芥川 也寸志(1925〜1989)作曲
弦楽のための三楽章「トリプティーク」より第１楽章Allegro
本曲は大フィル第549回定期演奏会で聴いている。指揮したのはコンサートマスターの
石上さんとは親交のある大山平一郎さん。
同一曲名の作品と言えばオッリ・ムストネン(1967〜)の作品がある。何れも「３」が
作品を解く鍵になっている。何故ならトリプティークとは西洋宗教画における三連
祭壇画と云う意味であるから。ゆえに本来、本曲は３楽章構成である。
芥川也寸志は文豪芥川龍之介の三男であり時として、それは負担にもなったよう
であるが私たちのような草の根レベルの音楽ファンを増やす裾野を広げる活動に務めた
音楽家である。ゆえに極端に前衛的な作品を好まなかった、と云われるが私の耳には
かなり前衛的な作品に映る。強烈な不協和音が繰り返される。この繰り返しと云う手法
は、ゴジラで有名な師匠伊福部昭譲りのもの。しかし、そこには日本土着のものも感じ
られて面白い。もう一つは同時代の作曲家ショスタコーヴィチの影響。とても
リズミカルな作品。Allegroと云う指定に合わせた速い演奏に私も乗せられた。
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