現在の日本では入国者は入国後2週間は隔離下に置かれるのは周知の通り。
出発国の現状によって異なるが、フィリピンからの場合は3日間は政府指定ホテルで強制隔離され、以後は14日目まで自宅隔離になる。
空港からの移動も公共交通機関利用禁止で有効な運転免許のない人に自宅からのお迎えができない場合は隔離専用定額ハイヤーか、ホテル延泊しかない。自分は東京の多摩地区なので2万5000円で帰宅したが、遠方の場合は10万円を軽く越える
自分はちょうど帰国して14日になるので自宅隔離は今日で満了した
自宅にいる期間も野放しというわけではなく、下記のようなタスクがある。
厚労省の健康観察
毎日メールされてくるリンクから健康報告をする。
といっても「体調に異常のある家族はいないか?」「体温が37.5度以上ないか?」の2つの質問に「はい」「いいえ」で答えるだけ。あまり意味はないよね。
GPSによる現在地報告
入国時にダウンロード必須のアプリで報告する。日に何度か通知があり、そのたびにボタンを押してGPS情報を通知する。時間は不定期。
ビデオ通話による在宅確認
毎日、一度電話がかかってくる。時間は不定期。
コンピューターがかけてくる場合は、自分の顔を映して30秒無言で静止していると完了する。
たまに人間が電話してくるので、その際は普通に会話するとともに、先方は背景で在宅を確認する。人間との電話は自分の場合は2回あった。
歯止めとしてだろうが、常時GPSをオンにすることが必須となっていていざとなれば行動履歴をトレースできることになっている。
さ〜て、この仕組みをどう評価するかだよねー
はっきり言ってGPS履歴については端末を家に置いておけばなんとでもなってしまうから歯止めにはならないだろう。
実質的にキモとなる
と
がどれだけ有効に機能するかということだろう。それぞれ毎日あるのだが、
については日に複数回ありそれなりにプレッシャーはある。
でも問題は回答・応答しなかったらどうなるかということ。
自分は基本的に真面目に引きこもっていたが、それでも通知が来たことに気がつかなくてミスったこともある。そんな場合は、実は特に何もペナルティは感じられなかった。
人間が電話してきたときに質問してみたら、「特に何も罰則はないので気にしないでください」とのこと。
いやいや、それじゃダメだよね
せめて成績の悪い人物にはタスクの頻度を増やすとか、人間がずっと電話し続けるとかわかりやすいペナルティつけようよ。
結局、監視されているという心理的なプレッシャーをかけて、自粛の徹底に期待しているというだけのようだ。やっぱり性善説でしかないのね。
オリンピック記者等には隔離期間の短縮とかの緩和がさらに加わっているようだが、監視の基本的考え方は当然同じなのだろう。
自分はイギリス、アメリカ、シンガポール、フィリピンに住んできたが、これらの国々で性善説が機能するとはまったく思えない。
日本の水際作戦はどこまでいっても「ちゃんと仕組みは作っていますよ」という言い訳にしかなっていないように感じている
実効性を無視していることの愚かさは作戦立案機関にもわかっているだろうが、それ以上踏み込まないのね。日本の限界が垣間見えるようで、なんか陰鬱な気分になってしまうなぁ…
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