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2021年04月17日15:59

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東京国立近代美術館 常設(プチ企画展は、美術館の春まつり)

あやしい絵展 前期に行った後、常設展も観て来ました。
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時間がなくて、サラっとになっちゃったのが残念。私の観賞ペースでは、1時間であのだだっ広い常設全部観るのは不可能。

↓あやしい絵展 前期の日記はこちら
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978974192&owner_id=429476

写真撮影OKのモノもあるので、写真ありは写真を載せています。

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古賀春江『海』グロリアス・スワンソンの絵葉書が元になってる絵。色んなイメージをコラージュして作る春江さん。今回、その元ネタとなった絵葉書や雑誌記事等の展示もあり、下絵の展示もあったので、見比べるコトが出来て楽しかった。
あと、この絵、確か、丸尾末広氏がこの絵を入れ込んだイラスト描いてたと思う。

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中村弘光『おもいで』奈良の法華寺を建立する際、池に観音が映るのを見た光明皇后。でも、彼女は皇后ではない。現代の尼僧が、皇后を偲んでいる姿になっている。その横には菩薩。菩薩は、皇后を偲ぶ尼僧に慈愛の笑みを向ける。ソフトフォーカスがかかっているようなふわりとしたタッチの絵。

私、中村弘光氏の絵が好きで、結構前にそごう美術館でやった“中村弘光展”にも行ってるんですが(私の日記を遡ると、何処かにレポがある)、今回、中村氏の絵が結構観られて嬉しかった。「お久しぶり!」な絵が沢山。てか、この絵、国近美が持ってたんかい!

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同じく、中村弘光『かきつばた』能の杜若が元ネタ。杜若の精霊が「私は伊勢物語の八橋である」と告げる。色っぽい精霊ですね。紫の衣がセクシー。

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同じく弘光『花下月影』西行の『願わくは花の下にて春死なん〜』という、有名な和歌が元ネタ。でも、この絵では男性ではなく横たわっているのはおっぱい出てる美女だ。美女が両性具有な人達…天界の使者だろうか?…に散華されている。
これ、青木繁の『大穴牟知命』の絵っぽいな…とも思えて、こちらを見る美女の表情も妙にエロいような気がして、あやしい絵展の続きみたい…と思った。この絵は神話の世界ではないけど、幻想的なイメージだしね。
ソフトフォーカスがかかったようなふわりとしたタッチが、更に妖しさを増している。あ、あと、寝転がる美女はラファエル・コランの『フロレアル(花月)』みたいとも思った。

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原田直次郎『騎龍観音』重要文化財。スペクタクルなドラゴンにライドする観音(笑)。龍の絵は犬や鶏をスケッチし描いた。確かに龍の顔が犬っぽいんだよ(笑)。この龍懐きそう…っていう。今は重文だけど、描かれた当時は「サーカスのよう」と不評だった。
私ゃ「ね、絵の評価なんて時代によって変わっちゃうのよ。だから私ゃ、表現モノに点数や優劣を付けるの嫌いなんだ。」と思ってしまう。

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松本俊介『並木道』青い画面。まるでブルーのフィルターを入れたよう。不穏な感じがして、こんなに散歩したくない並木道もねえなと思う。そこが好きなのよ、俊介さん。これもある意味“あやしい絵”。

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間所沙織『女(B)』「ヤッホー!」な顔の女性(よね?)歌舞伎の見得を切っているようにも見える。染色の技法で描いているんだって。迫力がありユーモラス。

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奥田元宋『磐梯』「手前の樹林の表現に1番苦労した」と元宋は言っている。手前の樹林はわざとハッキリ描いていない。ぼやかせて荒涼とする地を表現したんだね。手前がぼやっとしてるので、磐梯山の畏怖すら感じる姿が引き立っている。

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プチ特集はテーマが『春まつり』で、桜の花の絵が沢山あった。跡見さんの色々な桜を描いた桜画帖も美しかった。玉堂の立派な屏風絵もあった。
でも、私が1番心魅かれたのは、やっぱりこれだ。速水御舟『夜梅』。墨の闇夜に白い梅。薄墨の月も出ている。闇夜の白梅は美しくも何処か妖しげで、やはり「あやしい絵展」の続のよう。
御舟って不思議だよね。おそらく本人は写実を描いていて、幻想絵画を描いてるつもりはなかろうに、その絵はどうにも幻想的に見える。そして、何処か心に闇があるのでは…と思え、妖しい。何故だろう?御舟の絵、散々見て来たけれど、私は未だにその理由が分からない。そして、きっとこれからも分からないんだと思う。

プチ特集の『春まつり』は4月11日で終了しています。他は、まだ常設で観られるのかな?『あやしい絵展』は混んでても、こちらはスッキスキで空いているので、是非どうぞ。企画展だけ観るのでは勿体ない。
そして私は、1度常設展だけ観に来た方が良い!お土産に、騎龍観音の絵葉書買ったケド、おそらく、既に持ってると思う(笑)。
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