おそらく全国でも、長野県でも飯山市から志賀高原あたりの一部の蕎麦店でしかやっていないそば打ちです。
噛みごたえあるような、ものすごいコシの蕎麦に打ち上がります。
SBCスペシャル「志賀高原」より。
オヤマボクチ蕎麦とは、そば粉の繋ぎに小麦粉ではなく、この野生で自生しているヤマゴボウの歯の裏の繊維を使ったものです。
これを乾燥させて木槌などで叩いて、葉の葉脈などを落とします。
これを3日、茹でては洗い、茹でては洗いを繰り返して、葉裏の繊維以外を取り除きます。
最終的に採れた繊維(オヤマボクチ、雄山火口)です。1kgの葉からわずか5gしか採れないとか。
1枚の蕎麦打ちに入れるオヤマボクチはこのくらいです。
後継者がなかなか出なくて、雄山火口を使う蕎麦店は減る一方だそうです。
今若手で修行して覚えれば、唯一無二の歯ごたえの蕎麦だけに儲かると思います。
当地に来たら、観光客は善光寺周辺や戸隠蕎麦もいいのですが、本当に個性ある信州蕎麦となれば、東京などにない系統はこの長野県の最北地方の雄山火口蕎麦です。
似たような海藻の繊維を用いた蕎麦に新潟県六日町から長岡あたりに広がる「へぎそば」があります。
ただ信州人はあまり評価していません。
蕎麦の良さの一つにあの独特な穀物香があるのですが、へぎそばはつなぎの緑色の海藻の匂いでこれがかき消されてしまいますので。
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