夫婦別姓賛成の多くが根本的に間違っているのは、民法の夫婦同姓の規定は「違憲ではない」ということ。これらは単に「現行法では希望に則してない」というだけだ。
だからこそ「違憲と訴える」のではなく「改憲を求める」べきだ。
だが、以前から訴えている人達と同様、今回も我儘感が拭えない。
■夫の事情が分からない
最初に思うのは、何故『夫の谷性にしなければいけないのか』ということ。
記事には全くといって良いほど夫側の姓に対する考えや価値観が書いてない。
夫側にも理由があるのかも知れないが、それを書かなければ『妻程に拘る理由はない』と判断し、単純に「夫が婿入りする形で吉井姓にすればいいだけ」で終わる話だ。実際に形は婿でも夫側の親と同居する人も居る。何故それをしないのか。
■「○○家」とは何なのか
＞幼い頃から「女の子しかいないから、『吉井』が途絶えてしまうのは残念だ」と言われていた。
＞「お父さんっ子だった」吉井さん。幼いころ、広島にある一族の墓に家族でお参りした記憶がある。吉井家の歴史を受け継いでいきたいと思っていた。
要は「お父さんが残念がってたから」のようだが、彼女にとって『吉井家』とは何なのか。お父さんは単に「吉井」という姓を使っていれば良いと思っているのだろうか？
名字を継ぐ、つまり『家を継ぐ』という意味は複雑で意味合いが難しく、短文で明確には書けないが、いくつか大きく分けてみた。
�� 実家を継ぐ（家業を継ぐ）
�� 実家を継ぐ（先祖代々の土地や建物、墓などを守る）
�� ○○家を継ぐ（家族という集団を作り、そういった営みを守り家名を継いでいく）
彼女のお父さんの経歴からして��,�△呂覆�、��に近いものと推測はできる。
個人的にはお父さんが戦時経験者の年代とのことからも「家が途絶える」というのは、お父さんが自分がしてきた事と同じように「吉井家に嫁入り（婿入り）させ、吉井家という家族の集団で営みを守りながら家名を残すことができない」ということだと思う。
何故なら、昔は子を成して家族を増やし、お互いを助け合わなければ生きることが大変な世の中だったからだ。そしてそれが当然の時代だったからだ。
そうであれば彼女はお父さんの意思を理解してないことになる。
もしお父さんが「ただ家名がどんな形でも残れば良い」と考えているなら、逆に『貴方にとって家名とは何ですか？そんな形式上の名残でいいのですか？』と聞きたくなる。彼女にしても別に「吉井家」に拘ってるのではなく、あくまでも「お父さんの願いだから叶えたい」だけでしかない。非常に軽い。
また彼女はこうも言っている。
＞名字が変わると、それまでに自分が書いた論文が認知されなくなることを恐れた
名前が違うからと他人からは同一人物と思われないかもしれないが、名字が変わろうが自分が書いた論文には違いはない。もし論文について今後も関わる事があるのであれば堂々と理由を述べ本人であると主張すればよい。またこう言っては何だが、赤の他人の目が気になる程に立派な論文なのか？それも「吉井○○」と必ず紐づけされなければ納得できない程の。もしそこまで重要な論文なら記事内に多少でも紹介があるだろうに。
どうあれ、彼女は「吉井家の歴史を受け継ぎたい」と言っている。
戦時中の事であれば過去帳も紛失しているだろうし、歴史といっても父親から聞いた話くらいしかないだろう。何をどう受け継いでいくのか、そこが重要視されてなく、理由として非常に軽く思える。
確かに家の概念自体が古い生活様式を基に考えられている。だが現代の生活に合わせた変遷を求めるなら、婚姻制度からファミリーネームとして定着した名字の意味を含めた「どうあるべきか」も考えて変えていくべきだ。
■選択の結果、そして身勝手
＞事実婚も考えたが、親類の反対や税制上の不利益も考え、法律婚を選んだ。
結局は現行法の中で選択の結果、メリットの多い方を選択しただけ。
だからこそ違憲と叫ぶのではなく、「こう改善できないか」と改憲を訴えるべきだ。
＞長女は通称として吉井姓で育てることにした。「きょうだいで名字が違ったら、かわいそう」という周囲の声もあったが、「やってみないとわからない」と思った。
これこそ随分と身勝手な理由だ。もっと明確な根拠や考えがあるかと思えば、一か八かの賭けのごとき理由で辟易する。本当に家族や「吉井家」というものが大切なのか疑問に思えてくる。ここまで至るに彼女は「彼女中心の理由」でしか行動してない。
■長女の訴え？
＞9歳になる吉井さんの長女は「結婚したら相手と相談して名字を決めたい」と話している。
9歳相手に随分と刷り込ませたものだ。では幼い彼女にとって名字とは何なのか。母親のような理由もないのに、何に拘ってそう主張するのか。
ということは母親の希望する「吉井家を受け継ぐ」はここで途絶える可能性が高い。
何故なら、前述したように幼い彼女に名字に拘る理由がなく、吉井家を受け継ぎたいという意思を持っているのは母親であって「相手と相談して名字を決める」と明言までしているからだ。
場合によっては「吉井家」は母親の1世代のみ延命して終わる。
もし母親が本当に「吉井家を受け継ぐ」ことを優先させるなら、子供に「吉井と言う姓にしなさい」と強要するか洗脳させるか同情を誘い選択させなければならない。しかも歴史を受け継ぐという役割もやらせなければならない。
＞長女が自由に選択できるためにも、選択的夫婦別姓が認められるようになってほしい。吉井さんと谷さんはそう願っている。
長女に自由に選択させたいのか、吉井家の歴史を受け継がせるために自由を奪うのか。
ここまで書いて分かるように、やはり「吉井さん」の主張は、あくまでも『自分本位』でしかない。
■夫婦別姓制度は女性差別と関係ない
＞8日の「国際女性デー」を前に、民法の夫婦同姓の規定が違憲と訴えた。
＞夫婦同姓が法律で定められているのは日本のみとされる。国連の女子差別撤廃委員会は法改正するよう勧告している。
最初から最後まで、ちょいちょい差し込んできているこれらの文章。
だが、婚姻制度で「女性が嫁ぎ、男性の姓にしなければならない」このような文言はないし、実際に男女平等に、どちらかの姓を選択できるようになっている。
どこにも女性差別などないし、夫婦別姓制度が解決にもならない。国連の女子差別撤廃委員会とやらがどれだけ無知蒙昧であるか分かる。
現実として女性が姓を変える率が高いのであれば、それはそう選択した結果で望まれてそうなっているだけだ。やむを得ず嫁入りすることが多いというのであれば、それは夫婦別姓制度が必要なのではない。
変わってきている現代の婚姻の意味や制度（家などの概念を含む）、それらを現代に合わせてどうあるべきかをまず考え、それらの意識を皆で共有することで作り上げていくべきだ。そうでなければ夫婦別姓選択制にしたところで、「我が家に嫁入りし、我が家の姓を選択しろ」と変わるだけで根本的解決にはならない。
ここにおける夫婦別姓は、そういった現代における問題に目を背けた「臭い物に蓋」という、その世代のその場限りの取り繕いでしかない。
■姓違っても「絆薄まらず」 ペーパー離婚した夫婦の訴え
(朝日新聞デジタル - 03月06日 16:16)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6436235
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