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2021年01月31日15:01

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時間とは……

時間とは優しいものです。

私の姉は9月4日生まれでした。

姉が亡くなったのが、私が11歳のとき
もう私が44歳なので、それから3倍生きたことになります。
33年。
父は84歳、母も80歳になりました。

昨年の9月4日。僕が自動車を買って、機嫌よく父に自慢がてら、両親を乗せて夜のドライブに出かけました。
初の高速に乗って、インター一つぶんだけはしって、そこから帰ってくる途中の喫茶店に入りました。

姉の誕生日なので、お祝いに4人分のアイスコーヒーとケーキを注文しました。

持ってこられたアイスコーヒーとケーキを見て、父と母が「なんで一個多いの?」と。
『いや、おねえちゃんの誕生日だよ』
「おねえちゃんって、優美(私の娘)って今日が誕生日だった?」
『いや、おねえちゃんだよ。淳子姉ちゃんだよ』
「ん?潤子さん(私の妻)、今日がお誕生日だった」
『いや、僕のお姉ちゃん!あなたたちに、娘がおったやろ』
「……ああ、淳子かあ。今日だったか」


私が小学生、中学生のころは、9月4日に私が学校から帰ってくると、母は山ほど花を買ってきて仏壇を飾り、その隣には真っ黒なオーラをまとった母が、姉が生まれてから死ぬまで何日生きられたのか数えていたり、姉のアルバムをうず高く積み上げて必死で見ていたりしていました。

しかし、その日その後の話題は、孫の話ばかり。
姉の誕生日のケーキということさえ気づいていないようにさえ見えました。
子を失うという耐え難い苦悩も、時間が洗い流してくれたのか…
あるいは両親も80歳を超え、むしろ姉のいる世のほうが身近になりつつあるのか…
そんなことを思いながら、ケーキを食べました。

娘を失った両親に、同じジュンコという名の嫁が来てくれました。
そして、5人の孫を授けてくれました。
そうこうしているうちに、両親には過去よりも現在と未来への期待のほうが重要になっていったのかなとも思います。

いろいろな出来事があったけど、時間って優しいな
そんなことを思いました。
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