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2021年07月08日09:22

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『アンサング・シンデレラ』第一シーズン全11話鑑賞致しました

病院薬剤師の主人公が、自身と薬剤部のメンバーを中心として、医師、看護師、外部の薬剤師などの医療に関わる役割の人物との間に起こる問題に向き合っていく。薬剤師法第24条で義務付けられている疑義照会が主要なテーマであり、それを実践する薬剤師の考えや行動と周囲におよぼす影響に焦点が当てられている。

フジテレビの医療ドラマでは、何と申しましても大学医学部の権力闘争とそれに巻き込まれた人々を描いた傑作『白い巨塔』が二度に渡ってドラマ化されているんですが、病院の中で一番偉いのは患者さん、次に医師、次が看護師、そして薬剤師や検査技師と言うヒエラルキーがあるんですが、その下にも清掃スタッフや医療事務者、警備の方々などもあるんです。海外医療ドラマの最前線である『ニュー・アムステルダム』では、第一話から清掃スタッフの方々の仕事の重要性や、医師でありながらも今迄脚光を浴びて来なかった精神医療の方々にも目配りが効いていて時代の流れを感じたのですが、海外医療ドラマの金字塔的存在である『ER 緊急救命室』でも、清掃スタッフに光が当たったのが最終シーズンの最後の方の回でチョロッと描かれた位ですが、嬉しくて涙が出そうになったのを覚えております。

話が横道に逸れましたが、題名にある「アンサング」とは賞賛されないと言う意味での形容詞らしく、縁の下の力持ちである薬剤師の方々の活躍を描いた傑作でありまして、第一話目を観た時から「これは傑作の予感がする」とワクワクしながら観て、11回の放映で一回として駄作・凡作の回はありませんでした。薬学部でバイブルとして愛読されていると言うこの原作がしっかりしている事もあるんでしょうが、同じく縁の下の力持ちを描いた放射線技師を描いた『ラジエーションハウス 放射線科の診断レポート』も傑作でしたが、フジテレビの医療ドラマは、陽の光が当たりにくい方々の現場での戦いを描いていて実に好感が持てます。

今回主役を張っているのは病院薬剤師8年目のベテラン葵みどりを演じている石原さとみ御嬢様なのですが、『恋はDEEPに』がトホホな出来だったのですが、今回の方が1千倍近く(・∀・)イイ!! し、新人の相原くるみ(西野七瀬御嬢様)を指導する第一回目から、最終話では相原が新人を指導する立場になっていて、葵と同じことを新人に行っているのも実に好みの展開。

そして、このドラマには捨てキャラが居なくて殆ど全員が主役の回を持たせて貰っているのも実に(・∀・)イイ!! 第三回目で辰川秀三(迫田孝也さま)が亭主を務める行きつけの中華料理店「娘娘亭」で顔なじみになった小野塚綾(成田凌さま)が郊外にある多角経営型のドラッグストアの薬剤師で
あることが判明し、何でも屋である自分の立場に嫌気が差しているものの生きる為に仕方なくやっている姿や、第四話では同僚の羽倉龍之介(井之脇海さま)が実は高名な医者の息子であった事。第六話では「口でなく手を動かす」がモットーの主任薬剤師、刈谷奈緒子(桜井ユキ姐さん)がかつては大手調剤薬局で副店長迄行って幹部候補生を目前にしながらも「儲け第一主義の薬漬け処方」に嫌気が差して、シングルマザーでありながらも転職していると言う話等、本当に素晴らしいエピソードのてんこ盛りでして、こんな医療ドラマだったら何シーズンでも観ていたいと思わせる程。

そして、葵の先輩であるER付けの薬剤部副部長のると瀬野章吾(田中圭さま)が実に魅力的な役でして、彼を軸にして最後の三話を持って来たのは大正解であります。


この全話の脚本を担当していたのは、黒岩勉先生ですが、現在の日曜劇場の『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』のグダグタぶりが俄かに信じられないのであります




https://www.fujitv.co.jp/unsung/
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