インシュレーターKaNaDe開発の小林さんは、元自動車ブレーキパッドの開発者であったので、物質の物性と振動、鳴きへの影響のご専門だけに、日記には難解ながら勉強になることが書いてあります。
故長岡鉄男氏の著作のインシュレーターの項より。
長岡鉄男氏
「"石英、セラミックス、ステンレス、鋳鉄、大理石、ガラスなどは振動を吸収する効果はないが、遮断する効果はいくらかある"、とある。」
小林氏
「トンチンカンである。
これらは皆無機物であり、弾性体であるから、振動は殆ど減衰していかない。
物理用語で線形性といい、バネと同じ、一度力を加えると時間をかけてy=Xでゆっくりと変化する。」
長岡鉄男氏
「"強靭な剛体ラックを置いてセットした機器には、床の振動は伝わらない"」
小林氏
「剛体は弾性体だから床の振動を伝えまくります。」
長岡鉄男氏
「"ウレタンは粘性?"」
小林氏
「ウレタンは有機高分子材料ですから、弾性と粘性を持つ粘弾性物質です。
スプリングコイルは弾性で合ってますが、スプリングコイルと粘性オイルを組合せたから粘弾性になるわけではなく、単体物質の分子構造が粘弾性なのか弾性なのか粘性なのか学術的に分類しているのであって、、、
もうめちゃくちゃである。」
長岡鉄男氏
「"CDプレーヤーは中がフローティングなのでインシュレーターはいらない"」
小林氏
もちは餅やとはよく言ったものである。
特定の技術専門家が、勉強も研究もしたことがない分野に口を出すものではない。
金を出す庶民にはたまったものではない。
減衰させるには、ゴム弾性体であるゴムか、粘弾性体であるプラスチックや木を使うしかない。
以上引用
https://ameblo.jp/spdc7249/entry-12588830599.html
ところで愛用しているオーディオラックの仕組みを小林さんにご覧いただいてコメントいただきたく物性を見てみます。
コプラーレ社 Bronze
Bronzeの名前のとおり、棚板と支柱は真鍮です。無機物ですね。
ドラムのシンバルや、金管楽器の部材がBronzeのとおり、無機物であり、弾性体であるから、振動は殆ど減衰していかない。
そのままでは鳴り響いてしまって、振動が減衰しにくい部材をどうして?
棚板の裏には本皮が接着されて、ダンプして減衰させています。本皮は有機物の典型ですね。
つまり無機物と有機物を貼り合わせてあります。
そうして棚板の足はスパイク構造となっていて、これを木という有機物で受けています。
木と鉄では12倍も減衰力が違うそうです。
この木もBronzeの支柱にはまたスパイクを通じて置かれています。
支柱の真鍮パイプ内には、歯科の入れ歯の台の材料とされるレジンが充填されています。
歯科用プラスティック樹脂で、ウレタンなどと同様の有機高分子材料ですから、弾性と粘性を持つ粘弾性物質です。
入れ歯はそういうものを使わないと、硬い物を噛み砕いたときなどに、そのときの音が口内から頭蓋骨に伝わって、煩く不快な食事になってしまいます。
支柱最後もスパイクとなって、振動減衰が図られているようです。
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