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2020年05月17日09:07

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2017年社員旅行 中編

〈2017年社員旅行 前編〉
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1975667846&owner_id=16919268

新大阪駅で乗り換え、USJへ。


USJの入場口のところには、『UNIVERSAL STUDIO JAPAN』と書かれた地球儀が水しぶきと共にまわっている。
そしてその周りで子供たちが「きゃー!」「つめたーい!!」とはしゃぎながら遊んでいて、なんとも微笑ましい。

その地球儀の周りへ、ほぼ顔色が全快したモモコさんがゆっくりと歩いていく。


私「…?モモコさん、何しに行くんですか?」

モモコ「新幹線の中が乾燥していたから、体がミストを求めているの」

私「ミストですか」

モモコ「初老には定期的な潤い補充が必要」


そういってモモコさんは、はしゃぐ子供たちのなか、両手を広げ1人「ミスト…」「おぉ、ミスト…」とつぶやきながら地球儀のまわりをゆっくりと巡回。
なにか神の儀式のようにも見えた。


さて、やっと入場。

本当になにも考えていなかったため、どうしようかなと思っていたら、私より15cmくらい身長の高いシオリから首ねっこつかまれる。
(私、150cm。シオリ165cm)



シオリ「ジェットコースターに行くです」

私「シオリ…、私…いちおう先輩ですけど…」

シオリ「葉桜さんも一緒に行くです。若いんだから」


さっきのフォローのようにも、イヤミのようにも聞こえる不思議。

そのままズルズルとシオリに連れて行かれたのは、『ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド』
音楽を聴きながら楽しむジェットコースターらしい。
待ち時間は90分と書いてあった。
「90分って1時間半待ちか、マジかよ」と思っていたけど、シオリと喋っていたり、他のお客さんとか眺めていたらあっという間だった。


私「あ、進撃の巨人のミカサのコスプレしてる子がいる。可愛い」

シオリ「私はジャンが好きです」

私「あれ?前の列のほうに赤白のボーダー着てる人がいる。ウォーリーのコスプレかな」

シオリ「USJにウォーリーのイベントなんてないですよ」

私「楳図かずおのコスプレなのかも」

シオリ「もっとないですよ」

私「あれ?ウォーリーコスの人、さっきまでいたのにいなくなった!どこだ?どこ行ったんだ?シオリ、ウォーリーを探せ!!」


あっという間に自分の番が来て、コースターに乗り込む。
なんと一番前の席だった。
上から安全ベルトがガチャンと自分の身体を締める。
急に緊張感が高まり、不安が強まる。
発車前に流す音楽を決められるらしいのだが、そんな余裕は皆無だった。

ゆっくり、ゆっくり、コースターは上昇していく。

まぁ、私、『落ちる感覚』は苦手だけれど、『速い感覚』なら割と耐えられるからな。
普通ジェットコースターなんて最初1回「キャー」って急降下して、あとはただの疾走でしょう。

そう自分で自分を励ましながら、上昇の時間を耐える。


が、


私「うぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!」


甘かった。

私が記憶する限り、『ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド』3回くらい急降下を体験している。
途中何度か失神した気がするので正確な回数は分からない。

音楽なんて、もちろん聴く余裕なんてなかったけど、
どうやら『進撃の巨人』の当時の主題歌が選択されていたらしく、
「ふンぎゃー!もうダメだー!タスケテー!!」と絶叫している中、
かすかに「心臓を捧げよ」と聞こえてきた。


本当に何度かUSJに心臓を捧げてしまいそうになりながらも、終了。

この感覚、知っているぞ。
「腰が抜ける」だ。

降車後、ニコニコ満足げに笑うシオリの両肩にしがみついた。


私「シオリさん!おんぶ!!」



当時28歳とは思えぬ足腰で、全体重をシオリに預けた。


が、ここまでヘロヘロな私に、シオリは天使のように無邪気な笑顔を浮かべて言った。



シオリ「もう一回乗るです」




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