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2020年04月27日00:46

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胃癌の画像

冒頭の写真は、今月17日現在の老母の胃癌の写真です。

4月17日(金)

昨年11月から年末まで老母が胃癌の治療に使っていた抗癌剤「パクリタキセル」が効果抜群で、ほとんど見えないくらいに胃癌が小さくなったのですが、大晦日に副作用の心筋症を引き起こしてしまったので、それに代わって1月から使い始めた「オプジ−ボ」。

「パクリタキセル」とは違って癌を直接攻撃するわけではなく、免疫力を極限まで高めることで、患者自身の免疫力で癌を退治する抗癌剤です。

そろそろ効果が現れてきても良い頃と、老母に付き添って松戸市立病院(松戸市総合医療センター)に行き、胃カメラの検査を受けました。

胃カメラの検査後、1時間ほど待って担当医の説明を聞きます。

今の医者は、患者(老母)にもコンピューターの画像を見せて説明します。

「えぇ、ごらんになっておわかりと思いますが。オプジーボは全然効いていません。癌は1月には非常に小さくなっていたのですが、また元に戻ってしまいました」

「やぁ、母様。こりゃダメですな。金だけ取られて、かえって癌を大きくされてしまひました」

「馬鹿っ!失礼なことを言ふなっ!後期高齢者の特権で上限の8千円しかひと月に払ってゐないのだ」

「いやぁ、息子さんがおっしゃるのもごもっともで、3ヶ月経ってこの状態ですと、このままオプジーボを使い続けても効果は無いと思いますから、抗癌剤を変えませう。ロンサーフという飲み薬に変へやうと思ひます」

「ロンサーフですか」

「えぇ。パクリタキセルやオプジーボとは違って点滴ではなく飲み薬です。ただ、飲み方が少々複雑でしてね。息子さんがよく覚えておいて、お母様の薬を管理してください」

「いやぁ、さすがに先生は年寄りの頭の中身をよくわかっておられる。あたしに代わって難しいことを記憶させるために、息子を連れて来てゐるんですよ。こいつに何でも覚えさせてください」

「母様が私を連れてきてゐるんぢゃないでせう。私が母様を自動車に乗せて連れてきてゐるんぢゃありませんか」

「まぁまぁ、それはどちらでも。・・・えぇ、ロンサーフの服用は、基本は朝晩二回です。朝食・夕食の後で三錠づつ飲んで下さい。それを五日間やって、二日休みます。そしてまた五日間。これでワンクールです。そしたら2週間空けてください。そしてまた、五日間やって二日あけてまた五日間」

「それでまた二週間空けると」

「えぇ、さうです」

「こりゃ、飲む日と飲まない日をちゃんとカレンダーに全部書いておかないといけませんな」

「えぇ、ですからそこは息子さんが管理してください」

「わかりました。えぇ、いまちょっとメモしますから・・朝と晩に五日間で・・・」

「こちらにロンサーフのパンフレットがありますから、これに全部書いてあります。差し上げますからお読みになって下さい」

「やぁ、こりゃだうもありがたうございます。母に代わって覚える自信がないので助かります。(パラパラパラ)あぁ、やっぱりこれにも副作用はあるのですね。骨髄抑制といふのが代表的な副作用として書いてありますな」

「さうなんです。骨髄は血液の製造工場みたいなものですから、その働きが抑へられてしまうと。赤血球も白血球も血小板も全部足りなくなります」

「母は血の気が多いので、ちゃうど良いです」

「こらっ!余計なこと言ふなっ!」

「それに、嘔吐や立ちくらみや貧血などの症状が出ることもあります。もし何か症状が現れたら、すぐに連絡を下さい。これでダメでもまだ手はあります」

「さうですか。だうも最近の母は食欲が落ちてきて、毎食ご飯を一膳しか食べられなくなってきてゐるのですが」

「いや、80歳を過ぎた胃癌の患者さんでそのくらゐ食べられれば十分だと思ひますよ。やはりお年を召されるほどに段々と食欲も落ちるものですよ。ちゃんと一膳食べられれば十分です」

「さうですか。ありがたうございました」

「だうぞお大事に。一週間後、24日に予約を入れておきますから、ロンサーフを始めてからのご体調について、そのときにお聞かせ下さい」

********************************

翌朝(18日)からロンサーフの服用開始。

21日(火)夕食時

「卵のお粥かぁ。・・・だうも食欲がでない。おまへ、もっと母が食欲が出るものを買ってもってこい」

「こないだ医者の説明が終わった後で、病院の食堂でカツ丼食って、あとから『あぁ、胃もたれがする』と言ってゐましたね。年寄りの癌患者らしく、お粥だけすすってゐればいいのです」

「やだやだ。そんなもんばっかり食べてゐては、落ち込むばかりだ。・・・さうだウナギ食べやう。おまへ、明日ウナギ買ってこい」

「去年の九月にウナギ食って嘔吐したのが、病院に検査に行くきっかけになったんでしたよね」

「だから、うんとやはらかめにご飯を炊いて、ウナギも蒲焼きで売ってゐるそのままぢゃなくて、蒲焼きにお酒を振りかけて蒸籠(せいろ)でもう一編蒸せば、うーんとやはらかくなる」

「嫌ですよそんなめんどくさいの」

「おまへっ!母が死ぬ前にせめて一口ウナギ食ひたいといふ、その願いを叶へずして、母を死なせてよいと思ふてかっ!だうせ、コロナで出勤停止で仕事が無くて暇であらう。めんどくさくてもよいではないか」

「一口ぢゃ済まないでせう!だうせ一匹丸々食べる気でせう」

「どれだけ食へるか、食ってみなくてはわからぬ!」

「わかりました。明日買ってきませう。そのかはり、ウナギが原因で死んでも知りませんよ!」

「わうさ、うウナギ食って死ぬなら本望だとも!」

頭に来たので、翌日本当に買って、老母の言うとおり、ご飯を柔らかく炊いて、ウナギにお酒を掛けて蒸籠で蒸し直して出しました。

老母は喜びましたが、ウナギを食べて薬を飲み、さて入れ歯を外そうとしたとたん、いま食べたものと薬を全部嘔吐。

食べていて吐き気を感じるなどの、嘔吐の前兆は何もなかったとのこと。

ちょうどロンサーフ服用の五日目の晩だったので、翌日(23日)はロンサーフの服用は無し。ロンサーフを飲まないと、いくぶん動きが楽そうで、食欲もありそうです。

24日(金)

医師にロンサーフ服用の報告をし、ウナギを食った後の嘔吐についても話しました。

「うーん。体に合いませんでしたねぇ。ウナギがどうこうということはありませんが、血液検査の結果は腎臓に関連する値がよくないですねぇ。ロンサーフはやめにして、一週間様子を見て、次は五月一日に予約を入れておきますね」

世間はコロナと戦っていますが、私は何と戦っているのか、相手は癌なのか抗癌剤なのか老母なのか、よくわからなくなってきました。

戦いがまだ終わらないことは確かです。

皆様は対コロナですね。御自愛ください。
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