東京２３区下克上

他県の方々にはあまり意識されていない事実に、東京特別区（東京２３区）（註）の序列があります。
東京府と東京市が廃止されて東京都になったのが昭和１８年。
東京市だった場所が区分けされて東京特別区になり、そのときからずっとなのかどうかはわかりませんが、もうずいぶん前から東京特別区が列記されるときには、必ず次の序列に拠っています。序列の根拠は不明です。

１位．千代田区
２位．中央区
３位．港区
４位．新宿区
５位．文京区
６位．台東区
７位．江東区
８位．墨田区
９位．品川区
１０位．目黒区
１１位．大田区
１２位．世田谷区
１３位．渋谷区
１４位．中野区
１５位．杉並区
１６位．豊島区
１７位．北区
１８位．荒川区
１９位．板橋区
２０位．練馬区
２１位．足立区
２２位．葛飾区
２３位．江戸川区

９０歳以上の方に伺いたいのですが、昭和２２年に大森区が蒲田区を合併して大田区になったときにはどうなったのでしょうね。

さて、このような序列の東京２３区ですが、このたびの新型コロナウィルス感染者の数ではずいぶん下克上がおきています。以下の人数は昨日２月１日時点での感染者数、括弧内は各区の今年１月１日時点での人口です。

１位世田谷区７５３６人（941,985人）
２位新宿区６１８５人（346,467人）
３位大田区５２５５人（738,754人）
４位足立区４７６９人（683,069人）
５位練馬区４３０３人（743,316人）
６位杉並区４１０７人（584,856人）
７位江戸川区３８５３人（691,841人）
８位板橋区３６８３人（582,558人）
９位港区３５７６人（258,415人）
１０位中野区３４８１人（341,694人）
１１位江東区３２７９人（523,678人 ）
１２位品川区３０３３人（416,492人）
１３位渋谷区３０１４人（235,496人）
１４位葛飾区２８９８人（454,114人）
１５位目黒区２８６１人（287,538人 ）
１６位豊島区２４３４人（298,239人）
１７位北区２２０４人（353,675人）
１８位墨田区１９４４人（270,978人）
１９位台東区１９３５人（210,460人）
２０位中央区１７３１人（170,016人）
２１位荒川区１５９１人（218,164人）
２２位文京区１５９０人（236,296人）
２３位千代田区５５５人（67,165人 ）

正規の序列では２０位と２１位の練馬区と我が足立区が、感染者数では足立区が４位、練馬区が５位になったのは痛快々々。

巨大人口を抱え、平均年齢も高い世田谷区が１位になったのは妥当だと思います。

他県の皆様には新宿区が１位ではないのが意外ですか。「新宿区といえば歌舞伎町、歌舞伎町といえばコロナ。新宿区民はみんな新型コロナ患者」と思っていた人も多いのではないでしょうか。実は五百数十人に一人なのですよ。

割合で一番高いのは中野区でしょうか。それでも百人に一人です。銀座を抱える中央区と同じくらいですね。

普段は何かと足立区と張り合って対抗しようとする葛飾区は、昨年夏までは足立区と五十歩百歩でしたが、昨秋からどんどん引き離されて、今では１４位に引き離されてしまいました。悔しいでしょうね。

日本一の歓楽街「吉原」がある台東区は意外に少ない感染者数に抑え込んでいます。区の行政指導もあるのでしょうが、業者側に台東区民が少ないこともあるのでしょう。

千代田区は情けないです。
普段の序列では「我こそが東京でゴザイ」といった顔で威張り散らしている風ですが、東京都の１０万余の感染者の２０分の１しか引き受けていません。ごく僅かな人口なので中々増えないのかもしれませんが、トップスリーの分をもう少し引き受けても良いのにと思います。

「千代田区ロックダウン」ということになれば、菅義偉や国会議員たちはどこで仕事をするのでしょう。

そうなれば、思い切って千葉県の松戸市あたりに首相官邸と国会議事堂を移転してみてはどうでしょう。広い土地はありますよ。

註
東京特別区は、基本的には「市・町・村」に準ずるものとされ（地方自治法第２８1条の2第２項・第２８３条）、一般の「市」の所掌する行政事務に準じた行政権限が付与されています。

しかし、下水道・消防などの事務に関しては単独で行うことができず、特別区の連合体としての「都」が行っています。

東京都はこれらの規定に基づき、東京都水道局、東京都下水道局、東京消防庁などを設置しています。また、国の行政機関や各省大臣が助言や勧告を行うことができる「市・町・村」とは異なり、特別区の運営について助言及び勧告をすることができるのは都知事のみです。