中山道広重美術館で展示している「木曽海道六拾九次之内」を観てきました。
https://hiroshige-ena.jp/
歌川広重の有名な「東海道五十三次」と同じく、こちらは中山道に69あった宿場を一通り描くという趣向で、絵師は渓斎英泉と広重の二人。当初は英泉が務めていたものの途中で手を引き、後を広重が受け持っています。
前述の「東海道五十三次」は東海道の宿場数53に起点の日本橋と終点の京を加えた55枚で一揃いなのに対して、「木曽海道六拾九次之内」(題名はなぜか街道ではなく海道) は69の宿場に起点の日本橋を足した70枚一組となってます。
特殊なのは中津川宿。この宿場だけ、全く異なる2つの版が存在してるんですね (画像1, 2)。雨中の風景を描いたほうは、世界的にみても現存数がかなり少ないのだとか。嬉しいことに、本展覧会では両方とも見られます。
あと、永らく高崎線ユーザーだった私としては、浦和、大宮、上尾 (画像3)、鴻巣といった宿が絵になっているのが、やはり目を引きました。これはもう、出来栄え云々ではなく。(笑)
正直いうと、「木曽海道〜」のことは最近まで知りませんでした。街道の風景モノのいえば広重の「東海道五十三次」、その中でも特に保永堂版が有名で、頻繁に展示会が開かれますが、木曽海道はあまり取り上げられません。存在を知るきっかけとなったついでに全揃い鑑賞できるとは、貴重な機会となりました。
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