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2020年09月25日22:22

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満ち足りた町

今日はイオンシネマ板橋で「人数の町」を観てきました。

監督:荒木伸二

配役(役名):中村倫也(蒼山哲也)、石橋静河(木村紅子)、立花恵理(末永緑)、山中聡(ポール)他。

CMやMVの監督を手掛ける荒木伸二が初の長編映画を自ら脚本を作りメガホンを取った作品です。

主人公の哲也は借金取りから暴行されているところを黄色いつなぎを着た男に助けられ、男は寝床もない哲也に泊まる場所を提供すると言われてバスで諸々の施設が整った街へ連れて来られます。
何やら書面に署名をし、首筋にチップを埋め込まれた哲也は巨大なマンションのような施設で暮らすことになります。
収容されている者たちは皆、食い詰めた者や問題を起こして失踪した事にされて連れて来られた人間ばかりで、彼らは「デュード」と呼ばれていました。

端末でガイダンス通りの操作をすれば食料が得られ、町での過ごし方は各自の部屋に置かれているバイブルに書かれていて、施設では男女が快楽を求めるのは自由ながら妊娠出産、家族を持つことを禁じられていました。

哲也は中年のデュードにそそのかされて施設を囲っているフェンスの外に出ますが、奇妙な音楽による爆音が頭に響き脱出不可能であることを知ります。

その頃、一般人の紅子は妹の緑とその娘の緑が失踪した事を気にかけていましたが、TVのニュースでライブハウスでのテロ事件に巻き込まれている映像を見て、入院先の病院に行きますが、受付では軽症で既に退院したと告げられますが、病院を訪れた謎の男に緑の収容先を案内され、書面に署名をしてチップを埋め込まれて施設にに入所します。

紅子は緑と再会しますが、緑の態度は冷淡でした。
緑は娘の桃とは引き離され快楽に溺れた生活を送っていました。
紅子は緑を連れ戻そうとしますが、緑は衣食住が保証されている施設から出る気はなく、紅子を突き放します。
そんな紅子を哲也は気になって仕方がありませんでした。

哲也は紅子と桃を連れての脱出を試みますが失敗に終わり、車に乗った施設の女に保護されます。
女はデュードたちを「町の人数」と称しています。
哲也は女を運転席から放り出して逃走を図ります。

紅子は住んでいた部屋に行きますが、そこは他人が住んでいて役所へ行くと戸籍がなくなっていて何もできない状況に陥ります。
紅子は妊娠していて激痛に見舞われ、鉄也は紅子を病院へ連れて行きますが、「チューと」と呼ばれる施設の職員が現れます。
哲也はチュートに自活したいと訴え、チュートはその場を去ります。

そして、哲也は自らがチュートとなり施設職員として働き、紅子と桃の3人による生活を始め、デュードの若い男に、この町で生きて行く覚悟を諭すのでした。

世の中からはみ出して自活の道が絶たれた人間を強制収容し、衣食住が保証された町で飼育でもするかのように保護する施設を舞台にした話です。
収容者は全て管理されていますが、元の暮らしに戻りたくなくなる程、施設での生活に慣れ親しんでゆきます。
管理社会・監視社会への警鐘なのかは分りませんが、貧困化して抜け出せなくなったり、世の中からはみ出してしまった人たちの行き先をどうするかをこんな形で描いてみたのかもしれません。

公式サイトURL
https://www.ninzunomachi.jp


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