一歩、踏み込む足が沈んでいく。
安定を崩した体は砕け落ちて、倒れながら自身を見ている。
どうして僕は笑っているのだろう。
過不足のない今日は疑問でしかなく、誰が倒れているのかすら分からない。
あれ、そういえば僕は悲しんでいなかったっけ。
年々気持ちに心が重ならない場面が増えてきた。
「正常に処理できるようになってから考えたほうが良い」
以前、ある人が教えてくれた。
それは僕の中ではとても貴重な、大人がくれた有意義な意見だった。
でも、正常に処理できるまで待てない場合も多かったりする。
そして処理できる余裕のある状態だけを正常だと捉えたくなかったりもする。
更に、最近は思っている事と実際に感じている事にズレがある気もする。
片足が沈んでいるからだろうか。
ぐるぐると夜空が回っている。
回っているのは僕の方かもしれない。
久しぶりに何か映画が見たい。
そう思って色々探している中で、「シャイニング」の続編が昨年公開されていたのを思い出した。
「シャイニング」はとても好きな映画の一つで、その続編である「ドクター・スリープ」も必ず見ようと思っていたやつだ。
ハードルを上げすぎても良い事はないだろうが、評判はかなり良さそうなので楽しみ。
ポップコーンでも焼いて映画を見よう。
きっと弾けて空に飛んでいけるだろう。
ポンッ。
心で念じても飛べるわけはない。
でも、ちょっと心の一欠片は飛んでいったように思う。
それは星になって、少しだけ夜を照らしてくれるだろう。
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