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2020年05月08日00:38

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たかが漫画家

どの日記もコロナ騒動のことばかりだから、たまには全く関係ないことを書こう。
とはいいつつ僕は殆ど関係ないこと書いているが・・
また参考文献にしてしまい申し訳ないが、えんだんじさんの著作『若い女性たちに告ぐ』で、漫画家の小林よしのりのことが書かれてあった。
タイトルは「ガキの小林よしのりを叱る」
多分、どっかに描いたゴーマニズム宣言の内容だと思うが、小林はそこで70代の老人にたいして口汚く罵っている。トイレに入ったあと、小便で便器を汚すだのなんだの、そんなガキレベルの罵り方。
それに対して、えんだんじさんたちは、優れた仕事をしたからといって、人格者であるわけではない、コイツは人間のクズだ、といった反撃をしている。

でまあ、僕なりの小林よしのりの評価を述べてみたい。
まず、よしりんは、単なる漫画家であって、政治評論家でもなければ、政治運動家でもなければ、ましてや政治家でもない。あくまで漫画家である。
僕の最初の接点は、高校のときくらいかなあ・・『おぼっちゃまくん』というナンセンス漫画。これは小学生向けの漫画誌「コロコロコミックス」に連載されていて、完全に子供対象の漫画。テレビでアニメ化されていて、僕は高校生だったがなんとなく見ていた。
主人公おぼっちゃまくんのセリフ「ともだちんこ!」「おはヨーグルト!」など結構流行って、小学生たちが真似していた。僕もほぼ大人になっていたが真似した・・今でもたまに言う。
まあ、僕はナンセンスな下らないものは嫌いじゃない(というか大好物)なので、面白いなあと思っていた。
漫画好き故、同一作者の他の作品も読んでみたいと、本屋へいったら『東大一直線』なる漫画をデビュー直後くらいに出していた。パラパラと立ち読みしたが、絵は荒いし内容もよくわかんないし、面白くもなんともないから買わなかった。
それからしばらくして、僕が大学生くらいになった時かな、、なんかの大人向け雑誌に『ゴーマニズム宣言』が連載されていた。「お!あの『おぼっちゃまくん』の作者じゃん。こんな真面目なこと描いているのか」と妙に感動したが、字は多いし時事問題ばかりでつまんないので、それっきりだった。
やがて、薬害エイズ問題、オウム真理教問題など、世を騒がせた事件について『ゴーマニズム』で連載し、自らも運動に参加したり、『朝まで生テレビ』に出演していたりと、チラホラと漫画以外の部分も目立ってきた。
そんな折、電車の移動での暇つぶし用の本を買おうと駅の本屋へ立ち寄って、なんとなしに『ゴーマニズム宣言』を購入。読んだけど、僕はあまり面白くないなあ・・とちょっと後悔した。多分その本は、半分も読まなかったんじゃないか?

で、しばらく『ゴーマニズム』の存在を忘れていた折に、どこかで小林よしのりの『戦争論』がすごい評価されている!知識人を動かしている!ということを聞いた。
それで、ずっと気になっていたところ、古本屋で100円で売られていたので、買ってみた。(ちなみに僕は『ゴーマニズム』は正規の値段では買わない。あんなのに1,000円以上払うのはバカらしいので)
読んでみたら、面白いわ面白いわ。痛快この上ない、大東亜戦争賛美論であり、日本軍イケイケガンガンの漫画。こういう痛快なものは大好きだ。
ついで、『戦争論2』『戦争論3』も出版されたので、そちらも(古本屋に落ちるのを待って)買った。まあ、『戦争論』ほどの面白さや勢いはないが、そこそこ面白かった。
僕の視点は、小林の思想に共感するとか小林が国民に啓蒙した行為を賞賛するとか、そういうことは全く興味なく、「単純に漫画として面白い」かどうか。単純に漫画として見た場合、『戦争論』は私的漫画史のなかで、上位10位内には確実に入るだろう。
ただし、その後の『ゴーマニズム』はさっぱり面白くない・・・
『戦争論』に便乗して、『天皇論』だの『靖国論』だの『台湾論』だの『沖縄論』だのも出版していたので読んでみたが、サンドイッチマン風に「ちょっと何言ってるかわかんない」状態だった。
よしりんは、『戦争論』絡みが一番面白い。結構最近でた『新戦争論』はアメリカのイラク侵攻を叩く内容だったが、これはそこそこ面白かったので。
その後、AKB48にはまったという噂も聞いたこともあり、全く興味なくなった・・
あとは、オウムの時期前後くらいに出版した『差別論スペシャル』もそこそこ面白かったかな・・てか私結構よしりん読んでるね・・

よしりんが、元々単なるガキの思考の漫画家風情でしかない、というのは、結構以前から思っており、それを強く感じたのが、「新しい歴史教科書を作る会」(通称:つくる会)を脱退したこと。
『戦争論』で保守言論人たちに担がれて気をよくし、つくる会に入会して「俺も文化人だろ?」みたいな痛々しいオゴリを感じてはいたが、西尾幹二なんかと口論になりあっさり脱退。
その言い訳めいたことを漫画で延々と描いていた。しかも西尾幹二を猿にみたてた絵で、印象操作もばっちり行いかなり悪意を感じるもの。
かと思えば、昔散々批判していた西部進と懇意になったりと、どうも節操がない。
まー所詮は漫画家かなーって思った。(こういう言い方だけど、僕は漫画家という職業を決して蔑視していませんよ!むしろリスペクトしています)
もともとは、『おぼっちゃまくん』で「ともだちんこー!」を描いて売っていた人だもの。それが、ちょっと言論界の痒いところを突っついてワーワーいわれて気をよくしただけだと思う。「俺って漫画家なのによー、こういう賢い連中にもチヤホヤされるんだぜー」みたいな。まあ、「わしは所詮漫画家。子供の視点しかもたない」は本人も言っていたけどな。
「朝まで生テレビ」に出演しているのも何度かみたけど、生来の喘息持ちが影響しているのか、全然通らない貧相な声だし、体つきも貧相であまり迫力がない。こういうコンプレックスが、漫画に押し込められているんだろうなーといったところ。

でねえ・・・よしりんがちょっと強いのは、漫画という武器があったことなんだよね。。
漫画って絵でイッパツで印象付けられるし、あんまり思考力がなく本もロクに読めない奴でも一瞬で入ってきちゃう。
言論人がクドクド百万言費やすより、物凄い効果ある。特に、自分が批判したい人間を悪人顔に描けば、読解力のない奴でも「ああこいつ、悪い奴なんだ!」て思うもの。
そういう自分の能力をいかんなく発揮した。これは、なかなかかなわないよ。
あと、漫画家として売れちゃったので、完全に独自の世界で生きられるから、誰かに群れてコビを売る必要がないのと、実名も顔も全て晒している有名人なのに、堂々と漫画にして公表しちゃていることだな。
こうなれば、「あんた誰?」状態の無名なスズメの涙の原稿料しか収入がない言論人なんか、もう言うだけ悲惨なものだ。
そういえば、左翼論壇の誰かが、よしりんを名誉毀損で訴えたけど、あれもやめときゃいいのに。。って思った。案の定、漫画で悪人顔に描かれ、その裁判の経緯は散々おちょくられていた。
訴えた左翼論壇の人も、何か重箱の隅つつくように、小林はこの期に及んでこんなこといいやがった、小林は裁判官にこんなこと言われた、やはり悪い奴には天誅が下るんだ!といったような自分が優位だというアピールをどっかに細々と書いていたけど、それもなんか虚しい限りだった。もう痛々しくて・・
漫画家として知名度の高いよしりんが絵を描けば、一発でその人が悪人であるって印象が全国に散らばるんだもの。
まあ、そういった意味でも、子供の喧嘩にまともに乗っちゃうほうがアホだよなーと思う。
所詮は、『おぼっちゃまくん』の作者なんですよ。
その時その時思いついたことを漫画にして、思想に一貫性はない。というか、思想っぽいことを漫画にして遊んでいるだけで(本人マジでやっていると思われる節もあるが、あれは痛々しい)、単に「こいつムカついた。漫画にしてやれ!」くらいしか思っていない。
今は70代の老人を悪し様に描いて「わしが尊敬しているのは戦中派の80代、90代」とほざいていても、どこかでその80代、90代に対してムカついたら、きっとそっちを悪し様に描くだろう。
まあそれでも、漫画家として売れていれば問題ないわけで。売れるために若者に媚びて老人に毒づいても、それが「経営戦略」なんだから、ありだと思う。私たちがどうこう言えることじゃない。やり方は、貧相で狡猾だと思うが。
でも漫画家は「売れたモン勝ち」。何百万という人間が漫画家を目指しつぶれていくような世界で、売れる漫画を60過ぎまで出し続けているんだもの。こりゃね、外野が何言っても妬みやっかみでしかない。

で、こんな誰も読んでいない日記で言っても仕方ないんだけど、

ゴーマンかましてよかですか?

小林よりのりに目くじらたてて批判し怒り狂ってきた言論人、知識人の奴ら!
所詮漫画家風情だってどうして思えないんだろうか?
「まー変な漫画描いて、アホだなこいつ」って放っておけばいいのに、生半可、反応したりして自分たちの畑に連れ出すから、いいようにネタにされちゃうんだろうがよ!
昔々、ビートたけしが、漫才師でありながら、その鋭利な毒舌で知識人たちを翻弄しまくっていた時代。漫才師に並居る知識人が、ギャンギャン反論し、たけしは「たかが漫才師の言ったことじゃん」て笑っていた。
その中で、作家の遠藤周作は、ビートたけしの自分への毒舌についてのインタビューに来た記者に対して、「ビートたけし?バカヤロウ、俺は忙しくてそれどころじゃねんだよ!そんな漫才師風情にかまってられっか!」って追い返した。
それを聞いたたけし、「この人こそが文化人の正しいあり方だ」って褒めていたのを、何となく思い出した。

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