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2021年02月19日09:39

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ラクサンポ185

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。
川口が町を歩きながら、独り言。
「一応、三浦さんの件は一段落ついたようだ。後、森井さんが経営サイドに掛け合ってもらうことにしたから。人の世話を焼くのに疲れてきたよ。俺自身も相談したいよ。このまま、この仕事を続けていても、いいのかな。緊急事態宣言が出て、不要不急の外出をしないはずなのに、人出は変わらないな。今日行くところと今日やることがあるから、みんな外にいるんだろうな」

カップルが川口を追い越して行った。
若い男
「コロナ自粛だって、俺、外に出るぞ。三密になるなっていうけどさあ。俺、毎日、だれかと夜、遊び回っているよ」

若い女
「それでも、あんた、陰性でしょう。この前、検査、受けたらさあ」

若い男
「運がいいだけさ。ちゃんとマスクしているから、大丈夫さ。それより、みんなに会えなくなる方が辛いよ。お前もいるしな」

若い女
「何言ってんの。あたし、そろそろ疲れたから、家に帰るわ。最近、バイト減ってさあ、収入が減ってたんだもの」

若い男
「俺も同じだ。バイト探さないと、マジ、借金、返せなくなるよ」

川口
「みんな、けっこう、苦労しているんだな」



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