mixiユーザー(id:5019671)

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2020年08月29日21:42

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「当」の両義性　御社　弊社　当社　教えて！goo　辞書〈2〉

　下記の仲間。
日本語アレコレの索引（日々増殖中）【23】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1975055968&owner_id=5019671

mixi日記2020年08月22日から

　下記の続き。
【御社　弊社　当社　教えて！goo　辞書】2020-08-24
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12620002735.html

　下記の仲間でもあるかも。
【二義性、両義性、多義性の話】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12619552711.html

　質問板でのやり取りで気になるコメントが。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/11835411.html
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用開始
No.5

＞官庁・大企業等で専ら使われる用語でしょうかね？

弁護士、監査人、コンサルタントなどが、当該企業の従業員やオーナーがいないところで企業を参照する場合、特に固有名刺を回避する場合に、当社というのが普通です。
法律事務所の所長と雇われ弁護士が顧客企業を指す時など、当社と呼びます。
会話している二人が当該企業に対して等距離だからですね。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用終了
　そう呼ぶんだ。たしかに呼ぶ気もしてきた。
　困ったんもんだ。

　辞書を再掲する。
【コトバンク】
https://kotobank.jp/word/%E5%BD%93%E7%A4%BE-580452
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用開始　　　　
当社（読み）トウシャ
とうしゃタウ‥とうしゃ〔タウ〕

デジタル大辞泉の解説
１この会社。また、自分の所属するこの会社。我が社。「当社の規定により優遇」
２この神社。

大辞林第三版の解説
①この会社。我が社。
②この神社。

精選版日本国語大辞典の解説
〘名〙
① 自分の所属するこの神社。また、目の前などにあるこの神社。
※平家（１３Ｃ前）一「われ当社に百日参籠の大願あり」
② 自分の所属するこの会社。
※露団々（1889）〈幸田露伴〉三「当社(タウシャ)へ宛て、其事の果して真なるや否やを問合さるる向き、非常に多くして」
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用終了
　おそらく、『大辞泉』にある「この会社」の用法なんだろう。
　わからないのは、3辞書とも「神社」に関しては、「この神社」を認めていること。当該神社の関係者以外が「当社」と言うのだろうか。
　ちょっと気分をかえて、「当」を辞書でひいてみた。

https://kotobank.jp/word/%E5%BD%93-579332
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用開始
当（読み）トウ
あだてとうタウとう〔タウ〕当〔當〕漢字項目

デジタル大辞泉の解説
【二】［連体］この、その、現在の、今話題にしている、などの意を表す。「当劇場」「当ホテル」「当案件」　

［音］トウ（タウ）（呉）（漢）　［訓］あたる　あてる　まさに…べし
［学習漢字］2年
１仕事や任などにあたる。「当局・当直・当番／担当」
２あてる。割りあてる。「充当・抵当・日当・配当」
３あてはまる。道理にかなう。「当否／穏当・該当・至当・失当・順当・正当・相当・妥当・適当・不当」
４そうするのがあたりまえだ。「当為・当然」
５その。この。問題の。「当時・当日・当社・当地・当人・当方」
６今の。「当座・当主・当節・当代」
７「当選」の略。「当落」
［名のり］まさ・まつ

大辞林第三版の解説
②「当の…」の形で連体詞として用いる。 → 当の
④名詞の上に付いて、「この」「その」「私どもの」、また、「現在の」「今話題にしている」などの意を表す。「－劇場」「－案件」

精選版日本国語大辞典の解説
[1] 〘名〙
① ちょうどその事にあたること。ちょうどその時の問題の対象になっていること。→当の。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用終了

　大丈夫か。
　3辞書並べて、使えそうなのは『大辞林』の下記の部分だけで、ほかの2辞書はどうかしている。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用開始
④名詞の上に付いて、「この」「その」「私どもの」、また、「現在の」「今話題にしている」などの意を表す。「－劇場」「－案件」
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用終了

「当社」の「当」は「私どもの」意味。ほかの2辞書にはこの記述がない。ありえないだろう。
　ただ、この記述だって不満が残る。
　2つに分けるべきじゃないかね。
Ａ　名詞の上に付いて、「この」「その」、また、「現在の」「今話題にしている」などの意を表す。「当案件」「当事件」「当人」
Ｂ　名詞の上に付いて、「私どもの」などの意を表す。「当社「当校」

　わからないのは、『大辞林』の例文にある「当劇場」。たとえば、日本劇場（仮名）を紹介する記事を書くとする。「この劇場」の意味で「当劇場」と書くライターいるのだろうか。そういうのは「日本劇場」と書くか「同劇場」と書くもんじゃないのかね。
　記事中に関係者のコメントが出てきて「当劇場」と言うならきわめて自然。「私どもの劇場」の意味。
　弁護士、監査人、コンサルタントなどが当該企業のことを「当社」と言うらしい。個人的には強い異和感があるけど、言うんでしょうね。それこそ「社会方言」じゃないだろうか。
　フツーは、「当社」と言えば「私どもの会社」。監査人、コンサルタントなどが「当社」と呼ぶのは、「当該会社」と言うより、身内意識じゃないかと思う。
　顧問弁護士が「当社」というのも身内意識だろう。状況によってはおかしくない。

　ちょっと特殊なのは「当人」かな。
「自分の会社」＝「当社」なら、「自分」＝「当人」でもおかしくない気がする。でも実際にはそうは言わない。「自分」＝「当方」という言い方があるからなのでは。

　こんなことも書いていた。
【「当該」と「当」の違い　教えて！goo　辞書】mixi日記2018年05月30日から
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12380057408.html
　このときは〈『大辞林』も大差ない。〉と書いている。更新された？

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