韓国の「人口問題」、日本以上の深刻さが韓国経済に落とす暗い影
真壁昭夫:法政大学大学院教授
2021.3.9 4:00
韓国の文大統領は、わが国を「重要な隣国」と指摘した。これまで重視してきた反日的な姿勢を弱め、対日関係の修復を目指さなければならないほど、文氏の経済運営は厳しい局面を迎えつつあるようだ。その裏には、日本以上に深刻な韓国の人口問題が垣間見える。(法政大学大学院教授 真壁昭夫)
統計開始以来初めて
韓国の人口が減少へ
韓国統計庁が公表した2020年の韓国の人口統計(速報値)によると、出生数27万2400人に対して、死亡者数は30万5100人。2020年、1970年の統計開始以来初めて、韓国の人口が減少に転じた。
人口減少の要因となっているのは、合計特殊出生率(女性1人が一生に生む子どもの推計数)の低下だ。また、コロナショックによる経済格差の深刻化や経済の二極分化(K字型の景気回復)への懸念もその要因になり得る。それに加えて、韓国の株価や不動産価格の調整も人口の減少に拍車をかける恐れがある。
長期的な視点で考えると、韓国の人口はこのまま減少傾向をたどる可能性があり、わが国以上に厳しい人口問題に直面するとみる経済の専門家もいる。
鮮明化する韓国の
出生率の低下傾向
データの推移を確認すると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の政権発足後、時間の経過とともに出生率は低下している。文氏の経済政策などが出生率低下にどう影響したか冷静な分析が求められるが、文政権が人々にゆとりある暮らしを提供することが難しい状況が続きそうだ。
韓国の人口問題の現状を把握するために、まずは時系列でデータを確認していこう。
2001〜2005年までの5年間、および2006〜2010年までの5年間、それぞれの韓国の平均出生率は「1.19」だった。2011〜2015年までの5年間の平均出生率は「1.23」に上昇した。
しかし、2016〜2020年までの5年間の平均出生率は「0.99」へと低下した。文政権が発足して以降の出生率は、2017年が「1.05」、2018年が「0.98」、2019年が「0.92」、2020年が「0.84」だ。わが国の出生率(2019年で1.36)と比べても、韓国の出生率低下のペースは深刻となっている。
それに加えて、韓国では高齢化問題も深刻だ。「高齢化社会」(人口の7%が65歳以上)から「高齢社会」(人口の14%が65歳以上)への移行に要した期間は、わが国で24年だった。それに対して韓国は18年と、急速に高齢化が進んでいる。韓国の出生率低下は、高齢化も加速させているのだ。
韓国では高齢者の生活環境が厳しい。OECD(経済協力開発機構)のデータによると、2018年、韓国の66歳以上の世代の相対的貧困率(所得が中央値の半分に満たない人の割合)は、43.4%だった。同年のデータが取得できるOECD加盟国の中で、その水準は最高だ。
韓国において出生率の低下が加速化していること、そして、高齢者がゆとりある生活を目指すことが難しいことが、以上のデータから確認できる。
そのため、若年層など現役世代は将来への不安、予備的動機(将来の予期せぬ事態に備えて、予備的に貨幣を保有すること)を強める傾向にあると考えられる。子どもを育てつつ自らのキャリアを追求することが難しいと感じる若年層も増えているようだ。
文政権下では、そうした社会心理は一段と強くなり、その結果として出生率が低下し、人口の減少と高齢化に拍車がかかっているようにみえる。
韓国の少子化と
人口減少の背景
米国を中心に世界的な低金利環境が続くとの見方は多い中、文政権の不動産政策は、マンションなど住宅価格の上昇を食い止めることができていない。短期的に、首都圏の住宅価格はさらに上昇する可能性がある。
また、文政権は、規制の強化に加えて、首都圏を中心に住宅供給を増やしているが、その政策は首都圏への人口集中加速をサポートし、住宅価格にはさらなる上昇圧力がかかりやすい。
文政権はシニア世代からの支持の獲得を目指して、高齢者の短期雇用を強化した。高齢者の生活を支えるためであるが、こうした文政権の雇用政策も将来への不安を高める要因となっている。
北朝鮮との融和政策に関しても、朝鮮動乱によって家族離散に直面した世代からの支持を得る狙いがあるようだが、高齢者や労働組合など、すでに資産や職を持つ層を重視した政策が進められた結果、若年層の雇用や所得機会の向上が難しくなっている。一方で、「人口減少問題を解消するために北朝鮮との融和が重視されている」と指摘する韓国経済の専門家もいるほどだ。
また、韓国経済全体で債務残高が増えている。国際決済銀行(BIS)のデータによると、2020年9月時点で韓国の家計等の債務残高はGDPに対して101.1%に達した。金融を除く民間部門の債務残高は同211.6%だ。不動産価格が高騰し、雇用や所得の環境は厳しい。その中で、債務に依存して日々の生活を送ろうとする人は増えている。
ある意味、文政権の経済政策は、既得権益を持つ層がさらに富み、そうではない人々の生活環境の厳しさが増す状況に、追い打ちをかけているように見える。
それに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大によって人々の自己防衛本能が高まっていることも、韓国の出生率低下の一因だろう。
人口減少への懸念と
今後の韓国経済の展開
韓国では、世界的な株価上昇に影響されて、株式取引にのめりこむ20代、30代が増えているといわれている。
韓国株に加えて、テスラなどの海外株に手を伸ばす人も出始めたようだ。その背景には、世界的な「カネ余り」環境の継続観測と、新型コロナに対するワクチン接種による世界経済の正常化への期待に加えて、株式市場のボラティリティー(株価の変動性)の上昇が、利得確保のチャンスをもたらしているとの見方がある。
こうした状況下、韓国では、自分が不確定な要素を支配できるという「コントロール・イリュージョン」の心理に浸る個人投資家が増えているように見える。
短期的に、韓国をはじめ世界の株価には上昇余地があるだろう。しかし、その状況が長く続くことは考えられない。どこかで株価は調整する。調整圧力が大きくなれば、家計を中心に経済全体でバランスシート調整が進み、次第に不良債権問題が顕在化する恐れがある。
その展開が鮮明となれば、韓国経済にはかなりの下押し圧力がかかり、資金は海外に流出するだろう。経済環境が大きく混乱すると、人々の不安心理は強まり、出生率には下押し圧力がかかる。
また、韓国企業の競争力にも不安がある。韓国企業は中国企業から追い上げられている。韓国企業にとって、中長期の視点で産業を育成し、米中などから必要とされる製造技術を蓄積することは容易ではない。
文政権は先行きへの不安が高まりやすい状況をどう改善するか、有効な対策を見いだせずにいるとみられる。
足元、文大統領はわが国を「重要な隣国」と指摘した。これまで重視してきた反日的な姿勢を弱め、対日関係の修復を目指すことによって自国経済の安定感の向上を目指さなければならないほど、文氏の経済運営は厳しい局面を迎えつつあるようだ。
https://diamond.jp/articles/-/264882
日本の1.36(19年)と比べても大幅に低い数値のなっていますw
>ある意味、文政権の経済政策は、既得権益を持つ層がさらに富み、そうではない人々の生活環境の厳しさが増す状況に、追い打ちをかけているように見える。
若年層が苦境に立たされていると言う事です^^;
雇用不安で非正規職が多く、正社員になりにくく、就職浪人も多いのが韓国の現状です。
1人で生きるのに手一杯で、子育てどころか、結婚も夢のまた夢です。
>不動産価格が高騰し、雇用や所得の環境は厳しい。その中で、債務に依存して日々の生活を送ろうとする人は増えている。
韓国では、住宅を賃貸にする場合、住宅価格の数十%の金額を敷金にして部屋を借り、家主はその利息を収益にし、元金は退去時に返す習慣があります。
若年層で捻出するのは相当難しいので、家族や銀行で借りる事になりますが、数百万円単位なので、不動産価格が高騰すれば、借金が膨らみ、結婚資金の蓄えなんて絶望的です。
失業も不動産の高騰も全てムントラの失策ですw
こんな国とバイデンは協力関係を築く様、日本に強要してますが、無理だよ〜^^;
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