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2020年05月17日11:04

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技術の最低値は絶対に崩すな!!:機械屋さんが語る自己啓発の話 その4

技術は金にならない。けど技術は顧客を着ける事で安定的な収入源になる。そんな話をした。
が、いくら技術がお金にならないといえそれにも限度というものがある。
だからこそ技術で収入を得てようとしている人に言いたい。
技術料の最低値だけは絶対に崩してはいけない。


なんでたかだかこんな事でこんなに金額を取るんだ。まけろ。
何かしらの技術職に就いている方なら、客からこんな言葉を投げられた経験は1度くらいはあるだろう。
理由はいくつかある。

1つ。技術提供という商材は目に見えないものであり、実感を持ちにくい商材でもあるからこそ代価を支払う事をもったいないと感じてしまう。
自動車の点検整備なんかいい例で、常に自動車を使える状態に保つのが目的の整備はやったところで客が整備した事を実感するのはまず無理だ。ないせ使う側は自動車は簡単に壊れないものという先入観を持たれてることが多い。
だからこそたかだか見るだけの点検に料金を支払うのは無駄だと感じ、車検以外の点検を行わない人も多い。
そんな訳で機械に明るい人は信じられないかもしれないが、エンジンオイルの交換一つとっても必要性を納得させる事がめちゃくちゃ大変だったりする。

2つ。そもそも依頼した作業内容がどんなに手間なのか想像すらされない事がある。
自動車のオイル交換を文字で説明すると、
自動車をジャッキアップする→エンジンの下にあるオイルドレンボルトを緩め、オイルを抜く→ドレンワッシャーを交換してドレンボルトを取り付ける→自動車をジャッキダウンし、エンジンのオイルフィラーからエンジンオイルを入れる
と、だれでも出来るように感じる。実際やり方を知っていればだれでも出来る。
しかしこの工程1つ1つにも細かな注意点があって、ジャッキアップ1つをとってもジャッキアップポイントを間違えれば大事故にもつながりかねない。
また、車種によってはエンジンルームの下にアンダーパネルが付いていて、それを外さないとオイル交換が出来ないという手間が発生する物もある。
当然後日オイル漏れを起こした、とかオイル量が足りなかったせいでエンジンが焼き付いた、なんてことはご法度だ。
それらの手間やリスクを背負った上で作業を行うのが技術サービスなのだが、興味関心のない客にはそれが全く伝わらない。
だから料金が高いと感じられる。

3つ。技術料はまけれるもの、もしくはこっちはわざわざ使ってやっているのだから技術料をタダにしろ、などと思われている事がある。
これは上の2つとは性格がちょっと異なるし、後述に至っては割と悪質な部類だ。
過去に技術料をまけてくれたことがあるという成功体験が客の中で1人歩きしてしまった結果なのであるが、こいつは提供側の浅はかさが原因になっている場合も多い。
私とて技術料をまけた経験はある。例えば買ってもらったバッテリーを取り付けてあげるとか、異音がすると聞いて見てみたらカバーの取り付けボルトが1本緩んでいたからただ締めただけしかしていない、といった本当に些細なことは料金を取らなかったりまけたりもした。ただこれはこちらの利益が確保されていたり、何の労力も発生していないからだ。
だが残念な事に中には利益を無視して客に良い恰好をするのが目的で行うも者もいる。高額な機械や自動車を買ってもらうためにわざと、しかも勝手に点検料をまけてしまうとか。そういったことをやられると当事者だけが割りを食うばかりか店全体、場合によっては業界全体に悪影響を及ぼす。しかも味を染めた客は増長し要求はエスカレートする始末。
だから値切りやサービスは当人が処理できる範囲で、しかもその場限りになるようなものでないといけない。


技術料と言うのは実態がない分、値下げしようと思えばどこまでも値下げできてしまう。
しかし行き過ぎたそれは回りまわって自分の首を真綿で占める自殺行為に他ならず、様々な業種で最低価格を設けているのは早い話自爆を防ぐためでもある。
だから安易な技術料の値下げはやってはいけないし、最低値を割るなんてことは絶対にやってはならない。

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