近隣国の動きもキナ臭いや…

自分が学生の頃から社会に出た頃に言われていたのは『欧州で発明されて、アメリカが産業にする』という事でした。科学でも文化でも、そのオリジナルはイギリスやドイツであって、それを産業に興すのがうまいのはアメリカだということだ。それに対して出遅れたソ連（当時）は戦利品としてドイツから取り込んだ技術の模倣で産業を起こした。特に重工業は軍事はドイツ人技術者無しには成立しなかったんだろう。その点で朝鮮戦争で米軍を翻弄したミグ15はイギリス製エンジンのコピーとドイツ人の機体設計でできと言われている。
最近は韓国がこのやり方を踏襲した。最初は日本のプラスチックの射出形成でザルなんかを作っていた。ザルの目を作れないからって金型と射出形成機を元請けに買ってもらった。一日八時間働いて、元請けに出荷したら夜中にも機械を動かしてオリジナルの名札を付けて格安で売り出した（設備はかからないもんね）。やがてアメリカの下請けとしてPCやiPhoneの組み立てを受けるようになった時も同じ構造だ。生産設備は発注者持ちだ。夜はそっくりさんを作ってオリジナルスマホを売り出した。それが韓国製のスマホたちだった。手に負えない技術的な問題は、日本人を土日だけ呼び寄せて対応した。当時羽田空港は韓国便だけがチャーター扱いで飛んで、金曜の夜出発、日曜日夜着は満席だった。
そのちょっと前になるけど、アメリカに行くと1970年代に流行った角形のマツダファミリアがいっぱい走っていた。最初は古い車がいっぱいいると思っていたけど、メーカーはKiaだった。これは韓国のKiaがマツダから生産工場から金型までまとめて買って韓国で作った車だった。最近、日本で売り出そうとしている現代自動車の高級車ジェネシスは三菱自動車のデボネアの生産設備を移設した移民車だ。
これを中国も始めて、世界の生産工場として名乗りを上げた。中共は単体での進出を許さないで、合弁会社の形をとる。ひとつは共産主義経済だから、生産設備は国民共有の財産だというのが大義名分。利益を丸ごと本国に移転させない深謀遠慮だと思う。ここも下請け仕事でノウハウと生産設備を手に入れて、やがて自前の利益を得ようという計画に見える。
でも、オリジナルの技術を持たないと、現在の製品が一区切りついた後で次の製品を作れなくなっちゃう。いつまでも後追いになっちゃうね。どっかの国みたいに、当面稼いだ金で浮かれまわっているとやがてジリ貧になるのは目に見えている。
韓国と中共で注目しているのは人口動態なんだよね。あるタイミングで日本以上の高齢化が進むことになる。その時は経済を維持できるんだろうか？だって働いてくれる人がいなくなっちゃうんだよ。
それと、国際社会で仲間として協力してくれる国はいるんだろうか？ここで必要なのはお金じゃなくてモラルなんだけどね。