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2020年05月14日10:46

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検察は「権力から『やりやすい』と思われたらおしまい」である

 下記は、2020.5.13 付の 産経抄 です。

                記

 中学生の頃、高木彬光(あきみつ)さんの小説『検事霧島三郎』を読んで、検事にあこがれた。現在のお気に入りは、『検事の本懐』をはじめとする、柚月裕子(ゆづきゆうこ)さんの「佐方貞人(さかたさだと)シリーズ」である。ボサボサの髪によれよれのスーツ。

 ▼風采はさえないけれど、「いずれ検察の正義を背負う男」として上司の信頼は厚かった。ところがある事件をめぐって上層部と対立、秋霜烈日のバッジをはずすことになる。現実の検察官をめぐっては、定年を65歳に引き上げる検察庁法改正案に逆風が吹き荒れている。

 ▼野党や法曹関係者だけでなく、芸能人までツイートを通じて抗議活動に参加して話題になった。もともと国会では、検察官を含め国家公務員全体の定年を引き上げるために審議してきた。本来はなんの問題もないはずだ。

 ▼ただ専門家は改正案に盛り込まれた「特例」を問題視する。検事正ら幹部は63歳でポストを退く「役職定年」となるものの、内閣や法相の判断で延長も可能になる。役職にとどまるために、幹部が政権の顔色をうかがう恐れがあるというのだ。

 ▼今年1月に政府が閣議決定した黒川弘務・東京高検検事長(63)の定年延長との関わりも取りざたされる。官邸に近いとされる黒川氏を次期検事総長にするために、氏の定年延長を正当化したのでは、との疑念である。

 ▼もちろん改正案の成立によって、検察官の仕事ぶりが変わるとは思えない。「俺の正義は、罪をまっとうに裁かせることだ」。佐方の信念は、すべての検察官が共有しているはずだ。ただ先月、元最高検検事の清水勇男(いさお)氏が小紙への寄稿で指摘したように、検察は「権力から『やりやすい』と思われたらおしまい」である。渦中の黒川氏に「検事の本懐」を聞いてみたい。

 https://special.sankei.com/f/sankeisyo/article/20200513/0001.html
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