきから大谷くん、大谷くんって「くん付け」してるので、お前は何様なんじゃ
って思われた人もいるんじゃないかな。
いや、これはね、カミさんの呼び方が移っちゃったんだよ。
わが家ではあの不世出の野球選手を大谷くんと呼ぶのが習わしになっているんだ。
彼がうちとこの息子らよりも若いからじゃないよ。
くん付けはカミさんの矜持を表している。
つまり、彼女は大谷くんが海の物とも山の物ともわからなかった岩手の青い高校生の頃、まさにくん付けがふさわしかった時代からひいきにしているんでね。
二刀流やらメジャーリーグやらでもてはやされてからファンになったニワカと一緒にせんといてんか
という気持ちが「くん付け」にはこもってるんよ。
その二刀流にもカミさんは一家言ある。
今となっちゃ、大谷くんの二刀流を否定する向きはあんまりいないだろうけど。
彼がメジャーリーグに移籍したとき、あるいはもっと最近、ホームランを量産し始めた今シーズンの初め頃まではそうでもなかった。
記録を狙うためには打者一本に絞るべきだという声がけっこう多かった。
そういう声に対して、カミさん曰く
大谷くんのことがわかってへん。 彼は野球が好きで好きでしょうがないんや。 野球が好きな子がピッチャーやりたいのは当たり前。 でもバッターかてやりたい。 それを記録のためにどっちかにしろなんて、わかってへん人のいうことや。
なので、そういうことをスパッと書いたこの論評が新聞に載ったときは、我が意を得たりという感じで僕のとこに持ってきたよ。
僕自身も大谷くんはすげえやつだと思ってるよ。
二刀流って簡単にいっても、せいぜいが学生野球止まりのこと。 プロ野球じゃあ、通用しないのが常識だった。 それがプロ野球どころかメジャーリーグでやらかしちゃったんだからねえ。
僕もカミさんにつられてメジャーリーグの実況中継をちょこちょこ見てたんだけどさ。あれに目が慣れると、日本のプロ野球が高校生の試合に見えてきちゃうんだよ。
それぐらい我彼には大きな差がある。そのメジャーリーグで先発した翌日に1番でバッターボックスに立つ姿を見るとね。こいつ、ほんとに人間なのか?だったよ。
しかも、味方にも敵にも愛されるナイスガイ。すげえやつとしか言いようがないよ。
そんなこともあってさ、こないだ、お好み焼きのホットプレートの下に大谷くんの新聞記事を敷いたときは、おいらまで早くこの勇姿をまたテレビで拝みたいもんだと思っちまったよ。
と、随分長々と大谷くん賛歌を続けちまったけど。。
ここから日記のタイトルにつながる。
大谷くんのチームはロサンジェルス・エンジェルス。。
ロス。 ウエスト・コースト。 暮海猛夫が目指した西海岸だ。
このエリアはウェストコースト・サウンドという独特の音楽を生み出している。
どういうのがウェストコースト・サウンドなのか?といっても定義はさまざま。
僕なりにいうと、カラッと乾いていて明るい、じめじめしてない音楽だ。
言ってみればあれだ、フライパンで焼いた冷凍チャーハン。
レンジでチンしたようにベチャッとしてない。パラッとしている。
なので、そういう気風に当てはまる音楽だったら、このエリアの住人だけの専売特許というわけでもない。
例えば、ロンドンで結成されたこのバンドの曲なんか、僕的にはウェストコースト・サウンドそのものだ。
もっとも、このナンバーがレコーディングされた頃には活動拠点はロサンジェルスに移していたみたいだけどね。
【America/Sister Gilden Hair】with lyrics '75 (金色の髪の少女/アメリカ)
https://www.youtube.com/watch?v=YezMjSwInX8
アメリカみたいに移住はしないまでも、レコーディングだけでもウェストコーストでやるというミュージシャンは日本にも多い。
ギターやピアノ、ドラムがね、カラッとしたあっちで鳴らすと、ジメっとした日本のスタジオでは出ない音色になるそうなんだよ。
僕がパッと思いつくのは「和製キャロル・キング」のキャッチコピーでレコード会社が売り出した歌手のデビュー・アルバムだ。
僕が思うに、スタッフは鳴り物入りのプロモーションを狙ったんだろうけど、彼女自身は渇いたピアノの音色が欲しくて米国くんだりまで渡ったのではないか。
結果的にキャロル・キング自身が演奏に参加して、スタッフの狙いはドンピシャになると同時に、演奏自体もスグレモノの名盤が出来上がった。
五輪真弓 少女
https://www.youtube.com/watch?v=XOUkh0stVCI
この「少女」がヒットしたのが1972年、僕が中三のときだ。
ラジオから流れる曲を聴いて、ふーん、新しいタイプの歌だなあと思った。
惚れたふられたのラブソングではない、世の中気に入らない的なプロテストソングでもない、意味があるようなないような歌詞。
メロディーや音色もウェストコースト風に明るくノーテンキなわけじゃないけど、ジメっと暗いわけでもない。曰く言い難い。
ちょうどあれだ、新しいムーブメントは西から起きる。
実際、この時代の五輪真弓が好きだったマイミクさんを僕は二人知っている。
そのうち一人は「少女」を聴いた途端に好きになってレコードを買いに走ったそうだ。
僕はそこまでではなくて、同じ頃に同じ女性シンガーソングライターとして売り出したりりィの方に引き寄せられてアルバムを買いにレコード屋さんに走ったのだった。
りりィのバックバンド、バイバイセッションも乾いた音を出してたよ。
その分、五輪真弓からは関心が引いてしまって「恋人よ」がヒットしたとき、完全に離れてしまった。
僕はあれが出た80年前後のヒット曲3本がどうもかぶっちゃってね。大御所三大ヒット曲と呼んでいるんだよ。
ジュディ・オングの「魅せられて」、欧陽菲菲「ラヴ・イズ・オーヴァー」、そして五輪真弓の「恋人よ」だ。
お好きな人はごめんなさい。あくまで好きずきの話なので
ん−と、話がウェストコーストサウンドからどんどん離れて行っちまったな。
これなんか、いかにもな感じだよ。
The Doobie Brothers - Long Train Running (official video)
https://www.youtube.com/watch?v=m4tJSn0QtME
そして、ウェストコースト・サウンドだったら外せない、このバンドがある。
代表曲はその名もホテル・カリフォルニアなんだけど、この意味不明の歌詞のヒット曲は僕的にはあんまりウェストコースト的ではない。
ウエストコースト的ノーテンキナンバーだったらこっちを推すな。
Eagles-Take It Easy Lyrics-Türkçe Altyazılı
https://www.youtube.com/watch?v=4MP-S0N7sts
よく知られているようにイーグルスはリンダ・ロンシュタットのバックバンドからスタートした。
そのリンダが逆に彼らのナンバーをカバーしたこのヴォーカルもおいらは好きだな。
Linda Ronstadt Desperado
https://www.youtube.com/watch?v=bGvyBlBwDds
ここまではいわゆるウェストコースト・ロックと呼ばれる音楽を並べてきたけど、ウェストコースト・ジャズもあるのでちょっとだけ。
これまた、これだぜと定義するわけにはいかないけど、ニューヨーク系に比べると軽いタッチの音が多いと思う。そして、白人のプレイヤーが多い。
例えばアート・ペッパーだ。
僕はこの人が奏したクリント・イーストウッド映画のOPはジャズを使った映画音楽の中の屈指の一品だと思っている。 仙台の映画館でこのOPを見て聴いたときは震えちゃったよ。
残念ながら、イーストウッドが酔っぱらってバーから出てきてクルマに乗り込む映画のOPはYouTubeには見当たらないので(前はあったんだけど消えちまってた、今どきは倫理的にマズいのかな)、音楽だけでも。
アート・ペッパー 「ガントレット」より
https://www.youtube.com/watch?v=BpV5xCcH3Io
そして、一般的にはウェストコースト・ジャズには分類されてないみたいだけど、軽いノリの白人が演ったジャズといえば、僕はスタン・ゲッツの「イパネマの娘」が一番だ。
Astrud Gilberto and Stan Getz - The Girl From Ipanema (1964) LIVE
https://www.youtube.com/watch?v=sVdaFQhS86E
で、最後にメジャーリーグのことに戻る
いや、大谷くんのことじゃないよ。
彼もワクチン接種後に体調不良に悩まされたらしいからね
そうじゃなくて観客の人らだ。なんでマスクしないで大騒ぎしてるのか。
全員が接種済みとは思えん。なにしろ、自由の国だからね。ナゾだ。
完売
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