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2020年06月09日00:54

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Can't Help Falling in Love With You

黄緑色の昨日が終わって、グレーな明日の間に浮かんで漂う。

久しぶりのフラットな感覚が楽しくもあり、
どちらにも転べる、転んでしまえる不安定さが懐かしくもあり、

少し言葉を過去へと流してやろうかと
少し僕自身が溶けて消えていくのではないかと

夜と朝の隙間の落とし穴の中で漂っております。

眠いけど眠っていない微睡んだ感覚は嫌いじゃない。
眠いけど眠らずにいるこの隙間がきっと好きなんだろう。

昨日と今日、今日と明日には隙間がある。
おそらく気づかないほどの隙間だ。

絡みついてくる泥に沈んでいく足が、
ぶくぶくと音を立て飲み込まれていく今日が、

少しずつ酸化していく耳まで届いて
いつの間にか消えていく。



さて、

コーヒーが入ったよ。

些末な話でもしようか。


映画が好きだというと、どんな映画が好きか聞かれる事がある。
色々見た中で好きなものも幾つかあるけれど、好きなキャラクターを聞かれる事はほとんどない。

僕は割と主観的に映画を楽しむから、キャラクターは結構重要だったりする。
特に悪役に感情移入しやすいからか、良い悪役がいる映画が結構好物だったりもする。

最近だと「Joker」が素晴らしかった。
バットマンの悪役で、ダークナイトでもそのカリスマ性からとても人気が高かったが、3作目は本当に素晴らしかった。

くそったれな世の中で優しい男性が狂っていく様が上手に描かれていて、僕の好きな映画のキャラクターの中でもかなり上位になってくれた。

格好良くて好きだったのは、死霊館のエド・ウォーレン。
悪魔祓いに訪れた家の怖がる子供たちに、プレスリーのモノマネで"Cant help fall in love with you"を歌うシーンは今まで見たどの映画のヒーローより素敵で、こんな男性になりたいと思った。

かなり前だが、ガリレオの容疑者Xの献身の石神哲哉も最高だった。石神哲哉は堤真一さんはもちろん、松雪泰子さんを含めた演技力や演出で昇華されている感じもする。

他にもきっと、思い出せない好きな人がたくさんいる。

思い出せない事はとてももったいない。
忘れてしまうのがひどく悲しい。

でも、なんだかエドのおかげで少し温かい。
Cant help な fall in love の 夜だ。

隙間が歌で満たされて、沈んだ足が駆け出していく。
隙間は至るところにあるけれど、温かな思いで満たしたい。



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