欧州コロナ通信 第417回 2020年10月17日
ドイツの新規感染者数は、昨日1日で7830人。来週は8000人台になるかもしれない。再来週は9000人台?
今年3月の第1波を超える、急激な感染拡大だ。
実効再生産数(R)も、1.22とかなり高い。
ただし1日の死者数は20人前後。今年3月に比べると、10分の1。集中治療室のベッドは約8000床が空いている。
ドイツの直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は、フランスやチェコなど周辺国に比べて低い。
政府は、今後徐々に感染防止策を厳しくするだろう。全国的なロックダウンを避けるためには、対策を取らざるを得ない。
だが最近の数字は、政府の感染拡大策に限界があることを示唆している。自然の猛威の前に、人間は弱い。
人類は火星に探索機を送って、その映像を遅らせることはできるが、地球上での目に見えない病原体の封じ込めはできない。
中世にペストが流行した時には、ワクチンも治療薬もなかった。人々は外出や他人との接触を避け、家に籠って疫病が去るのを待つしかなかった。Covid-19はペストほどの致死性はないが、60歳以上の市民、持病がある市民には大きな脅威である。
今年の暮れは、冬眠の時期だ。
今年のクリスマスは、過去半世紀でもっとも静かなクリスマスになるだろう。
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