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2020年08月07日20:42

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学力低下問題と論文数減少は、関係ない

■中国の論文数、世界一に=米国抜く、日本4位―文科省
(時事通信社 - 08月07日 17:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6186751
こういう記事が出ると日本の論文数の、低下傾向とゆとり教育学力低下問題みたいなことにからめて社会批判する馬鹿が出てきますが、日本の論文数が低下しているのは学力低下とは関係ない。単に助手制度を廃止して研究者の雑務が増えたことが原因です。
ゆとり教育でたとえ学力が低下していたと仮定しても、研究論文の数に因果関係を求めるのは無理があるでしょう。
2000年代初頭に研究の中核を担っていたのは、ゆとり世代とは何の関係もない当時の20代後半〜40代前半、すなわち今でいえば40代前半〜50代後半の先生方ですから。

学力低下問題を除外して改めて言うと、2000年前後の変化として、助手制度が廃止されたことが挙げられます。そのことによって、研究の中核を担うべき、30〜40代の研究者の雇用が不安定になりました。自分の明日の雇用が不安なのに、誰にも認めてもらえないかもしれない、新しい工夫をこらした研究などできるはずがありません。

大学の事務仕事や競争的資金の獲得申請に教員が忙殺されるようになってきたのも2000年前後からです。まともに申請書を書いていたら、論文1〜3本分の労力がかかるという先生もいらっしゃいます。某Fランク大学に勤めている私の知人も体感として、2本分くらい損したと話してましたね。

さらには、2000年前後をさかいに、90分15週の授業時間の確保が義務づけられましたので、教員は講義の時間が増えています(もちろん、大学生も勉強の時間が増えています)。これは学生にとっては良い面もあります(自主性は減じたので、良い面ばかりとは思いません)が、単純に論文を書く時間はなくなるわけです。
研究費が削られている点などは確かに深刻な問題だとは思いますし、そういうことが日本の論文数減少に影響しているのは間違いないけど、こういうのはゆとり教育とか学力低下問題とは全然関係ないので、こういう記事が出たときにゆとり教育が悪いだの学力低下問題が深刻だの喚くのは、意味が無いと思います。
社会運動家、評論家、学識経験者、そしてマスコミは、自らの存在理由を社会に訴えたいという無意識の動機によって、何事についてもマイナス面、課題面を強調する傾向があります。これが社会の進歩の原動力の1つともなることから、こうした強調を必ずしも否定することはありません。
しかし、現実のプラス面についても正当に評価しておかないと、マイナス面を改善することによってむしろプラス面を損ない、元も子もなくなってしまう可能性が出てくるので十分に気をつけておく必要があるでしょう。

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