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2021年02月20日23:49

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海辺の街で〜Tさんのこと〜。

2月20日(土)。

ひつこいようだがTさんのことを少し。

Tさんのそれまではここに。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978258381&owner_id=42625996

ボクが目黒を引き払う時に彼女に聞いた。
「どうする?」
「どうしようかなあ」
今、思い返しても不思議だが、彼女がどこに住んでいたのか思い出せないのだ、本当に知らなかったのかもしれない。
友達のアパートに行けば彼女はそこにいて、寝ながら世間話をすると言う毎日。
彼女が自分のアパートがあるなんて思いもしない。
フォト


ボクは話のついでに「ウチの街においでよ」と誘ったかもしれない。
彼女はウンと言った。
そして彼女は本当に大阪から友達のトラックでやって来た。
湘南の海辺の街へ。
トラックに布団とその頃珍しいイケアの白木の机を積んで。 
4畳半の部屋が広く見えるぐらいの小さな荷物だ。
彼女は画家になるのを辞めて漫画家になるのだと言う。 

その小さな部屋で彼女が本当に漫画を描いていたのかは知らない。
何を食べていたのか、彼女の暮らしぶりは知らない。
ボクは仕事の帰りに週に二回ぐらい顔を出した。
そして、駅前の焼き鳥屋に呑みに行った。
呑むと彼女は泣いた。
早くして亡くなった自分の両親を思って泣いた。
それは毎回では無かったが、道路にうつ伏せになって泣いた。

一度、シラフの時に彼女の裸を見た。
それ以上は何も無かった。
深作欣二「仁義なき戦い 広島死闘編」で梶芽衣子が酔った勢いで自分の目許に北大路欣也にキスをせがんだが、そうなることは無かった。
海辺の街に彼女はどのくらいいただろう。
いつの間にか彼女はそのアパートを引き払っていた。

その頃彼女の隣の部屋から流れていた曲。

フォト



https://youtu.be/M2NcTLbuqyk

ネットで検索すると彼女は漫画家ではなく映画作家として名を成しているらしい。
レズビアン映画祭を主宰しているようだ。





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