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2020年12月22日00:09

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日曜は……

 今日は朝から映画。

 まずは、Kinoシネマみなとみらいで、
 「日本独立」

 これは、第二次大戦直後に日本の主権回復を目指してアメリカと渡り合った吉田茂と白洲次郎を活写した人間ドラマ。
 監督は、「ロストクライム −閃光−」の伊藤俊也。

 昭和20年8月15日、太平洋戦争敗戦の後、日本はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の管理下に置かれ、8月30日には最高司令官マッカーサー元帥が厚木に降り立った。
 正装の昭和天皇とラフな姿のマッカーサーが並んだ写真が新聞一面を飾り、人々は敗戦の事実に改めて衝撃を受けた。
 GHQの力は絶対的で、日本の民主化と非武装化を求めて占領政策に着手。マッカーサーは民主的な憲法案を出させるべく、元首相で公爵の近衛文麿に憲法改正を勧めた。そんな中、外務大臣・吉田茂はGHQとの交渉役である終戦連絡事務局の仕事を任せる為、甥である白州次郎を呼び出すが……

 この映画、戦後日本の主権回復に尽力した吉田茂と白洲次郎の物語……と思わせるが、映画は日本国憲法の制定までの中心に描く。
 憲法制定までの流れは概ね史実通りではあるが、日本国憲法を、「アメリカから押しつけられた」、しかも「素人がやっつけ仕事で作り上げた」と言う偏見で描き、アメリカの占領政策を、戦前の日本との連続性を奪い、日本を属国化するものとする、日本の一部保守層の考えに基づく解釈で描いている。
 勿論、思想と表現の自由がある以上、そんな理解に基づく映画があってもいい。だが、この映画は、何とも表面的で薄っぺらい……それはアメリカ側の描写に顕著で、それ故に、アメリカの占領政策と、憲法案の作成経緯が嘘っぽく見えてしまうのだ。これが真実だ、と言うならば、その背景を含め説得力を持たせる描写をすべきだろう。また、「憲法学者でなく、素人が作った」と言うのを、若い女性がスタッフだったから、と言う描写で表現するのは、それ自体が問題視されかねないだろう。 

 その一方で、映画「ウィンストン・チャーチル」で特殊メイクによりチャーチルに扮したゲイリー・オールドマン同様、小林薫が特殊メイクで吉田茂そのままになっているのは見物だし、何よりも奥歯にものが挟まったような曖昧な物言いの多い日本映画で、ここまで監督の思想を出して来る覚悟にも感心する。
 しかしながら、その偏向ぶりはいささか極端で、上映が東京23区内で1館、神奈川県内1館、と言う上映規模の少なさなのは、その辺に原因があるのかも知れない。

 映画の後、今日の昼は焼き肉食べたい……昨日の「だれか私をくいとめて」で、のんちゃんが食べていたようにひとり焼き肉だ。
 フォト
 はい、そう言う訳でひとり焼き肉。

 昼食の後、次はブルク13で、
 「約束のネバーランド」

 これは、白井カイウ&出水ぽすか原作の同題の人気コミックを浜辺美波主演で映画化したもの。
 監督は「記憶屋 あなたを忘れない」の平川雄一朗。

 グレイス=フィールドハウス孤児院に暮らす孤児たちは、みんなが“ママ”と慕う寮母のイザベラの下、里親に引き取られる年齢になる日を待っていた。
 その中でも年長で、15歳になるエマとノーマンは、ある日、里親が決まり孤児院を後にするコニーの忘れ物を届けるため、「決して近づいてはいけない」と言われていた、外界に通じる孤児院の門に向かう。そこで2人は、衝撃的な事実を知る事になる……

 原作コミックは未読。設定から「わたしを離さないで」のようなものをイメージしていましたが、原作コミックの冒頭部分を映画化した本作は、孤児院からの脱走劇と言う、まるで「大脱走」のようなサスペンス。
 脱走計画を練り、ひそかに準備をし……内通者による情報収集や、相手の裏をかく工作の数々など、頭脳戦を見せる展開はなかなか面白い――まぁ、この辺は原作の良い点が引き継がれているのだろうが。
 その一方で、これは平川雄一朗の悪癖である、感動の強要には白けてしまう……泣かせる事を狙ったシーンは執拗に長く、煩いほどに音楽でも盛り上げようとするのには正直うんざりさせられるし、如何に感動的なエピソードでも、逃亡劇の最中に、追う側と逃げる側が延々会話をする、と言う展開も理解し難い……まぁ、少年コミックの映画化で、観客年齢層的にも全部台詞で解説しなければ判らないだろう、と考えたのかも知れないけれど、これはさすがにやり過ぎてはないだろうか。
 また、あの規模の孤児院で、食事から掃除・洗濯まで、ママひとりで面倒を見ている、と言う設定や、クライマックスにおけるロープをハンガーで滑り降りるシーンのロープの緩すぎる張り具合など、リアリティに欠けるシーンが散見されたのも残念。

 あと、原作では上限が12歳だった子供たちの年齢を15歳に引き上げたのは、浜辺美波にエマを演じさせる為だろうが……小柄で細くても、さすがに浜辺美波は15歳には見えない。顔立ちはもう大人の女だから。
 その一方で、レイを演じた城桧吏も15歳には見えない――こちらは撮影時13歳。演技も台詞棒読みに近く、複雑な内面のあるレイを演じるには力不足ではないだろうか?

 舞台設定はなかなかよく、様々な人種の子供たちを集めて、原作世界をかなり上手く再現をしているように思うのだが、その足を引っ張る描写が多過ぎる印象。
 コミック実写化映画の悪い部分が多く出てしまった印象だ。

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